経済学の学問的レベルはどのくらいのものになりますか?
PCPでは、経済学をバックグラウンドとしてキャリアを作っていっていただくことを念頭に、経済学の理論や実証研究の基礎を学びます。学術的に最先端の部分に焦点を当てるというよりは、キャリア・メイキングの中で実践的に生かせるような内容を中心に据えていきます。しかしながら、我々は単にビジネススクールの経済学の授業についていける程度のものでは満足いたしません。もう少し高いところ、経済学を自らの強みとしてキャリアを築くことを目指しているものとご理解ください。
どのくらい英語を使うのですか?
PCPの授業では、内容的に日本語が必要となる場合を除いては、基本的に全て英語を使用します。教科書や参考文献などのほとんども、英語で書かれたものを使用します。授業時間外の質問やTA (teaching assistant)とのやりとり等においては、必要に応じ日本語を使用することも可とします。ただし、PCP Co-ordinatorとのやりとりは、電子メール・会話・電話をふくめ、すべて英語を使用します。
予習・復習はどのくらい大変でしょうか?
三田における通常の講義科目よりは、かなり大変だとお考えください。充実感のある課題が毎週出ますので、それ相応の予習と復習が必要となります。
将来の大学院進学にどのように役立ちますか?
何よりも教育内容で貢献します。経済学はプロフェッショナル・キャリアを築いていくためにも特に有利な学科です。また、英語環境に慣れることも重要です。将来的には国内外の大学院との提携も検討しますが、今のところ直接の推薦制度などはありません。国際センターとも協力しながら、進学先情報の提供なども行っていきたいと考えています。
塾内の大学院進学には便宜が図られるのでしょうか?
今のところ、直接の提携はありません。しかしきちんと履修していれば、進学に十分な実力がつくようなレベルの高い内容となっています。
欧米のビジネススクール進学には実務経験がないと難しいと言われています。PCP終了後に直接ビジネススクールに進学できるのでしょうか?
学部から直接進学する学生の数を少数に限定するビジネススクールも増えているようです。直接進学するにせよ、いったん就職してからチャレンジするにせよ、我々は学部レベルで履修できる最大限のことを着実に行います。
パリ政治学院(シアンスポ)とのダブルディグリーの学生は、PCPの科目を履修できますか?
慶應義塾大学経済学部が提供するパリ政治学院とのダブルディグリー・プログラム(学士課程)に参加する学生は、帰国後、3年生の秋学期からPCPが提供する科目を履修することができます。ただしPCPは2年完結のプログラムですので、3年春学期設置科目を含めたすべての必要単位を取得した学生だけが修了証を授与されます。
就職活動はできるのでしょうか?
PCP参加の学生の中にはまず就職してからキャリアを築いていく人もたくさんおり、全員がしっかりと就職活動もしています。しかし就職活動があるからと言ってPCP科目を無制限に欠席したりすることは許されません。勉強も就職活動も両方ともしっかりやってほしい、ということです。
中途でPCPをやめた場合、単位はどうなりますか?
PCPの履修許可は選抜された学生のみに与えられるものですから、選抜から漏れたクラスメートのこともおもんばかりながら、出来る限り初志を貫徹していただきたいと思います。しかし、やむを得ない理由で中途でやめる際には、通常の特殊科目と同様に、取得済みの単位を卒業単位としてカウントします。
PCPに合格した後、一部のPCP科目だけを履修することはできますか。
一部のPCP科目だけを履修することは、できません。PCP在籍中に、PCP Certificate (修了証)の取得を断念した場合においても同様です。PCPは、すべての設置科目を履修した場合に最大の教育効果があがるようにデザインされています。よってPCP生は、自分が選択したPCP専攻内のすべてのPCP科目と、必修のPCP科目をすべて履修しなければなりません。一部のPCP科目しか履修できない場合には、原則として「PCP辞退届」を提出していただきます。なお、自分が選択したPCP専攻内の科目に加えて、他のPCP専攻の科目を履修することはできます。
最後までやり遂げたことはどのように認定されるのでしょうか?
次の条件を満たす学生に、PCP Certificate(修了証)を授与します:(1)PCPの学生であること、(2)各専攻プログラムの全単位を取得していること、PCP Certificateの授与式は、卒業式の後に日吉で開催されます。
PCP独自の留学制度はありますか?
PCPでは、2007年度から2010年度まで、フランスのグランゼコールの一つである HEC (Ecole des hautes etudes commerciales) と独自の交換留学協定を結び、毎年2名を目安の枠としてHECへ交換留学派遣していました。2011年度以降は、この交換留学制度は、カリフォルニア大学・ケルン大学・ボッコーニ大学を加え、経済学部独自の交換協定に発展しました。詳細は学生部の経済学部担当に問い合わせてください。
慶應義塾大学の外部からPCPだけを受験し、単位を取得して修了証をもらうことはできますか?
できません。このプログラムは慶應義塾大学の学部生が2年次の終わりに選考を受け、これに受かった場合に参加できるプログラムです。
PCPの授業を聴講できますか?
PCPの授業は聴講できません。ただし、PCPの選考試験に受かった正規のPCP学生が担当教員の許可を得た場合には、自分の履修する科目と時間帯が重ならないPCPの授業聴講することが可能です。また、日吉の学生が一定の条件のもとでPCPの授業を見学することは可能です。
詳細は、こちらをご覧ください。
帰国生でないとPCPは無理ですか?
PCPの学生は、帰国生かどうかにかかわらず、留学・進学・就職のすべての面においてよい成果をあげています。帰国生が有利なのは、大量の英語マテリアルのリーディングやリスニングに慣れている点ですが、これらは帰国生でなくとも日吉の英語セミナーで伸ばしていけるスキルです。これまでの実績を鑑みると「英語セミナー(上級)」で上位20%程度に入る程度の語学力があり、プログラムに入ってからも語学スキル向上のために真剣に努力する意思がある学生なら、海外在住経験がなくても活発に参加できる可能性が大いに考えられます。
英語の試験の点数はどの程度あればいいですか?
2015年度向け選考においては、TOEFL iBT 79点以上、または、IELTS 6.5点以上を取得していることが受験の条件となります。ただし、これらは「最低点」です。PCPの授業に積極的に参加するためにも、できるだけ高い得点をめざして努力すべきです。特に留学を志望する場合には、評価の高い大学ではTOEFL(iBT) 100程度、IELTS7.0程度のスコアが一般的に要求されることを認識してください。なおTOEICは基本的なビジネス英語の試験であるため、 このための対策はPCPの準備には役立ちません。
TOEFLやIELTSで高得点をとっていればPCPについていけますか?
英語のテストで標準スコアをとることは大事ですから、その為の勉強はきちんと行ってください。しかし英語圏の大学への留学の場合と同じように、TOEFLやIELTSで評価できる英語スキルは「実際に必要なスキルのごく一部」にすぎません。したがって、語学テストの勉強だけでは、英語スキルの準備は不十分という結論になります。
特にPCPでは「指名されなくても発言が積極的にできること」「質問からより深い内容へと議論を深めるような発言をすること」「大量のリーディングを(大体でよいので)こなしてから教員に質問をすること」などが大変重要ですが、このようなスキルは試験対策だけで身につけることは非常に困難です。「英語セミナー(上級・特別上級)」で積極的に練習してください。
「英語セミナー」の上級・特別上級を履修していません。応募はできないのですか?
PCP参加にあたっては「英語セミナー(上級または特別上級)」の履修が前提となります。「英語セミナー(中級)」「英語リーディング」のみを履修した応募者は選考の際に著しく不利になる可能性がありますが、応募は可能です。毎週のPCPクラス準備にはかなりの時間がかかるため、英語学習そのものに割ける時間は限られます。特にスケジュール面で不安のある学生は、1・2年生のうちに可能な限り高いレベルの英語クラスを履修しておく必要があります。特に2年の秋学期には、高いレベルの英語クラスを履修しましょう。
「英語セミナー」は他学部の学生は履修できません。他学部生の選考の際には、当該学部で履修して合格した英語クラスのレベルを判断材料とします。可能な限りでよいので、以下の条件を満たすクラスを選択して履修してください。(1)英語で運営されているクラス(なるべく和訳や英訳などを使わないクラス)(2)話す・聞く・読む・書くの4技能を伸ばせるクラス(またはクラスの組み合わせ)(3)「学術英語(学問・研究に求められるスタイルの英語)」の指導を重視するクラス(4)自分で調査した内容を口頭および英文レポートで報告する機会があり、そのための指導が受けられるクラス。なお、このような条件を満たすクラスを履修できなかった場合であっても、応募は可能です。
PCPに英語面でついていくには、どんな勉強をすればいいですか?
TOELFやIELTSで標準スコアをとるための勉強に加え、少人数でリーディングの量が多く(週20ページ以上が目安)、頻繁に質疑応答の機会がある「英語セミナー」クラスを履修することを心がけてください。また、英語圏の大学の実際の授業に参加できるような短期留学プログラムへの参加を検討するのもよいでしょう。詳細は「英語の自習法」を参照してください。
英語の選択クラス(Reading and Composition, Presentation and Discussion)はどのような学生のためのものですか?
PCPが想定するTOEFL iBT 79点以上、または、IELTS 6.5点以上の成績は、プログラムを履修するための必要最低限の英語力を証明するものです。ただ、Reading, Writing, Presentation, Discussionの4技能の内、とりわけ弱いと感じるスキルがあるかもしれません。その場合、英語の選択クラスの履修を検討してください。なお、選考時に履修するよう指示された人は、必ず登録してください。
PCP英語スキルガイドライン
以下の英語スキルを有しない学生は、PCP選択英語科目の履修を検討してください。
• リーディング:英語を母語とする大学生向けの入門書を週に20ページほど(10,000語程度)、スキミングやスキャニングを用いて効率的に読み、論旨を まとめることができる。
• ライティング:TOEFLのwriting問題と同レベルの課題について、英文エッセイの基本的な構成を踏まえて(少なくとも)five- paragraph essayを作成できる。
• 会話スキル:
1.教員とスムーズに質疑応答ができる。
2.グループディスカッションに積極的に参加できる。
3.10分以上のoral presentationに必要なbody language・構成・資料の使い方を理解している。
「英語セミナー(上級)」以上のクラスを1年次に履修し、合格しました。2年次は「英語セミナー(中級)」や「英語リーディング」を履修しても、PCPの応募に問題はありませんか?
選考自体には影響はありませんが、2年次も引き続き「英語セミナー(上級または特別上級)」レベルのクラスを履修しておくことを強くお勧めします。PCP科目の講義・試験・発表等は100%英語で行われるうえに、授業外の連絡でも英語が日常的に使われます。授業内でも活発な質疑応答は欠かせませんが、これももちろん英語で行います。PCP履修の直前の学期になる2年次秋学期は特に、レベルの高い英語クラスを履修することが望ましいでしょう。