イスラエル・パレスチナ問題 〜オバマの存在による和平実現なるか〜

[誘導展開型]
野ア茉里奈(経済学部3年)
指導教員:羽田功

要旨

本論文は、イスラエルとパレスチナ間において第一次中東戦争以降激しい対立が続いていることを問題意識にすえ、近年のイスラエル・パレスチナ問題を歴史的背景、宗教の特徴がもたらす影響、アメリカ政府の動向といった観点から分析した。論文は大きく分けて二つの要素で構成されている。前半では、イスラエルとパレスチナの間でなぜ繰り返し暴力の連鎖が起きてしまうのか分析した。パレスチナ人が自爆テロを起こす原因の一つとして、パレスチナ地域の経済状況に着眼し、パレスチナ地域の経済状況に大きな影響を与えるイスラエルの入植及び侵略行為について聖書の記述、出身地の異なるイスラエル人、アメリカの存在という3つの視点から分析した。後半では、2009年にバラク・オバマがアメリカの大統領に就任したことで、イスラエル・パレスチナ間の情勢に何か良い影響をもたらすのではないかと予測し、この予測の妥当性について検討した。オバマの登場により、イスラエル・パレスチナ間で和平が上手くいきかけたものの、2009年9月イスラエルが強硬姿勢へと出たことでオバマによる和平は難航している。