入門
公共経済学
土居丈朗
日本評論社

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第2版が、2018年3月に刊行されました。表紙をクリックすると、第2版のページにジャンプします。
土居丈朗『入門|公共経済学(第2版)』(日本評論社刊)

以下は、『入門|公共経済学』(初版)の内容に関する情報をご紹介致します。第2版については、『入門|公共経済学(第2版)』(日本評論社刊)をご覧下さい。

『入門|公共経済学』(初版)の正誤訂正、本書の内容に関する追加情報や最近の話題など、読者の皆様に感謝を込めてお贈り致します。

本書は、雑誌『経済セミナー』日本評論社刊)で2001年4月号から1年間連載された「実践!公共経済学」を元に、大幅に加筆修正しております。


概要

 本書は、政府に関わる現実の諸問題を取り上げながら、公共経済学を学ぶことを目的とします。公共経済学とは、政府や公共部門が行う経済活動を経済学的に分析する学問です。公共経済学を学ぶことによって、現在の政府の行政や財政に対するより実践的な理解を深めることができ、そのあるべき姿について考える1つの考え方を習得することを目指しています。政府はなぜ必要なのか、税金はどのように課税するのがよいか、公共投資はどのように行えばよいか、地方分権はどう進めればよいか、などの問題を本書では取り上げています。公共経済学を初めて学ぶ学生はもとより、経済政策のあり方をきちんと考えたい社会人の方、さらには政策現場で仕事に携わる公務員の方にも読んで頂けるよう配慮しました。
 これまでにも、多くの公共経済学の教科書が出版されています。著者もそれらの本から多くを学びました。しかし、後で振り返ったとき、1つの物足りなさを感じました。それは、公共経済学の優れた考え方が現実の政策のあり方とどう結びついているかについて、あまり書かれていない点です。本書では、現実の政策のあり方を直視でき、数式をなるべく使わずに解説することを心がけています。さらに、公共経済学の見地から言える地方分権や税制に対する政策提言も、本書に盛り込みました。教科書としては言い過ぎかもしれませんが、日本経済をよりよくするために公共経済学の主張が役立ってほしいという思いを込めて敢えて書くことにしました。
 また、本書は、本文中での説明で使う数式を最低限にしました。その代わり、公共経済学の理論が示す直観的な意味を、言葉で丁寧にわかりやすく説明しました。その意図は2つあります。1つ目は、数式を見ただけで学習意欲を失う初学者にも、数式を使わずに公共経済学を理解してもらえる点です。2つ目は、公共経済学を学んだ後でそれを実践するときには、一般国民にもわかるように公共経済学が示唆する政策の内容を説明するには、数式を用いずに言葉で説明できなければならない点です。その意味では、論理を理解せずに数式だけを振りかざしがちな大学院生にも、本書を読んで頂きたいと思います。ただ、公共経済学の理論の数式による展開に興味がある読者のために、各章の補論に厳密な理論の展開を載せています。

 定価:2800円 ISBN: 4-535-55291-6

 2002年11月に刊行されました。2005年10月に第2刷、2007年2月に第3刷、2008年2月に第4刷、2009年2月に第5刷として増刷されました。現在販売されている第5刷は、これまでの誤植等を全て訂正しております。ご購入下されば幸いです。


まだお求めでない方は、ぜひご予約頂きご購入下されば幸いです。

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本書の書評が掲載された雑誌
『経済セミナー』2003年1月号, 128頁.



『入門|公共経済学』目次

第1章 公共経済学とは何か
1 政府の経済活動
2 政府の必要性
3 本書の理論的枠組み
第2章 公共財の最適な供給量を決める
1 公共財
2 公共財の最適供給条件
3 公共財の自発的供給      
4 公共財の中立命題
5 リンダール・メカニズム
6 クラーク=グローブス・メカニズム      
補論 A.公共財のパレート最適条件の導出
   B.ナッシュ均衡の効率性の数式による説明
第3章 税の望ましい徴収方法 消費課税1
1 日本の租税
2 消費課税
3 従量税(部分均衡分析)      
4 独占市場における従量税          追加情報
補論 独占企業の利潤最大化行動
第4章 税の望ましい徴収方法 消費課税2
1 従価税          
2 独占市場における従価税
3 消費課税の効率性(一般均衡分析)
4 ラムゼイ・ルール
第5章 税の望ましい徴収方法 所得課税
1 労働所得税
2 現行の労働所得税
3 望ましい労働所得税
4 利子所得税
第6章 法人税の意義
1 法人税の意義
2 法人税が投資に与える影響
3 法人税が資金調達に与える影響    
第7章 補助金の経済効果
1 補助金
2 補助金の効果
3 価格支持政策の効果
第8章 公共料金の決め方
1 価格規制の必要性
2 公共料金の決め方
3 ラムゼイ価格
補論 A.限界収入の大きさ(図解による近似的説明)
   B.需要の価格弾力性の図解
第9章 望ましい地方財政の姿
1 地方公共財
2 地方政府の分権的な政策決定
3 現行の地方財政制度の問題点
補論 A.地方公共財供給のパレート最適条件の導出
   B.短期における分権的な地方政府と移住均衡
第10章 地方財政の分権化
1 望ましい地方税制      
2 スピルオーバー効果
3 地方分権の進め方
補論 A.短期における分権的な地方政府による固定資産税
   B.長期における分権的な地方政府の戦略的行動
   C.地方公共財の便益がスピルオーバーする際のパレート最適条件
   D.地方公共財の便益がスピルオーバーする際の分権的な地方政府の政策決定
第11章 公債の有効利用
1 公債の経済効果
2 課税平準化の理論
第12章 年金制度の課題
1 年金の経済効果      
2 将来の年金改革
第13章 効率的な公共投資のために
1 公共投資の経済効果
2 社会資本の最適供給
3 公共投資の費用便益分析
第14章 国際課税をどう行うか
1 国際的な取引と租税
2 国際課税の原則
3 国際資本課税のあり方
4 総生産効率性定理
補論 A.図14−5の点P'と点Q'の位置関係
   B.源泉地主義課税下での(8)'式と(9)式の関係
第15章 地球環境問題
1 外部性と地球環境問題
2 ボーモル=オーツ税
3 排出権取引
第16章 政策決定の政治的影響を考える
1 公共選択学派
2 直接民主主義
3 議会制民主主義

本書を終えるにあたって
用語解説      
参考文献
練習問題解答例    追加情報

各章のねらい
 本書は、16章から構成されています。学習目的別に各章を分類すると、第1章から第5章は公共経済学の基礎理論、第6章から第10章は現実の政策への理論の応用・静学編、第11章から第13章は現実の政策への理論の応用・動学編、第14章と第15章は現実の政策への理論の応用・国際編、第16章は現実の政策への理論の応用・政治編、となっています(ちなみに「静学」とは一時点での経済活動の分析を意味し、「動学」とは現在から将来にわたる異時点間の経済活動の分析を意味します)。講義の回数や時間の制約から重要度の高い章だけに絞りたいという方は、第1章から第5章を終えた後で、必要に応じて各章に進むと、無理なく理解できます。


本当は皆様にお求め頂きたいので、あまりお教えしたくないのですが…
本書が所蔵されている大学図書館(CiNii Books)(納めて頂きありがとうございます)
2013年 1月 1日現在220
2011年 1月 1日現在211
2010年 6月10日現在208
2009年 4月10日現在200
2008年11月10日現在196
2008年 6月 6日現在194
2007年12月28日現在187
2007年 4月12日現在182
2006年 9月 6日現在176
2006年 6月16日現在175
2006年 4月 7日現在174
2005年12月17日現在169
2005年10月29日現在167
2005年 7月19日現在164
2004年12月 9日現在153
2004年 7月 2日現在145
2004年 1月13日現在134
2003年11月15日現在129
2003年10月16日現在125
2003年 8月11日現在118
2003年 7月 8日現在115
2003年 4月 5日現在 94
2003年 2月28日現在 70
2003年 1月15日現在 33
2002年12月20日現在 16
借りても是非お求め下さい!

以上です。
今後、この本に関する情報をこのコーナーでご紹介したいと考えております。

このコーナーに関するご質問、コメントがございましたら、ご遠慮なく
土居丈朗
(tdoi@econ.keio.ac.jp)
までお申し付けください。


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