教員インタビュー

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准教授 大久保 敏弘
研究領域 : 国際経済学、国際貿易・海外直接投資、
空間経済(新経済地理学)、都市・地域経済学、公共政策

1本の論文のヒットをきっかけに、色々な国で人と機会に恵まれた
理論と実証のバランスのとれた研究が、意味ある政策的示唆を生み出す

研究テーマ

国際関係の実務家になるのかなと漠然と思いながら、大学院では不得手の語学からはじまり、国際政治や欧州経済システム、欧州外交史、国際組織機構、国際法、開発学など平凡な頭で理解が悪く悪戦苦闘しながらも学んでいました。ある春の日の午後、当時の指導教官から呼び出され、読んだことのある論文の貿易理論を新経済地理学に応用できないかと言われ、1週間で理論モデルを作り、それをもとに指導教官が文章を書いて、1か月で論文ができました。この論文が今から5年ほど前に刊行され、ヒットしたことで、今の研究テーマがはじまり、また同時に経済学の研究の世界に帰ってくることができました。その後は一転して色々な国で人とポジションに恵まれ、世界の先端をいく多くの優秀な研究者たちや彼らの同僚、家族や学生に非常によくしてもらい、その中で、修行し腕を磨いてきました。今回はご縁があり、慶應義塾大学に職をいただき、日本の大学に舞い戻ってくることができました。未熟な私ですが、学生を指導しつつも、学生に世話をされたりと、楽しい毎日を過ごしています。

現在は、企業の異質性(企業間の生産性や企業規模の違い)を軸にして国際貿易論、空間経済、地域経済、公共政策を研究しています。近年、グローバリゼーションによる格差拡大は国際的にも地域的にも色々な問題を引き起こしています。企業の異質性が輸出行動や海外直接投資の行動にどう影響しているのか、都市と地方での生産性がどう拡大しているのかを解明することで、グローバリゼーションの影の部分や地域間格差の問題を解明し、どのような政策で格差を是正していけばいいのかを研究しています。数学を多用した理論的研究とデータを使った実証的研究の両面からバランスよく研究することで社会に役立つ、一隅を照らす、政策的にインプリケーション(示唆)のある重厚な研究ができます。私自身まだ研究して5年ほどと日が浅く発展途上段階にあり、今後、果敢に取り組みたい社会的な問題、解決すべき問題も多くあります。

学生へのメッセージ

自分の実力と素養で切り開いていけるようになっていってほしいですね。将来的には「慶應経済学部(卒業)」という学歴や経歴が先にありきではなくて、実力重視で、「さすがは慶應経済!」といわれるようになってほしいですね。国際化された世の中では今まで以上にその人自身の実力、素養、人柄、品性が問われます。その為には学生の時期から短期的に結果が出なくても、一つのことを粘り強くやりぬき、日々努力してほしいものです。授業の単位や点数、目先のことに一喜一憂したり気をもまずに、5年〜10年単位の長期的な視点で目標を設定し、自分の力を思う存分伸ばし、腕を磨いていくといいかもしれません。筋の通った気骨のある人間になってもらいたいですね。また、最近は人と人とのつながりが、ある面で希薄になっているようにも思います。だからこそ、寛容で優しい学生になってもらいたいですね。

(2011年12月取材)

※プロフィール・職位はインタビュー当時のものです。

プロフィール

2011年4月より
慶應義塾大学経済学部准教授

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