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教員インタビュー
白塚 重典 写真1

教授 白塚 重典
金融論 、日本経済論

金融政策は「サイエンス」かつ「アート」。生身の経済の中で、経済学の理論を実践につなげる思考回路を養って欲しい。

研究テーマとその出会い

私は1987年に慶應義塾大学経済学部を卒業した後、日本銀行に入行しました。そして、2019年8月までの32年間、主として中央銀行エコノミストとしての仕事に携わり、経済学を仕事道具として使い続けてきました。中央銀行のエコノミストが取り組む課題は、日本経済の分析・予測、金融政策や金融システムを巡る政策研究などだけでなく、様々な経済統計の作成、地域経済や地域金融機関の課題の分析など、極めて多岐にわたります。そうした経験も踏まえ、引き続き、金融政策や金融システムを中心として日本経済の抱える問題やそれへの政策対応などを研究しています。

研究テーマの魅力、面白さ

日本経済はこの25年近くもの間ゼロ金利の世界にあり、金融政策も未踏の領域での運営を余儀なくされています。こうした状況において、日本銀行は、非伝統的金融政策と呼ばれる政策手段を手探りで開発し、実践に移してきました。こうした政策運営は、十分な成果をあげることができておらず、批判の対象となることも多いですが、同時に、非伝統的金融政策を巡る理論的・実証的研究を触発するうえで多少なりとも貢献してきました。経済学の理論や統計分析手法を屈指駆使した研究が重要な道標になると同時に、そうした学問的蓄積をリアルタイムの政策判断の中で活かしていく経験や感性、創造性も大切です。金融政策は「サイエンス」であると同時に「アート」でもあります。

学生へのメッセージ

経済学は学問そのものとして知的好奇心をかき立てられる研究領域ですが、同時に、現実の日本経済が直面している様々な課題・問題を考える上での基盤を提供してくれます。経済学の理解を深めると同時に、現実の経済に対するアンテナを広く張り、経済学の理論を実践につなげていく思考回路を身につけて欲しいと思います。

(2019年12月取材)

プロフィール

白塚 重典 写真2
    

1987年

慶應義塾大学経済学部卒、日本銀行入行

2000年

慶應義塾大学経済学研究科博士(経済学)

日本銀行金融研究所経済ファイナンス研究課長、松山支店長、金沢支店長、企画局審議役、金融研究所長などを経て2019年9月より現職

※プロフィール・職位は取材当時のものです

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