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キャリア
菊池廣之 写真1

極東証券株式会社 代表取締役 菊池廣之

卒業してみないと分からない、福澤精神。

上場することで、社員の規律意識が変わる。それが次の飛躍に繋がる。

同じ金融機関でも、証券会社は銀行に比べると、学生さんたちには親しみが少ないのかもしれないですね。預金通帳なんかを学生時代から持っているんだ から、これは仕方のないことでしょう。証券会社というのは、昔は株の売り買いだけだったんですが、今では国の発行する国債だとか、企業が発行する社債、あ るいは外国の外債を販売するなど、非常に多種多様なものをお客様に提供するという業態に変わりました。
また、私ども極東証券は、2005年4月に東証の2部に上場し、2006年3月に第1部銘柄指定されました。そこでよく聞かれるのが、上場の目的は何なん ですか、ということなんです。よく資金調達がしやすいだとか、人材確保がしやすいからだと言われますが、そんなことは当たり前のこと。いわゆる上場という のは、世間の目にさらされること、全社員に規律に対する意識が働くということなんです。世間の評価を気にすることが、さらに次の飛躍に繋がるんだと、その ために上場したんだ、と言うと感心されますね。「貯蓄から投資へ」というメガトレンドの中でいい仕事をしていけば、利益も上がるし、世の中に役立つことも できるんじゃないかと思っています。

金融人、経済人になりたい。目標のために選んだ経済学部。

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大学進学を考えるにあたっては、やはり「自分が将来大学を出たらどういうことをやるんだろう」ということを思い描きながら学部を選ぶべきなんじゃな いでしょうか。自分が経済学部を選んだのは、やっぱり自分は金融人になりたい、経済人になりたいっていうビジョンがあったから。例えば、金融界からは、経 済学部だけではなく工学部にも募集がかかります。でも、やっぱり経済で生きるからには経済学部で学ぶのがいいだろう、と思って志望しましたよ。目標のため には様々な道、そして選択肢がありますが、自分は王道を行こうという決意がありました。
とにかく経済という分野ではAを取ろうと決め、とことん勉強しましたが、経済学部で学んで一番良かったことは、経済の基礎を学ぶことで、抵抗感なく社会に 入っていくことができた点です。例えばプライムレートしかり、日銀の当座預金しかり、いわゆる金融用語を勉強したことで、仕事上での言葉がスムーズに入っ てきました。他の大学の一般学生からすると、すぐには分からないような言葉だったでしょうね。ゼミでも金融経済をとったので、証券や経済に親しみを覚え て、それが今でも非常に役立っています。

勉強の虫が人脈の虫に。年数が経つほど、愛校心が増す。

高校時代はひたすら勉強の虫でしたが、大学に入ってからは人脈をつくることに注力しました。社会に出てからは、自分の親父でさえ仕事を通じての勝ち 負けの付き合いだから、本当に自分の本音が相談できる相手がいないんですね。それにひきかえ大学時代というのは、ゼミやクラブ活動などを通じて、かけがえ のない人脈を得られる時期になるんじゃないでしょうか。
また、社会人になってから感じていることは、慶應の経済学部というのはやはり伝統のある学校の、伝統のある学部なんだということ。社会人になって、ちょっ と堅い雰囲気の中で「学校はどこを出たの?」なんて話になった時、慶應の経済を出た、と答えるとなんとなく場が和らいだりするんですよ。これはありがたい ことですよね。慶應経済学部の伝統は、卒業してすぐよりも、年数が経つ程強く感じます。20年30年経つにつれ、愛校心が増すのが慶應のいいところでしょ うね。
そして、慶應といえばやはり福澤諭吉先生です。慶應において〈先生〉といえば福澤先生のことだけを指すんです。あとは○○さんでいい。これが他の学校だと ○○先生と言うのが普通ですが、慶應の場合は、塾長も公式の場では○○(君)と言っていますからね。そういう点が福澤精神なんだと思います。この「福澤精 神」はもう、卒業してみないと分からないことですね。
現在は私は会社を経営する立場にあるわけですが、利益を積極的に社会に還元するよう努めています。海外に行くと、美術館でも何でも、企業などからの寄付が 多い。それに引き換え、日本は少なすぎると感じるんです。やっぱり会社をやっているなら、ある一定の儲けが出たらそれを社会に還元するというのは当然のこ となんじゃないしょうか。こういった社会貢献に積極的に参加する精神は慶應の経済学部での教えの中で培われたように感じます。

(2005年5月18日取材)

※プロフィール・職名はインタビュー当時のものです。

プロフィール

1964年

慶應義塾大学経済学部卒業

1964年

野村証券株式会社入社

1972年7月

極東証券株式会社入社

1972年12月

極東証券株式会社 代表取締役社長就任(現)

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