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教員インタビュー
ソッティーレ,マルコ 写真1

准教授 ソッティーレ,マルコ
日欧における移民問題(多文化共生)、植民地教育(仏領アルジェリア)、フランス語教授法。

対話によって、文化、言語、祖国、宗教に代表される、閉ざされた美しい庭を超えてみましょう。

研究テーマについて

私はこれまで教育人類学と外国語としてのフランス語教育(FLE)、二つの領域において研究をしてきました。
教育人類学の分野において、私の研究は二つの時期に分かれていますが、通底の関心は「国家・学校・文化的多様性の関係」という課題にあります。
一つ目の研究は、主に日本の公立小学校における「多文化共生」に注目し、フィールド調査と参与観察に基づくこの研究は、南米出身の子どもたちが半数を占める学級におけるグループダイナミクスと個人のアイデンティティー戦略に着目しています。
二つ目の研究は、「国家・学校・文化的多様性の関係」について考察するために、日本やフランスなどの植民地教育、特にフランス領アルジェリアの植民地教育に着目しています。ジェンダー論の視点からフランスの植民地支配の文脈におけるムスリム児童を対象とする教育について、教育制度、教授法、教育政策の社会的経済的影響など様々な角度から研究を進めています。
FLEの研究につきましては、私の主な関心テーマはフランス語教育の教育実践へのフランス映画の字幕作成(フランス語から日本語へ)の取り込みです。これまで主にフランスを舞台とする映画を利用しましたが、現在は映画のコーパスに、カナダのケベック州、西アフリカ、北アフリカ等、フランス語圏の映画を取り入れています。

学生へのメッセージ

なぜ外国語を学ぶべきか?この問いに私は、フランス人の民俗学者、ジェルメーヌ・ティヨン(1907-2008)の言葉を借りて、次のように答えます。それは、「日常の経験から、誰しも、人は泡の中で生まれ、成長していくことを学んでいく。それは小さな球形の宇宙であり、胚芽であるが、私たちはみなその殻を破ることは決してなかった。対話によって、私たちは超越と拡大を企てるが、それぞれの文化、言語、祖国、宗教に代表される、閉ざされた美しい庭を超えない限り、拡大も超越も、他の宇宙の壁を越えることはできない」からです。つまり、将来グローバルな舞台で活躍するチャンスをもつみなさんに、外国語を学ぶことで自分の「美しい庭」を飛び出し、他の文化と対話をすることをおすすめします。
そして、外国語の中でも、ヨーロッパ、アフリカ、アジア及び北アメリカの国々が形成したフランコフォニー国際機関の他に、国連や国際オリンピック委員会等の様々な国際機関において、フランス語は重要な役割を果たしています。世界各地で話されているフランス語は、政治・経済の分野において将来必ず役に立ちます。したがって、フランス語の授業を受けるだけではなく、学生交換留学プログラム等へ参加し、生きたフランス語に触れることも強くもおすすめします。

プロフィール

ソッティーレ,マルコ 写真2

2002年

第三リール大学日本語学科卒業

2007年

名古屋市立大学大学院人間文化研究科多文化共生研究修士課程修了

2014年

名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育人類学研究博士課程単位取得満期退学

椙山女学園大学、国際コミュニケーション学部准教授を経て2022年より現職

※プロフィール・職位は取材当時のものです

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