教授 瀬古 美喜
慶應義塾大学および大学院を卒業してから、アメリカの大学院への留学や、他大学での研究・教育経験を経て、母校である慶應に戻り、教育・研究に携わってきましたが、今振り返ってみると、あっという間に過ぎた、塾での教員生活だったという気がします。塾での教員生活で一番印象に残っているのは、私の拙い学問に対する考え方や姿勢をよく理解して、これから経済学関係の研究で、国際的な業績を挙げる可能性のある若手の研究者達と、巡りあえたことです。少しでも、学問の進展に関して、貢献できたとしたら、良かったと思っています。
塾での研究環境も、常に、国際的な視野を意識することができ、非常に、恵まれていました。研究テーマの選定も自由でしたし、さまざまな分野の先生方とも、議論をすることができました。
慶應に赴任してからすぐに、三田キャンパスで、私が会長をしていた国際学会の年次大会を開催しましたが、その際も、大学院生やゼミ生たちが、きちんと英語で、海外からの研究者たちの世話をしてくれ、私は、安心して、彼らに、任せることができました。
また、ゼミの学生の人たちとも、本音で付きあえたのが、良かったです。自主的に、問題意識を持って、勉学に取り組む意欲のある数多くの学生にも、巡りあうことができました。三田祭論文や、インターゼミでの論文も、とても興味深いテーマを選んで、発表や執筆をしていたのが、印象に残っています。
現在の若い学生の人たちは、私の学生時代と異なって、もっと、国際化の進んだ時代の中で、今後の人生を歩んでいくことになると思いますので、自分の身の回りだけにしか関心のないという姿勢ではなく、これからの日本の歩んでいくべき方向性などを見据えて、大局的な視野を持って、生きていって欲しいと思います。
(2012年11月取材)
※プロフィール・職位は取材当時のものです。
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