教員インタビュー

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教授 森藤 孝之
研究領域 :数学(トポロジー)

幸運だったのは、研究者を志す仲間たちに出会えたこと
一見つまらないと感じられることにも、まずは積極的に取り組んでみよう

研究テーマとの出会い、その魅力

高校生のころから数学は好きな科目の一つでしたが、それは教科としての数学(=授業で習うもの)を超えるものではありませんでした。そんな中途半端な興味の持ち方で数学専攻に進んだこともあり、大学の講義で習う数学には閉口させられました。それでもめげず、研究に対する憧れのようなものだけは当時から抱いていたように思います。そんな折、自分にとって幸運だったのは、研究者を志す仲間たちに出会えたことです。彼らとの出会いに刺激を受けて、がむしゃらに勉強していくうちに、高校までの数学ではあまり意識することのなかった、理論の美しさや奥深さといったものを、おぼろげながら感じられるようになっていったのです。

大学院に進学してからこれまで、トポロジー(位相幾何学)の研究をしています。「やわらかい幾何学」と喩えられることもある分野ですが、その本質は「グローバルな視点」から幾何学的対象を捉え、それらの持つ多様な性質を「不変量(図形を区別する役割を果たすもの)」を駆使して研究する分野と言えると思います。トポロジーは20世紀に入って急速に発展した比較的新しい研究分野ですが、近年では生物学(DNAトポロジー)や化学(高分子トポロジー)、工学(ロボティクス、画像認識)といった、実生活により近い分野への応用も活発に研究されています。

学生へのメッセージ

大学での4年間、いろいろなことにチャレンジする機会が訪れると思います。それらが一見つまらないと感じられることであっても、できるだけ積極的に取り組んでほしいと思います。時にはのめり込むぐらい、とことんやってみるのもよいでしょう。自分にとって本当に価値があるものかどうかは、やってみないとわからないのです。表面的な知識とは異なり、経験はその人にとってかけがえのない財産になるはずです。そうやって一つ一つ経験を積んでいくうちに、自ずと進むべき道も見えてくると思います。塾生のみなさんが実りある充実した学生生活を送られることを願っています。

プロフィール

1993年
慶應義塾大学理工学部卒業
1995年
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了
1998年
東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了 博士(数理科学)
日本学術振興会特別研究員、東京農工大学工学部講師、助教授、准教授を経て2012年より現職

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