卒業論文中間発表: Amazon について

水谷好伸

 

アメリカにおいて株式市場は整備されており、企業が公表する各々の企業に関する自社情報は正確で、これを利用して投資活動を行う投資家は他の株式市場が未整備な発展途上国の投資家に比べて保護されている。このことは特に個人に、みずから投資家となって、情報を収集することで投資を行おうというインセンティヴをもたらしている。 アメリカの企業とその経営情報を知ることは、そのまま最も巨大でかつ整備された株式市場の現在の常識を知ることであると考えられることから、私の研究はアメリカ企業に対する投資家の動向を知ろうとすることから始まった。

 

株式市場及び投資家の動向を調べようという当初の意図はしかし、現在の私の研究の主要なテーマからはやや外れてきている。これは、アメリカの投資家が現在最も注目する分野である所謂E-commerce、つまりオンライン上での売買形態について知ろうとした過程で、中でも最も注目を集める企業であるAmazon.com およびその出版業界という位置におけるあり方について調べることが、私のほとんどすべての研究となったからである。

 

論文を進めてゆく方法は、アメリカ企業を知る上で頻繁に使われるキャッシュ・フローが電子形態の売買を行う企業ではどのような重要性を持つのかをみること、次に、できれば日本と比較しながらアメリカを中心とした出版制度の仕組みを知り小売店舗業者を含めたシステムと実際の傾向を知ること、そしてこれらをAmazon.com という企業に当てはめて、その現在の繁栄に関して何らかの結論を出すことである。

現在論文全体からみた進行状況はどのくらいであるか見極めることが難しい。しかし、これは最終的に到達すべきゴールが明確に定まっていないことが理由であるため、まだこのレベルにすぎないことから考えて、せいぜい3割というところだろう。