都市公園とは何か? 〜上野公園と日比谷公園の歴史的意義の考察を通じて〜

[自発展開型]
鈴木昴太(文学部3年)
指導教員:伊藤行雄

要旨

都市になぜ公園が必要なのだろうか?そして、都市公園とは何か?という疑問に答えるため、まず第1章でイギリスとドイツでの公園の誕生に際し、いかなる社会的ニーズがあったのかを明らかにする。そして、第2章で公園が日本に輸入される際に、なぜ「Park」が「公園」と訳されたのかを突き止めることで、言葉に隠された当時の社会の公園観を明らかにする。第3章では上野公園を、また、第4章では日比谷公園を例にとり、その歴史的意義と利用のされ方の変遷を追うことによって、日本での公園の在り方および、社会の公園に対するニーズの変遷をつまびらかにする。以上の考察を、公園を利用することの大事さを意識して行うことによって、社会と公園の間に存在する相互関係を明らかにし、オープンスペース型と施設中心型という公園における2類型を論証し、最終的に都市公園の定義を導き出す。