教員インタビュー

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教授 寺井 公子
研究領域 :公共経済学、政治経済学

両親の入院をきっかけに社会科学の研究を志す
大きく発想し、綿密な計画と努力でそれを実現できる人になってほしい

研究テーマとの出会い、その魅力

両親の入院で、社会保険の存在に気付いたことがきっかけです。「大きくない負担で、なんでこんなに高度な治療が受けられるのだろう」、「保険って、いったいどんな仕組みになっているのだろう」と考えるようになりました。教育学部出身で、心理学や文学、教育学など、人間を深く見つめる学問に関心がありましたが、これを機に社会科学を学びたいと考えるようになり、30歳のときに経済学部に学士入学しました。現在は社会保障制度だけでなく、広範な政府の経済活動、政策を研究テーマとしています。

公共経済学は、用いることのできる政策手段に制約があることで、最善の資源配分を実現できないとき、次善の資源配分は何か、を解く方法を提示してくれています。経済環境が目まぐるしく移り変わっても、利用可能な範囲の中でもっとも望ましい政策は何か、を知ることができます。また政治経済学的アプローチを用いれば、望ましい政策の実行を妨げている政治的要因は何か、どうやったら実現に近づけるのか、を見つけ出す手がかりを得ることができます。少しでも良い社会のありかたを、そこに接近する術を、経済学の理論的枠組みを応用しながら考えることは、とても楽しく、興味が尽きません。

学生へのメッセージ

発想が小さくまとまってしまったり、人と同じ行動をとっていることで安心したりするのは、もったいないことのように思います。だけど大きな話をしているだけで、結果が伴わなければ、自分自身もつまらない。大きく発想し、それを実現するために綿密な計画と努力を怠らず、社会の中に生きる人間として、正しく、着実に成長していってほしいな、と思っています。私自身、そういうふうにやっていきたいと思っていますし、そのためには一時の損や困難に耐えられる「精神的な体力」みたいなものも必要だと思っています。

(2012年11月取材)

※プロフィール・職位は取材当時のものです。

プロフィール

1985年
徳島大学教育学部卒業
2003年
東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)
法政大学経営学部准教授、教授を経て2012年より現職

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