英語の自習法

PCPクラスの履修には、上級レベルの英語スキルが必須です。「英語セミナー(特別上級)」を履修していない人・海外経験のない人は自主的に英語スキルを高める訓練をする必要があります。ここでは自習用の教材を紹介します。

リスニング・スピーキング

シャドーイング

シャドーイングとは、もともと会議通訳者を目指す人を対象にした基礎訓練方法のひとつです。CDなどから聞こえてくる音声をそのまま口に出して繰り返します。

1日5分〜10分、週に2〜3回で短期間に効果があらわれます。最も効果が感じられるのはリスニングですが、抑揚や英語のリズムが身につきますので、スピーキングの改善にも効果があります。

シャドーイングは正しいステップを踏んで行う必要がありますので、詳しいやり方についてはここに紹介する書籍を参照してください。初心者の人はスピードの遅いものを使う必要がありますが、これらの書籍にはスピードをコントロールした音声CDがついているのでちょうどよいでしょう。初心者向けの本を一冊仕上げて慣れてくれば、テレビやインターネットラジオなどのナチュラルスピードの音声を使って訓練を続けることができます。

『はじめてのシャドーイング』鳥飼玖美子(監修) 学研

プロソディ分析の説明や例が豊富なところが特徴で、説明もコンパクトで万人向け。自分で買う前に試してみたい人は、メディアセンターで借りてください。

『決定版 英語シャドーイング』門田修平・玉井 健 コスモピア

やはり初心者向けの本です。3段階のスピードで練習できます。シャドーイングには直接関係ないのですが、「ことば」に興味がある人向けのコラムもたくさん含まれています。このシリーズでは「映画版」という続編も出ています。日吉生協にも置いてあります。

『VOAスタンダードニュース英語トレーナー』 稲生衣代 河原清志【共著】 コスモピア

上の2冊よりもレベルが高いです。

『英語シャドーイング 映画スター編』 玉井健 コスモピア

シャドーイングにかなり慣れている人向け。

リーディング・ライティング

スキミング(プレリーディング)

PCPの予習文献は量が非常に多いので、リーディングの前段階として、スキミングやスキャニングを行って効率よくリーディングをする必要があります。スキミングとは大まかな議論のポイントや流れをつかむテクニックで、スキャニングとは特定の単語やフレーズを「検索」するように拾っていくようなタスクです。

スキミング・スキャニングはあくまでもリーディングの準備です。速く読むことばかりにこだわってポイントがつかめないようでは意味がありません。予習文献にある情報の整理の仕方は「勉強のやり方」についての参考文献(Everything Study Book)を参照してください。

自習用教材

Timed Readings, Third Edition (Book One-Ten) Glencoe/McGraw-Hill

1〜10巻まであり、難易度は10巻が最高。1冊1500円程度。

自習用教材ですので、スキミングの方法は巻頭で詳しく解説してあります。400語ぐらいの短い英文を、時間を計りながら読み、内容に関する10問の質問に答えるというフォーマットです。1回あたり5分ほどでできるはずです。

Timed Readings Plus in Social Studies, (Book 1-10) Glencoe/McGraw-Hill

1セッションに2つの読み物がついています。社会科学分野に特化した内容です。

ライティング

アカデミックライティングの基本をおさえる必要があります。Five paragraph essayとは何かを理解し、その作成のステップをマスターしてください。このレベルのライティングは自分ひとりでレベルを上げることは非常に難しいので、履修授業の英語教員に読んでもらうとよいでしょう。

自習用教材

Success with College Writing: From Paragraph to Essay, Zemach and Rumisek (2003) Macmillan.

この本だけでは足りないと思いますが、ライティングが得意でない人はここから始めた方がよいでしょう。06年度から経済学部「英語Study Skills」の教科書として採用されています。

Writing Academic English: Fourth Edition, Oshima and Hogue (2006) Longman.

PCPのレベルであれば、この本の内容程度は見に付けておく必要があります。

その他(勉強法・適切な英語表現など)

自習用文献

The Everything Study Book (ADAMS MEDIA CORPORATION) ISBN 1-55850-615-2

アメリカの大学1年生向けのスタディガイドです。ノートの取り方(講義のときや予習文献を読んでいるとき)や、レポートの書き方・自分のノートを使ったテスト勉強の進め方まで、全般的に勉強の効率を上げる方法が載っています。

『英語の敬語』 数佐 尚美著 中経出版 1400円

PCPでは教員へのメールや授業内外での教員との会話も英語ですることが頻繁にあります。日本人学生の英語表現は失礼になりがちなので、このような本を手元に置いて適切な表現を練習する必要があります。ビジネス英語の参考書としても使えます。

2005年10月:PCP 1期生アンケートより

日吉の学生がやっておいた方がよいと思うこと

スピーキング関連

  • 頭で考える(TOEIC,TOEFL)のは、自分でも出来るので、スピーキングの弱さを克服すべきと考える。発声練習ではなく、実際の会話を重視したほうがよい。
  • 出来るだけ積極的に発言することになれる。
  • 発言しやすい仲間で、英語を話す機会を設けて、雰囲気に慣れておくこと。英語のニュースやテレビに毎日触れて、できれば、使えそうな言い回しを書き取って使ってみる。などをしておいたらずっと気分的にも楽に感じると思います。
  • シャドウイングはスピーキングの練習にもなるということで、推奨します。
  • パワーポイントを使っての英語での発表。

リスニング関連

  • 語彙、読む量を増やし、スピード、リスニングをつける。
  • 様々なアクセントの英語に慣れておく。
  • 耳を慣らしておく。洋楽でも、ラジオ英会話でも、聞きながすのではなく、意識的に聞き取る。

リーディング関連

  • 少しでも帰国の人に近づけるように、量の多い読み物を毎日読む。
  • 語彙力を増やす。
  • 語彙力+読解力。辞書無しでも推測しつつ呼んでいける力。
  • 量の多い読み物を毎日読む。
  • 専門的なものを読みなれておく。少しでも読んでみる。
  • TOEFL,GRE対策の足がかりでも、少しでも(三田でやる時間はありません、帰国生等以外)スキミングになれる。出来るようになる。
  • 量の多い読み物を毎日読む。サマリーを作れるようにする。習慣づける。
  • 量の多い読み物を短時間でキーワードを拾いながら読む練習。論文を読んでみる。

英語スキル全般

  • 英語を読むにしても、書くにしても、聞くにしても、全部理解しようとするのではなく、大事な部分をいかに効率よく押さえられるかを覚えることが今後PCPの授業をうけるにあたって大切だと思います。
  • 積極的にレベルの高い英語セミナーを受ける。(高校時代に英語が出来たからといって、手を抜かないことが重要。上には上がいた)
  • 英語面においては継続的に英語を学ぶ習慣をつけること。
  • リスニング、多読、それをこなした上で、discussionなどのアウトプットの練習。
  • 英セミで自分の考えていることを、文章や会話で表現できるようにしておくと楽だと思う。
  • 冬休み夏休み短期語学留学。日ごろはシャドーイングでリスニング力強化。
  • 英語に触れる、興味を持ち続ける。

経済学関連

  • 志望するコースの基礎的知識を英語雑誌などで得る。そうでないと、英語以前に本の内容が理解できない。
  • 経済学の勉強をきちんとやっておいたほうがよい。

学習に対する考え方全般

英語に限定されることではないのですが、何事も楽しんで出来るようにしてください。「面倒くさいけど宿題だから・・」とか、「嫌だけど、将来のためには利用できるから・・」、「良い成績とるためには・・」とか考えていたら、ノルマをこなしたらそこで終わりになってしまいます。どんなことでも見方をかえれば、楽しむことができるので、そういった「転換」の発想を大事にしてください。「損得を考えないこと」これが楽しむ秘訣です。あと、プライドも大事ですが、捨てることも大事です。「失う」ではダメです。「捨てる」ということがポイントです。ただ、私自身まだこれが成功につながるかは証明できていないので参考までに・・・。

日吉でやっておいてよかったと思うこと

  • 英語の本を読む。
  • TOEICなどの試験を受けておいたこと。
  • TOEFLテスト。
  • プレゼンのあるコースを取りましょう。
  • 発言機会の多い英セミの授業をとっていたこと、短期留学に参加したこと。
  • 英語で聞く、読む、書く習慣をつけておいたこと。
  • 英語のスピーキング。
  • 2年間英語をとり続けたこと。
  • 英語セミナー上級の授業をとってたくさんの英文を読んだこと、毎日シャドーイングしたこと、毎日英語の勉強をしたこと、TOEICをたくさん受けたこと。
  • Fundamental grammar