慶應義塾大学 学術フロンティア 公開講座

障害のある学生への支援のあり方を考える

―ユーザの立場での支援が実現できているか?―

 最近、高等教育を受ける障害のある学生の数が増え、その支援に注目が集まりつつあります。また、バリアフリーやユニバーサルデザインという言葉の認知度が向上し、障害のある人達を取り巻く環境が変化しつつあります。しかし、障害学生支援やバリアフリーを推進する際に、ユーザの観点がどれだけ反映されているでしょうか? そこで、ユーザ本位の支援を実現するためにはどうすればよいかを考えるために、ユーザの声に耳を傾ける公開講座を以下の通り企画しました。参加は無料です。多くの方のご参加をお待ちしております。なお、誘導や手話通訳が必要な方はご連絡ください。


<基調講演>

講演1 障害学生支援のあり方 −変化するニーズへの柔軟な対応の必要性−

講師:中根 雅文((株)イメージソース)

講師略歴:World Wide Webに関連するプログラミングを中心に手がける全盲の技術者。過去に東京外語大学と慶應義塾大学に在籍した経験がある。慶応義塾大学在学中は、コンピュータやインターネット上の情報のアクセシビリティに関する事項を中心とした研究活動に取り組んだ。大学院修士課程修了後、コンピュータ関連の国際組織勤務および米国の盲学校でのインターンとしての勤務を経て現職につく。

講演2 聴覚障害学生の支援のあり方−なぜ利用者と支援者との間にズレが生じるのか−

講師:中野 聡子(東京大学先端科学技術研究センター バリアフリープロジェクト)

講師略歴:5歳で聴覚障害を持つ。難聴は序々に進行。現在は両耳とも110dB。地域の公立幼稚園・小学校・中学校・高校で統合教育を受けてきた。自分以外の聴覚障害児と出会うこともなく、ただ残存聴力活用に頼っての授業、また独学による勉強で大学に進学。筑波大学第二学群人間学類に入学し、そこで初めてろうの友人、手話と出会った。手話を学んで、手話通訳、ノートテイクをつけての講義がいかに快適なものであるかを知り、それと同時に聴覚障害児教育において手話を否定されてきたことに疑問を持つようになった。聴覚障害児教育や手話について、専門的な研究ができるようになりたいと、筑波大学大学院博士課程心身障害学研究科に進学。その後、1年間のギャローデット大学留学などを含めて2001年5月に大学院を修了。現在、東京大学先端科学技術研究センターバリアフリープロジェクトで特任研究員として、聴覚障害者の高等教育におけるバリアフリー支援システム作りの研究に取り組んでいる。


<パネルディスカッション>

テーマ:ここが変だよ、障害学生支援!(仮題)

 障害学生支援のあり方について議論を行います。パネルディスカッションで発言したい方を募集しております。また、当日参加できない方はメールでの参加もOKです。


<特別展示>

大学のバリアフリー(仮題)

 慶應義塾大学のボランティアグループ「ライチウス会」による特別展示を行います。


<日時・場所>

日時:2002年12月21日(土曜日) 13時30分〜16時30分

場所:慶應義塾大学日吉キャンパス   来往舎(らいおうしゃ) 2階 大会議室

(東急東横線「日吉」駅下車 徒歩3分)

http://www.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/raiousya_map.gif

・場所が不明な方や誘導が必要な方は、以下の問い合わせ先にご連絡ください。


<問い合わせ先>

慶應義塾大学 日吉心理学教室 中野 泰志

メール:nakanoy@hc.cc.keio.ac.jp

電話:045-566-1367(研究室直通)、045-566-1366(代表)

ファックス:045-566-1374

http://www.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/event/2002/bf_support.html


主催:慶應義塾大学 学術フロンティアプロジェクト バリアフリー班

共催:慶應義塾大学学事振興資金共同研究斑:「バリアフリーをめざした自然科学科目の教育環境の整備と情報公開についてIII」

協力:慶應義塾大学 ライチウス会


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