慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科 タイトルロゴ - HOMEへリンクKeio University  Faculty of Economics, Graduate School of Economics Title LOGO - Link to HOME
慶應義塾大学 経済研究所 Webサイトへリンク
Menu

HOME > 慶應経済について > 教員一覧

教員一覧

★は大学院経済学研究科委員です

あ行

三田キャンパス

赤林 英夫

★赤林 英夫 (あかばやし ひでお)
教授

専攻分野:教育経済学、家族の経済学、労働経済学

氏名 赤林 英夫 (あかばやし ひでお)

職名 教授

専攻分野 教育経済学、家族の経済学、労働経済学

経歴 1996年シカゴ大学経済学博士課程修了(Ph.D.)。通商産業省職員、マイアミ大学客員専任講師、世界銀行コンサルタント、全米経済研究所客員研究員、慶應義塾大学経済研究所副所長などを歴任。現在、経済学部附属経済研究所こどもの機会均等研究センター長を兼務。

メッセージ
教育や家族に関してミクロ的視点から理論と計量・実験分析を行っています。政策的な重要性が高く、理論的にも新しい話題の提供できる研究を心がけています。また、研究のインフラとしてのデータの公共財化・オープン化にも強い関心があります。データが乏しい中で共有化の進まない日本の状況に強い危機感を感じ、2010年より、全国の小中学生の子どもと親のサンプルの追跡調査である「日本子どもパネル調査」の実施と研究者への提供を主導しています。大学外では、データを利用したベンチャー企業の経営を行うと共に、内閣府経済・財政一体改革推進委員会内のワーキンググループにも参加しています。

秋山 裕

秋山 裕 (あきやま ゆたか)
准教授

専攻分野:経済発展論・計量経済学・統計学

氏名 秋山 裕 (あきやま ゆたか)

職名 准教授

専攻分野 経済発展論・計量経済学・統計学

経歴 東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。同大学経済学部助手。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)留学。同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学経済学部専任講師。同大学助教授(現在の准教授)。同大学経済学部にて、「経済発展論」、「統計学」等を担当。著書:『経済発展論入門』東洋経済新報社。

メッセージ
【研究紹介】
経済発展とはいかなる現象なのか、また、経済発展を促進するために私たちは何をすべきなのかという「課題」を、「経済理論」と「経済統計」をバランスよく組み合わせて探求していくことを基本としています。地域的には環太平洋諸国、特にアジア諸国の経済発展を取り上げ、経済発展の過程で生じる産業構造の変化、貿易構造の変化を中心に計量的な分析を行っています。

【学生へのメッセージ】
経済学を勉強するにあたっては、どの分野に打ち込もうとも、「経済学」の研究に終始するのではなく、「現実の経済」を研究することを究極の目的であることを常に心にとめておいてほしいと思います。

新井 拓児

★新井 拓児 (あらい たくじ)
教授

専攻分野:数理ファイナンス

氏名 新井 拓児 (あらい たくじ)

職名 教授

専攻分野 数理ファイナンス

経歴 1971年東京生まれ。1993年:東京理科大学理工学部卒業、2001年:慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了、博士(理学)の学位を取得、筑波大学大学院ビジネス科学研究科非常勤研究員、東京理科大学理工学部助手を経て2005年:現職

メッセージ
私の研究分野は確率論を用いた数理ファイナンスであり、特に、金融派生商品、より一般に条件付請求権の価格付け問題に端を発する確率過程論的問題に取り組んでいる。最終目標は、数学的概念とファイナンス的概念の結びつきを明らかにすることと、数理ファイナンスという視点から発生した問題を通して確率過程論の一般論に対する貢献を行うことである。そのような最終目標を達成すべく、非完備市場におけるヘッジ戦略や価格と同値マルチンゲ―ル測度の関係を包括的に理解することを目的とする。条件付請求権との距離が最小になるというファイナンス的意味を持つヘッジ戦略が、双対性から導かれる同値マルチンゲール測度という数学的概念とどう関わっているのかを明らかにしたい。また、数学的視点から提唱された同値マルチンゲール測度のファイナンス的意味付けにも取り組みたい。これらの研究により、セミマルチンゲールに関する確率積分空間上の関数解析という新たな数学的枠組みを定式化することができればと考えている。

【主要論文】
A class of semi-selfsimilar processes related to random walks in random scenery, Tokyo J. Math., 24, 69–85, 2001.
The relations between minimal martingale measure and minimal entropy martingale measure, Asia Pacific Financial Markets, 8, 167-177, 2001.
The p-optimal martingale measure in continuous trading models, Stat. Probab. Lett., 54, 93–99, 2001.
Mean-variance hedging for discontinuous semimartingales, Tokyo J. Math., 25, 435–452, 2002.
Minimal martingale measures for jump diffusion processes, J. Appl. Probab., 41, 263–270, 2004.
An extension of mean-variance hedging to the discontinuous case, Fin. Stoch., 9, 129–139, 2005.
Some remarks on mean-variance hedging for discontinuous asset price processes, Intern. J. Theor. Appl. Fin., 8, 425–443, 2005.
Some properties of the variance-optimal martingale measure for discontinuous semimartingales, Stat. Probab. Lett., 74, 163-170, 2005.
An Approximate Approach to the Exponential Utility Indifference Valuation, Intern. J. Theor. Appl. Fin., 10, 475-503, 2007.
Optimal hedging strategies on asymmetric functions, Adv. Math. Econ. 11, 1-10, 2008.

飯田 恭

★飯田 恭 (いいだ たかし)
教授

専攻分野:ヨーロッパ社会経済史(専門は近世・近代ドイツ農村・林野史)

氏名 飯田 恭 (いいだ たかし)

職名 教授

専攻分野 ヨーロッパ社会経済史(専門は近世・近代ドイツ農村・林野史)

経歴 東京大学経済学部卒(1990)、ベルリン・フンボルト大学歴史学研究所留学(1993-95:DAAD奨学生)を経て、東京大学大学院経済学研究科より博士号取得(1999)。東京大学助手(1996-98)、成城大学経済学部専任講師(1998-2001)を経て、慶應義塾大学経済学部助教授(2001-08)、同教授(2008-)。
主要業績:『農場と森林のプロイセン史』(慶應義塾大学出版会, 2022); Ruppiner Bauernleben 1648-1806 (Berlin: Lukas Verlag, 2010); "The practice of timber granting from lords to peasants," Agricultural History 87(2013); "Peasants’ labour obligations for the lords’ forests," Agricultural History Review 67 (2019)など。

メッセージ
私は、近世ヨーロッパのエルベ川以東に広く普及した「グーツヘルシャフト(農場領主制)」について、プロイセンを中心に研究してきました。最近では、これまで主として「農業史」の文脈で論じられてきたこのテーマを、「森林史」の文脈にも位置づける作業をしています。
プロイセンは、近代化しつつある日本が一つのモデルとした国でもあります。両国の農林発展経路を比較することを通じて、「西洋と日本」という古くて新しい問題を探究する作業もつづけていきたいと思っています。

池田 幸弘

池田 幸弘 (いけだ ゆきひろ)
教授(兼)

専攻分野:経済学史・経済思想史:とくにオーストリア学派、ドイツ語圏における数理的分析の端緒について

氏名 池田 幸弘 (いけだ ゆきひろ)

職名 教授(兼)

専攻分野 経済学史・経済思想史:とくにオーストリア学派、ドイツ語圏における数理的分析の端緒について

経歴 1982年3月: 慶應義塾大学経済学部卒業。1984年3月: 慶應義塾大学修士課程経済学研究科修了。1989年3月: 同研究科博士課程単位取得退学。1989年4月: 慶應義塾大学経済学部助手に就任。2004年4月: 慶應義塾大学経済学部教授に就任。経済学博士(ホーエンハイム大学。Dr.oec.)。

メッセージ
経済思想史は現実の経済現象の理解にただちに資するわけではありませんが、歴史的見地から経済的な言説のあり方を根源的に問い直す学問です。経済思想史研究の意義についてご関心がある向きは、どうぞ下記をごらんください。 池田幸弘「経済思想の歴史」『スタディガイド』慶應義塾経済学会編、2008年。

石井 太

★石井 太 (いしい ふとし)
教授

専攻分野:人口学(死亡分析・人口数理)、数理統計学、年金数理

氏名 石井 太 (いしい ふとし)

職名 教授

専攻分野 人口学(死亡分析・人口数理)、数理統計学、年金数理

経歴 1991年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了(数学専攻)。2014年カリフォルニア大学バークレー校大学院Ph.D.(人口学)。 1991年厚生省(現・厚生労働省)入省。2004年より国立社会保障・人口問題研究所で将来人口推計・死亡分析等に関する研究に従事、2012年人口動向研究部長就任。2019年より現職。

メッセージ
近年、少子高齢化、人口減少、地方消滅、人生百年時代等の言葉をよく耳にすることがありますが、これらは全て人口問題です。人口問題は、少子化の帰結としての人口減少や高齢化が、働き手不足やこれに伴う外国人材受入れ議論の惹起、また社会保障給付・負担増をもたらす等、多様な社会問題に直結しています。
このような人口問題を論じるためには、人口学(Demography)に基づくアプローチが欠かせません。人口学とはその名の通り人口を研究する科学ですが、人口・出生・死亡などの人口変数や人口変数間の相互関係に関して数学的・統計学的観点から分析を行うことを中心とする「形式人口学(方法論)」という領域をコアとしつつ、経済学・社会学等様々な分野を背景とし、人口変数と人口の外部との関係を分析することを中心とする「実体人口学(人口理論)」という領域を併せ持つ学際的な科学です。また、人口学では、統計データの質や、指標の量的評価を重視しながら定量的分析を行うということも特徴です。
 私は人口学の中でも主に死亡分析を中心に研究するとともに、公的将来人口推計やこれに用いられる数理モデルの開発等に携わってきました。死亡分析の基本的なツールである「生命表」は、統計学の源流の一つとも言われ、人口学方法論の重要な基礎ともなっています。しかしながら、わが国では人口学の講座を持つ教育機関が少なく、人口問題を論じる上で必要となる人口学の方法論や理論を学ぶことが難しい現状にあります。私は、慶應義塾大学経済学部において、人口学を方法論・実体論の両面から包括的・体系的に学べる場を提供するとともに、わが国における人口学研究のさらなる発展を目指していきたいと考えております。

石橋 孝次

★石橋 孝次 (いしばし こうじ)
教授

専攻分野:ミクロ経済学・産業組織

氏名 石橋 孝次 (いしばし こうじ)

職名 教授

専攻分野 ミクロ経済学・産業組織

経歴 1987年:慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学Ph.D.(Economics)。1990年:慶應義塾大学経済学部助手、1997 年:助教授。2004年4月~2005年3月:ボストン大学訪問研究員。
【主要業績】 “Partial Privatization in Mixed Duopoly with Price and Quality Competition,” (with T. Kaneko) Journal of Economics, 2008.

メッセージ
産業組織の理論分析を研究テーマにしています。なかでも製品差別化や品質競争などの寡占企業の行動および公企業と私企業とが共存する混合寡占市場の競争などを研究対象としています。学生の皆さんには、のちに後悔することのないように、ミクロ経済学・マクロ経済学・数学・統計学を地道に学習されることを望んでいます。これらは経済問題や経済現象を論理的に考察し、分析するために必要なもので、社会に出てからも非常に有用になるからです。

一上 響

★一上 響 (いちうえ ひびき)
教授

専攻分野:国際金融、マクロ経済学、金融政策、ファイナンス

氏名 一上 響 (いちうえ ひびき)

職名 教授

専攻分野 国際金融、マクロ経済学、金融政策、ファイナンス

経歴 東京大学工学部卒(1995年)、同大学工学系研究科修了(1997年)、カルフォルニア大学サンディエゴ校経済学部Ph.D.取得(2005年)。1997年に日本銀行入行後、企画局企画役、IMF金融資本市場局シニアエコノミスト(出向)、調査統計局経済統計課長、調査統計局経済調査課長、金融機構局参事役、那覇支店長などを歴任。2021年より現職。Journal of Money, Credit, and Banking等に論文を掲載。

メッセージ
私は、日本銀行に24年強勤め、リサーチ中心のキャリアを歩んできました。2001年から2年間、カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学させてもらい、帰国後に仕事の傍ら博士論文を完成させ、2005年にPh.D.を取得しました。博士論文は、マクロ経済学とファイナンスを組み合わせたマクロファイナンスと呼ばれる分野のもので、実体経済、金融政策、長期金利の関係を理論と実証の双方を用いて分析しました。日本銀行では、調査統計局にのべ8年在籍し、経済予測やモデル開発を行ってきたほか、インフレや生産性などに関する研究もしました。金融市場局、企画局、金融機構局にも在籍したほか、IMFにも出向し、為替レート、長期金利、金融政策、金融規制、資本フロー、気候変動などの研究も行いました。このうち、特にゼロ金利制約に関する研究は、世界に先駆けたものであったと自負しています。こうした研究の多くは日本銀行の内部向けのものでしたが、一部を論文にまとめて発表し、Journal of Money, Credit, and Banking、Journal of International Money and Finance、Economic Inquiry、International Journal of Central Banking、Economic Lettersなどの学術誌に掲載してきました。日本銀行では、政策実務も多く経験し、例えば、金融政策決定会合にも多数参加しました。
さかのぼって自らの学部時代を振り返ると、特段に勉強熱心でもなく、学者になるなど夢にも思っていませんでした。ところが、4年生のときに金融工学に出会い、この分野で修士論文を書いたあと、日本銀行の派遣留学で経済学をはじめて本格的に勉強し、金融経済の研究の面白さにすっかりはまってしまいました。学生の皆さんには、こうした面白さを少しでも多く伝えられたらと考えています。

井手 英策

★井手 英策 (いで えいさく)
教授

専攻分野:財政社会学・地方財政論・中央銀行政策史

氏名 井手 英策 (いで えいさく)

職名 教授

専攻分野 財政社会学・地方財政論・中央銀行政策史

経歴 1972年生まれ。東京大学経済学部卒(1995年),同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学(2000年),日本銀行金融研究所,東北学院大学,横浜国立大学にて奉職の後,2009年度より現職。博士(経済学)。2006-7年コロラド大学にて客員研究員。主著に『高橋財政の研究』『中央銀行の財政社会学』(大島通義氏と共著)『希望の構想』(神野直彦氏と共編)など。

メッセージ
財政金融分野の歴史研究,制度研究が専門です。最近は,経済的要因が作用する前提ともいうべき社会変数の役割に関心を持っており,わが国の財政赤字に関して,バブル崩壊後の社会構造の変化や政府間財政関係の変化などに注目しながら研究を行っています。また,財政史の国際比較やSocial Capital理論に関する国際共同研究に取り組んでいます。

no image

★井深 陽子 (いぶか ようこ)
教授

専攻分野:医療経済学

氏名 井深 陽子 (いぶか ようこ)

職名 教授

専攻分野 医療経済学

経歴 2008年ラトガース大学よりPhD(経済学)取得。イェール大学公衆衛生大学院博士研究員、一橋大学国際・公共政策大学院専任講師、京都大学大学院薬学研究科特定准教授、東北大学大学院経済学研究科准教授を経て2016年より現職。主要業績として、”Out-of-pocket payments and community-wide health outcomes: an examination of influenza vaccination subsidies in Japan”(Health Economics, Policy and Law, 2016, 共著), “Social contacts, vaccination decisions, and influenza in Japan”(Journal of Epidemiology and Community Health, 2015, 共著)など。

メッセージ
医療経済学は、人間の健康の決定に関わる諸問題を経済学の理論をもとに分析する研究分野です。研究テーマとして、個人が健康に関わる意思決定をどのように行うかということに関心があります。現在は特に感染症の予防行動など、自分と周囲の人の間で行動の帰結が影響し合う場合の意思決定に関する実証研究を行っています。

植田 浩史

★植田 浩史 (うえだ ひろふみ)
教授

専攻分野:日本経済史、日本経営史、中小企業論

氏名 植田 浩史 (うえだ ひろふみ)

職名 教授

専攻分野 日本経済史、日本経営史、中小企業論

経歴 1984年:東京大学経済学部卒業、1989年:東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得退学、1989年:大阪市立大学経済研究所助手、講師、助教授、同大学院創造都市研究科教授を経て、2006年:慶應義塾大学経済学部教授。2006年:博士(経済学、東京大学)。
著書に『現代日本の中小企業』岩波書店、2004年、『戦時期日本の下請工業』ミネルヴァ書房、2004年 など。中小企業研究奨励賞本賞(2004年度)、政治経済学・経済史学会賞(2005年度)。

メッセージ
私のモットーは、現実と歴史から学ぶということです。国内、国外を含め多くの地域、企業の現実から、現代の経済や社会が抱えている問題や課題を見出していくとともに、そうした現実が生み出されてくる背景を歴史的に捉え、考えていくことを大切にこれまで研究をしてきました。慶應義塾でも、このモットーを大事に教育、研究にのぞんでいきたいと思っています。

大垣 昌夫

★大垣 昌夫 (おおがき まさお)
教授

専攻分野:マクロ経済学、国際金融、計量経済学

氏名 大垣 昌夫 (おおがき まさお)

職名 教授

専攻分野 マクロ経済学、国際金融、計量経済学

経歴 1988年シカゴ大学経済学部、Ph.D。1988年ロチェスター大学経済学部助教授、1994年オハイオ州立大学助教授、2002年同大学教授。2003年より2009年までJournal of Money, Credit, and Banking誌のEditor。アメリカ連邦銀行、国際通貨基金、日本銀行等で客員研究員。業績に”Measuring Intertemporal Substitution: The Role of Durable Goods,”(with Carmen Reinhart), Journal of Political Economy(1998). “Decreasing Risk Aversion and Tests of Risk Sharing,” (with Qiang Zhang), Econometrica (2001),”等がある。

メッセージ
最近は利他的な経済行動の研究に特に興味を持っています。世界各国で貯蓄率や、献金額や、税制などが大きく異なりますが、これらの違いは利他行動の違いと深く関わると考えています。特に親の遺産などの子どもに対する利他行動と他人のための献金などの利他行動の関係を研究していきたいと思います。
利他的行動の決定要因としては世界観が重要ではないか、と思います。たとえば、親が子どもに対して、甘やかすか、しつけのようなタフ・ラブの行動をするか、ということを考えると、親が「苦しみは無意味だ」という世界観を持っているか、「苦しみには意味がある」という世界観を持っているか、が重要な決定要因となると思います。
それでサーベイや実験を用いて世界観の利他的な経済行動への影響を研究を共同研究者たちと始めています。例えば「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という世界観に基づいて、福沢諭吉は慶応義塾の創立という経済行動を選択したと思います。マザー・テレサは貧しい人に奉仕することは、キリストに奉仕すること、という世界観を持っていたので、慈善活動をとったと思います。多くの人々は、自分がある特定の世界観を持っていることを意識していないため、違う世界観を持っている人々との意思の疎通が難しくなり、異なった世界観を持つ人々の言動を理解できずに憎んだり軽蔑したりすることがあるように思われます。目に見えない世界観が身近な経済行動に影響していることを明らかにすることによって、この研究が経済学の真理の探究に貢献するだけでなく、異なる世界観を持つ人々の間の理解と調和を促進することを期待しています。

no image

★大久保 敏弘 (おおくぼ としひろ)
教授

専攻分野:国際貿易論、空間経済学、地域経済論

氏名 大久保 敏弘 (おおくぼ としひろ)

職名 教授

専攻分野 国際貿易論、空間経済学、地域経済論

経歴 2006年英国・マンチェスター大学講師、2008年神戸大学准教授、2009年英国・バーミンガム大学客員研究員(日英大和財団)、2010年英国・オックスフォード大学、スウェーデン・ストックホルム大学を経て、2011年4月より現職。この間、一橋大学経済研究所客員研究員、チューリッヒ大学客員教授、ベルギー・カトリック=ルーバン大学、中国・浙江大学客員研究員など歴任。European Economic Review, Journal of International Economics, Economic Theory,Scandinavian Journal of Economics, Journal of Environmental Economics and Managementなどに論文多数。

太田 淳

★太田 淳 (おおた あつし)
教授

専攻分野:近代東南アジア経済史, インドネシア史

氏名 太田 淳 (おおた あつし)

職名 教授

専攻分野 近代東南アジア経済史, インドネシア史

経歴 1993年:早稲田大学第一文学部卒, 2005年:Ph.D. (History, Leiden University)取得。2005年:ラトガース大学歴史学研究所客員研究員, 2006年:国立シンガポール大学人文社会科学部ポスドク研究員, 2008年:台湾中央研究院人文社会科学研究中心助研究員, 2012年:広島大学大学院文学研究科准教授を経て2016年4月より現職。研究テーマは18−19世紀インドネシア諸島の経済・社会変容で, 特に現地住民やアジア人移民を中心とした, 植民地的強制に依らない, 自発的な生産・貿易・移民・海賊・ネットワーク形成などを明らかにしようと試みている。主要著作:『近世東南アジア世界の変容−グローバル経済とジャワ島地域社会』(名古屋大学出版会、2014;第12回日本学術振興会賞および第12回日本学士院学術奨励賞受賞), 「ナマコとイギリス綿布−19世紀半ばにおける外島オランダ港の貿易−」秋田茂編『アジアからみたグローバルヒストリー−「長期の18世紀」から「東アジアの経済的復興」へ』(ミネルヴァ書房, 2013), 「近代のネガ、または取り込まれた異者:19世紀マレー海域の海賊」『現代思想』39-10 (2011), “Pirates or Entrepreneurs? Migration and Trade of Sea People in Southwest Kalimantan, c. 1770-1820,” Indonesia 90 (2010), Changes of Regime and Social Dynamics in West Java: Society, State, and the Outer World of Banten, 1750-1830 (Leiden and Boston: Brill, 2006;第4回東南アジア史学会賞受賞)

メッセージ
日吉では自由研究セミナー(東南アジア経済史)と経済史入門II、三田では研究会(ゼミ)の他にEconomic History of Asiaと大学院演習を担当します。成長著しい東南アジアとはビジネスや観光を通して関係が強まっていますが、まだまだ日本人の知っている情報は限られているように思えます。受講する皆さんにはぜひ歴史的な知識を深め、現在の東南アジアのダイナミズムを深く理解するようになってほしいと思います。講義形式の授業では、東南アジアの歴史的発展を世界的な横のつながりの中で理解してもらいます。セミナーやゼミでは、近年のすぐれた研究を読んで、生産、消費、労働、貿易、移民、環境、貧困、災害、社会対立など広いテーマについて考え、自分の議論を構築し、発表や論文作成を行う力を身につけてもらいます。
皆さんが社会に出ると、恐らく何らかの形で東南アジアとつき合う機会があるでしょう。大学での学びを通して、ぜひ皆さんに東南アジアのエキスパートとして活躍してもらえればと考えています。

太田 聰一

★太田 聰一 (おおた そういち)
教授

専攻分野:労働経済学

氏名 太田 聰一 (おおた そういち)

職名 教授

専攻分野 労働経済学

経歴 昭和39年生まれ、京都市出身。昭和62年に京都大学経済学部を卒業。平成元年にロンドン大学LSE大学院に留学。平成6年に名古屋大学経済学部助手、平成8年に講師、平成10年に助教授、平成16年には名古屋大学大学院経済学研究科教授となり、平成17年に現在の慶應義塾大学経済学部教授の職に就く。内閣府経済社会総合研究所客員研究員、京都大学経済研究所客員教授などを歴任。ロンドン大学経済学博士(Ph.D.)。
共著書に「労働経済学入門」(有斐閣)、「もの造りの技能」(東洋経済新報社)。

メッセージ
労働経済の理論的・実証的分析を課題にしています。主要な研究トピックは若年雇用、失業問題、賃金格差、職場の安全などです。

大沼 あゆみ

★大沼 あゆみ (おおぬま あゆみ)
教授

専攻分野:環境経済学(環境経済理論、環境政策論)

氏名 大沼 あゆみ (おおぬま あゆみ)

職名 教授

専攻分野 環境経済学(環境経済理論、環境政策論)

経歴 1983年:東北大学経済学部卒業、1988年:東北大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得退学、1988年:東北大学経済学部助手、1989~2001年:東京外国語大学外国語学部専任講師・助教授、2001年4月~2003年3月:慶應義塾大学経済学部助教授、2003年4月より教授。この間、1995-97年:Centre for Social and Economic Research on the Global Environment (University College London) 客員研究員。

メッセージ
「持続可能な発展」をベースにして、生物多様性保全、地球温暖化問題、資源利用の問題を研究しています。特に環境保全を目的とした、既存市場の活用の仕方や新たな市場の創設など、市場構造を環境保全的なものとする政策分析に関心を持ち、研究を進めています。近年は、発展途上国の自然資本の保全を考察する観点から、マレーシアのボルネオにあるサラワク州とサバ州でのフィールドワークも行っています。特に、アナツバメの管理、森林認証、バイオプロスペクティングについて興味を持って調査をしているところです。

大平 哲

大平 哲 (おおひら さとし)
准教授

専攻分野:開発経済学、地域間格差の理論的分析

氏名 大平 哲 (おおひら さとし)

職名 准教授

専攻分野 開発経済学、地域間格差の理論的分析

経歴 経済格差の問題に関心をもちつづけている。格差是正策としての補助金・援助について、国内外の事例をつかって検討している。学術論文の執筆のほか、ここ数年はODAの事後評価のための途上国現地での実態調査にも従事してきた。その成果を利用し、途上国経済、とりわけタイの地域間格差に関する実証研究をおこなうことを今後数年の課題としている。

メッセージ
経済格差に関する次の3つの問題を中心に研究をすすめています。
(1)経済格差はなぜあるのか
(2)それは解消すべきものなのか
(3)すべきとしたらどのように解消するのがいいのだろうか
具体的には、格差を考える経済学の研究、格差解消の手段としての国内外の援助・補助金の経済分析をしています。経済学では伝統的に効率性を軸に分析をする習慣があり、公平性とか格差に関する体系的理論はありません。個別の問題ごとに適切な理論を探すしかありません。理論研究の他に、沖縄と本土との間の格差の問題を主として、格差を考える経済モデルをどのように現実の経済分析に応用できるかを考えています。また、円借款事業を中心に、先進国による途上国への経済援助がどのような効果をもつのか、その分析をするためにどのような手法がありうるかを研究しています。現実の経済格差の分析をするときには、複雑な政治・歴史的条件も関わってくるので、経済学の道具を応用するのは難しく、それだけにやりがいを感じています。
経済格差に関心をもったのは学生時代でした。南北問題についての本を読み、先進国と途上国との間の経済格差の深刻さに大きく心を動かされました。国と国との間の格差だけでなく、地域や人によってなぜこうも多様性があるのだろうかということに関心をもちつづけています。学生時代に接した文献にはその後も大きく影響されつづけるはずです。友人との議論も大事です。できるだけ多くの文献に接し、友人と語り合うことを学生のみなさんには強くすすめます。

no image

大屋 栄 (おおや さかえ)
助教(有期)

専攻分野:統計学・ファイナンス

no image

氏名 大屋 栄 (おおや さかえ)

職名 助教(有期)

専攻分野 統計学・ファイナンス

経歴 【経歴】
2019年3月: 慶應義塾大学大学院経済学研究科前期博士課程修了
2022年3月: 慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学
【業績】
“A positive-definiteness-assured block Gibbs sampler for Bayesian graphical models with shrinkage priors”, Japanese Journal of Statistics and Data Science, 2022, forthcoming (with Teruo Nakatsuma).
“A Bayesian Graphical Approach for Large-Scale Portfolio Management with Fewer Historical Data”, Asia-Pacific Financial Markets, 2022, forthcoming.

メッセージ
多変量解析で必要となることが多い分散共分散行列の逆行列(精度行列)の推定は、データの次元数が期間数に近づくほど不安定になり、高次元データのように次元数が期間数を上回る場合においては困難になることが知られています。このような場合の精度行列の推定法に関して研究を行っています。

no image

★岡 達志 (おか たつし)
教授

専攻分野:計量経済学の理論と応用

no image

氏名 岡 達志 (おか たつし)

職名 教授

専攻分野 計量経済学の理論と応用

経歴 2010年、Boston UniversityでPhD(経済学)取得。シンガポール国立大学経済学部助教授、モナッシュ大学計量経済学部准教授、サイバーエージェントAI Labリサーチサイエンティストを経て現職。

メッセージ
計量経済学およびデータ分析全般の理論・応用の研究をしています。

沖本 竜義

★沖本 竜義 (おきもと たつよし)
教授

専攻分野:計量ファイナンス、マクロ計量経済学、エネルギー経済学

氏名 沖本 竜義 (おきもと たつよし)

職名 教授

専攻分野 計量ファイナンス、マクロ計量経済学、エネルギー経済学

経歴 2005年カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院経済学研究科博士課程修了(経済学Ph.D)。同年、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科准教授、2008年9月より一橋大学国際企業戦略研究科准教授、2014年3月よりオーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院准教授を経て、2022年4月より現職。計量ファイナンス、マクロ計量経済学、エネルギー経済学の分野を中心に30本を超える論文を学術誌に発表。GPIF Finance Awards (2017年)、日本ファイナンス学会丸淳子研究奨励賞 (2015年)、証券アナリストジャーナル賞 (2014年)などを受賞。主な著書に『経済・ファイナンスデータの計量時系列分析』(朝倉書店,2010年)がある。

メッセージ
私は、データを分析して、金融市場・マクロ経済・社会事象などに対してどのようなことが示唆されるのかを明らかにする手法の開発やその応用を研究しています。ビッグデータが比較的容易に取得できるようになった現代では、このような研究はデータサイエンスとも呼ばれるようになっており、私は、その中でも経済とファイナンスの分野を中心に分析を行っています。
私のモットーは、真実はデータの中にあるということです。しかしながら、真実を正しく見極めることは容易ではなく、データ分析の結果は常に不確実性を伴います。このため、より真実に近い結果を得るための手法を検証し、得られた推定結果がどの程度の不確実性を含んでいるのかを正確に評価した上で、得られた知見を現実の問題に応用していくことことが非常に大事です。皆さんも、もし興味深いデータを見かけたら、そのデータから何が分かるのか、それはどの程度、確かなものなのか、そして、その結果をどのように応用すれば自分の生活や社会の改善に役立てることができるのかを考えてみてください。もし、経済・ファイナンスの分野において、データ分析や実社会への応用に興味があるのであれば、大学や大学院で計量経済学や計量ファイナンスを学んでみると面白いと思います。慶應大学で、そのような方に会えるのを楽しみにしています。

尾崎 裕之

★尾崎 裕之 (おざき ひろゆき)
教授

専攻分野:不確実性の経済学、 およびそのマクロ経済学への応用

氏名 尾崎 裕之 (おざき ひろゆき)

職名 教授

専攻分野 不確実性の経済学、 およびそのマクロ経済学への応用

経歴 慶應義塾大学経済学部卒。アメリカ・ウィスコンシン大学Ph.D。
Journal of Economic Theory誌、Journal of Mathematical Economics誌に論文数本。

メッセージ
Know everything about something, know something about everything
(最初のsomethingは自分の専門、後者のeverythingは、一般知識)
の精神で勉学に励んでください。

小橋 文子

★小橋 文子 (おばし あやこ)
教授

専攻分野:国際貿易論、貿易政策

小橋 文子

氏名 小橋 文子 (おばし あやこ)

職名 教授

専攻分野 国際貿易論、貿易政策

経歴 2002年慶應義塾女子高等学校卒業、2006年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2011年慶應義塾大学より博士(経済学)、2018年ウィスコンシン大学マディソン校よりPh.D取得。
慶應義塾大学経済学部助教(研究)、東洋大学経営学部助教、青山学院大学国際政治経済学部助教、准教授を経て、2023年4月より現職。

メッセージ
グローバル・バリュー・チェーン(GVC)をめぐる諸問題について研究しています。具体的には、国際貿易統計や企業の貿易・海外生産活動に関する個票データを活用した実証研究を行ったり、企業活動のグローバル化によって貿易協定の役割がどのように変化するのかについて応用理論研究を行ったりしています。とくに国際的生産ネットワークの進展が目覚ましい東アジア・ASEANに注目し、開発戦略の一環としての貿易政策や関連する投資政策、産業政策のあり方を考えています。また、2015年より国連貿易開発会議(UNCTAD)が主導する非関税措置データベースの構築に参画し、技術的規制の貿易、厚生への影響にも関心を寄せています。

日吉キャンパス

青木 健一郎

青木 健一郎 (あおき けんいちろう)
教授

専攻分野:理論物理学:主に素粒子物理、場の理論、非平衡の物理

氏名 青木 健一郎 (あおき けんいちろう)

職名 教授

専攻分野 理論物理学:主に素粒子物理、場の理論、非平衡の物理

経歴 1984年:東京大学 理学部 物理学科 卒業、1989年:Princeton大学 物理学科 PhD、1989年:UCLA Research Associate、1994年:東京工業大学 理学部物理学科 助手、1995年:慶應義塾大学 経済学部 助教授、1999年:同 教授。

メッセージ
物理学の最大の魅力は「なぜ」ということを考えるところだと思います。物理現象はどのような仕組みで起きているのか、そしてその理解の根拠はどこにあるのか、といったことを考えます。素粒子物理では、物質のもっとも基本的な部品は何であり、それがどのような性質を持つのかを追求します。自然科学の中でもっとも小さいスケールを研究する分野です。自然科学では理解が正しいのかを実験で検証します。実験のデータからいかにして結論を導出するかを体験して理解ないと、自然科学に過度の信頼、あるいは根拠なき不信を抱きがちです。物理学の基本的概念は数学が得意でなくてもわかると私は信じています。特に物理を今まで学んだことない人は、講義に限らず物理学に触れ、実験を体験して欲しいと思います。

有川 智己

有川 智己 (ありかわ ともつぐ)
教授

専攻分野:コケ植物の系統分類学

氏名 有川 智己 (ありかわ ともつぐ)

職名 教授

専攻分野 コケ植物の系統分類学

経歴 1974年3月東京都生まれ、1997年東京大学理学部生物学科卒業、2003年東京大学大学院理学系研究科博士後期課程修了(博士(理学))、広島大学大学院助手、慶應義塾大学経済学部助手、助教、鳥取県立博物館主任学芸員を経て、2013年から現職。日本蘚苔類学会編集幹事、環境省第3次絶滅のおそれのある野生生物の選定・評価検討委員などを勤める。

メッセージ
地上は生き物であふれています。コケ植物もその中の一員です。一見地味な生物を通じて、自然・地球環境の多様さ、複雑さを理解し体感できるようにしてゆきたいと思っています。

アートル, ジョン

アートル, ジョン (アートル ジョン)
准教授

専攻分野:文化人類学、考古学の民族誌、文化資源学、観光人類学など

氏名 アートル, ジョン (アートル ジョン)

職名 准教授

専攻分野 文化人類学、考古学の民族誌、文化資源学、観光人類学など

経歴 2007年 カリフォルニア大学バークレー校(文化人類学Ph.D.)。2007–2008年 ウィリアム・アンド・メアリー大学人類学部・特任准教授。2008–2018年 金沢大学国際基幹教育院・准教授。2018年から現職

井奥 洪二

井奥 洪二 (いおく こうじ)
教授

専攻分野:生体材料学・セラミック材料学・環境科学

氏名 井奥 洪二 (いおく こうじ)

職名 教授

専攻分野 生体材料学・セラミック材料学・環境科学

経歴 東京工業大学大学院博士後期課程修了、高知大学理学部助手、山口大学工学部助教授、同大学院医学系研究科助教授、東北大学大学院環境科学研究科教授を経て、2012年より現職。工学博士。
【受賞】日本セラミックス協会学術賞 (2009)、日本無機リン化学会学術賞 (2008)、Asian BioCeramics Award (2005)、無機マテリアル学会永井記念奨励賞 (2000)、Award for Encouragement of Research in Materials Science, MRS International Meeting on Advanced Materials (1988) 他

メッセージ
東北大学在職中、東日本大震災に被災。その後の復旧過程において、リーダーに必要な条件について考えさせられました。皆が困っている時に先頭に立つ勇気、大局的にものごとを捉え速やかに具体的指示を出せる決断力、小さなことには動揺しないタフな精神力、困っている人に手を差し延べることのできる豊かな心、このような力と心のあるリーダーが現在の日本には必要とされています。私は、日本の未来を創り、支えていくリーダーを育てることに全力を尽くします。慶應義塾で学ぶ学生諸君の中から、真のリーダーシップを発揮できる政治家、企業経営者、NGOやNPOの代表などが数多く育っていくことを願っています。

池田 薫

池田 薫 (いけだ かおる)
教授

専攻分野:数理物理学(非線形可積分系)

氏名 池田 薫 (いけだ かおる)

職名 教授

専攻分野 数理物理学(非線形可積分系)

経歴 1962年4月14日生、1985年3月:埼玉大学理学部卒、1987年3月:東京都立大学理学研究科修士課程修了、1991年3月:東京都立大学理学研究科博士課程修了、1991年4月:小樽商科大学講師、1991年10月:同助教授、1996年4月熊本大学理学部助教授、2002年4月:慶應義塾大学経済学部助教授、2003年4月:同教授
【学位】 理学博士(東京都立大学)1991年3月、1998年9月から1999年7月までMIT訪問研究員、2003年から2008年までCOE事業推進担当
【最近の研究業績】 Compactification of the iso level sets of the Hessenberg matrices and the full Kostant-Toda lattice, Proc.Japan acad. Ser.A82(2006)no7pp93-96/The Toda flows preserving small cells of the flag variety G/B and Kazhdan’s x_0 grading, our.Geom.and Physics 57(2007)no3 pp799-813/The monoidal transformation by Painleve’ divisor and resolution of the pole of the Toda lattice, Jour. Math. Pure et Appl. 90(2008) Issue 4, pp329-337

メッセージ
いわゆるソリトンについて研究しています。最近はソリトン通信に興味をもっています。ソリトンとは固有の性質をいつまでもどこまでも保持しつづけるという性質をもっています。この性質を利用しデータのやり取りに使えないものかと考えています。さらに別の次元の保存量(うまくいえませんが)も持っていることが最近分かってきました。これもデータ通信に使えるはずだと考えています。

石井 明

石井 明 (いしい あきら)
教授

専攻分野:音楽学(西洋音楽史)、特に17・18世紀の西洋音楽

氏名 石井 明 (いしい あきら)

職名 教授

専攻分野 音楽学(西洋音楽史)、特に17・18世紀の西洋音楽

経歴 音楽学博士。アメリカ、イーストマン音楽院(ロチェスター大学)卒。インディアナ大学大学院古楽科を経て、デューク大学大学院へ編入学。91年修士号、 99年博士号(PhD)取得。日吉キャンパスにおいて様々な教育・研究活動に携わっている。その一つとして18世紀オーケストラの演奏習慣の実践・実習を目的に、慶應義塾コレギウム・ムジクム・オーケストラを主宰、指導を行っている。

メッセージ
研究・教育活動についてのより詳細な情報は、次のHPを参照してください。
>> http://web.hc.keio.ac.jp/~akirai

石川 昌治

石川 昌治 (いしかわ まさはる)
教授

専攻分野:数学(特異点論、多様体の幾何構造)

氏名 石川 昌治 (いしかわ まさはる)

職名 教授

専攻分野 数学(特異点論、多様体の幾何構造)

経歴 1995年:東京大学工学部船舶海洋工学科卒業,1997年:東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了,2001年:バーゼル大学にてPh.D.取得,2001年4月:日本学術振興会特別研究員(DC・PD),2003年:東京大学大学院数理科学研究科にて博士(数理科学)取得,2003年4月:東京工業大学大学院理工学研究科助手,2007年4月:同助教,2008年4月:東北大学大学院理学研究科准教授,2018年4月:慶應義塾大学経済学部教授

メッセージ
多項式や関数の特異点を使って空間の幾何学的性質を捉える研究をしています. 簡単な例だと,地図の等高線が与える高さ関数から,その場所の地形の情報を把握するような研究になります.地図は2次元のため扱いやすいですが,普段は3次元,4次元,あるいはより高い次元の空間に幾何的な構造を組み込んだ枠組みで研究を行うので,話はもっと複雑になります.特異点が構造を理解するヒントを与えてくれる,そういう研究分野です.
数学の魅力は論理と発想です.いずれも,どの分野に進んでも必要とされる大事な能力になります.大学の数学の講義で良く考え,良く演習を積むことでそれらを磨き,世界で活躍する人材を目指してください.

鵜浦 恵

鵜浦 恵 (うのうら めぐみ)
専任講師

専攻分野:中国古典文学(白話小説)

鵜浦 恵

氏名 鵜浦 恵 (うのうら めぐみ)

職名 専任講師

専攻分野 中国古典文学(白話小説)

経歴 2014年:慶應義塾大学文学部卒業、2017年:同大学大学院中国文学専攻修士課程修了、2020年:同大学大学院中国文学専攻博士課程単位取得退学。2022年より現職。

メッセージ
日本でも良く知られている白話小説『三国志演義』を中心に研究をしています。特に関心を持っているテーマは下記の二つです。
(1)『三国志演義』の版本研究
『三国志演義』には多くの版本がありますが、その中で清代に刊行された「毛宗崗本」における人物描写の特徴について、他の版本とのテキストクリティークを通して考察を行っています。
(2)『三国志演義』の日本における受容
江戸時代に刊行された『三国志演義』の絵入り本の調査を通して、当時の受容の様相を探っていきたいと考えています。また、現代の日本において三国志の物語がどのように捉えられているのかにも関心があります。

大嶋えり子

大嶋えり子 (おおしま えりこ)
准教授

専攻分野:フランス政治、移民政策、植民地支配の記憶

大嶋えり子

氏名 大嶋えり子 (おおしま えりこ)

職名 准教授

専攻分野 フランス政治、移民政策、植民地支配の記憶

経歴 博士(政治学)。慶應義塾大学法学部法律学科卒業、早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、同研究科博士後期課程満期退学。ル・マン大学フランス語教授法資格(DUFLE)取得。早稲田大学政治経済学術院助手、金城学院大学国際情報学部講師を経て、2023年より現職。主な業績に単著『ピエ・ノワール列伝』(パブリブ、2018年)、『旧植民地を記憶する』(吉田書店、2022年)、共編著『コロナとアカデミア』(雷音学術出版、2022年)がある。

メッセージ
技術の発展で外国語の習得が不要と思われるような場面も出てきました。とりわけ機械翻訳は便利です。ただし、外国語か第一言語かにかかわらず、「インターネット上のSNSで行き交う言葉は基本的に即時の応答を前提としており、そのようなコミュニケーションは言葉を理解し発話するために必要だった筈の、遅延と逡巡の時間に対する感覚を奪いつつある」と田中純は書いています(「詩という謎語をめぐって」、石井洋二郎編『リベラルアーツと外国語』水声社、2022年)。2019年にアカデミー・フランセーズの会員に選出されたバルバラ・カッサンも、就任演説で「主な作品が補助金申請である、言語でさえない単なるコミュニケーションの道具のグローバル・イングリッシュ」に抵抗する必要性を訴えています(Discours de réception de Mme Barbara Cassin)。カッサンは英語に対抗しているのではなく、英語であれ、他の言語であれ、即時的な実用性のみを重視することを批判しているのです。時間をかけて新たな言語に接触したことで豊かになった言語経験は、私たち一人ひとりをより自由にしてくれるでしょう。

長田 進

長田 進 (おさだ すすむ)
教授

専攻分野:都市地理学、経済地理学、都市経済学

氏名 長田 進 (おさだ すすむ)

職名 教授

専攻分野 都市地理学、経済地理学、都市経済学

経歴 1968年生。慶應義塾大学経済学部卒業後、ロンドン大学経済政治学院(LSE)にて2001年にPh.D.を取得。京都大学経済研究所にCOE研究員として在籍(2003.010~2004.09)した後、慶應義塾大学経済学部助教授(現・准教授)として赴任(2005年4月~)。目下の研究テーマは、「まちづくり」の方法論の確立。

メッセージ
よき大学人となるためにも、研究と教育の両面から研鑽を続けることは勿論。学問の内容を実践していきたいと考えています。

小原 正

小原 正 (おばら ただし)
准教授

専攻分野:スペイン植民地期のメキシコ史、特に先住民の貢納と人口

氏名 小原 正 (おばら ただし)

職名 准教授

専攻分野 スペイン植民地期のメキシコ史、特に先住民の貢納と人口

経歴 東京外国語大学スペイン語専攻卒業。2007年メキシコ社会人類学高等研究院修士課程修了。2011年フランス社会科学高等研究院博士課程満期退学。2013年より現職。著書に、Ladinizacion sin mestizaje(2010年)、Base de datos del catalogo del Fondo Diocesano del Archivo Historico Diocesano de San Cristobal de Las Casas. Primera parte(2011年、共著)、El arte de contar tributarios(近刊予定、共著)がある。

メッセージ
スペイン語圏というと、みなさんはどのような国や地域を思い浮かべるでしょうか。スペイン語は、スペインはもとより、メキシコ、ペルー、チリ、アルゼンチンなどの中南米諸国、カリブ海のキューバやドミニカ共和国、そしてアフリカでは赤道ギニアといったように、広範な地域で話されています。さらにアメリカ合衆国のヒスパニックの人々を含めれば、その言語人口は4億人を超えます。まさにスペイン語によって、このように多様な地域の人々が日々その喜びや悲しみ、希望や絶望を表現しているのであり、それらの地域の政治的、経済的、そして文化的活動の大部分が営まれているのです。したがって、スペイン語を習得するということは、世界の広範な地域の社会や文化を直接的に理解する手段を獲得することにほかなりません。 スペイン語の授業では、単に語学を教えるのではなく、スペイン語圏の社会や文化への興味を抱かせるような工夫を心がけています。大学でスペイン語を学ぶ学生には、ぜひ一度はスペイン語圏の国を旅し、その社会や文化を直に体験し、スペイン語で人々と交わってほしい、そのためのスペイン語の授業を行いたいと思っています。

か行

三田キャンパス

no image

★嘉治 佐保子 (かじ さほこ)
教授

専攻分野:国際マクロ経済学、欧州経済

氏名 嘉治 佐保子 (かじ さほこ)

職名 教授

専攻分野 国際マクロ経済学、欧州経済

経歴 1982年:慶應義塾大学経済学部卒業、1984年:同大学大学院経済学研究科修士課程修了、 同大学経済学部助手、1985年から1988年: The Johns Hopkins University 経済学部博士課程に留学、1988年から1989年:Yale University 経済学部訪問大学院生、1991年:慶應義塾大学経済学部助教授、1992年:The Johns Hopkins University より Ph.D.(経済学博士号)取得、1999年:慶應義塾大学経済学部教授、2007年6月:経済学部 PCP Co-ordinator兼務

メッセージ
欧州、とりわけ大陸欧州の経済・社会は、日本のそれと共通する点が多く、むしろ米国に比べると日本に近い面もあります。欧州経済、それが日本経済に与える示唆、日欧関係を中心とした国際経済関係、この三点を中心に研究を行っています。
日本をとりまく国際環境はますます厳しいものになりつつあります。大学を卒業するまでに自分なりの見方・考え方を身につけることが、将来、仕事があるかどうかを左右することもあるでしょう。「自分で考え、自分で選んで、その結果は自分で責任を取る」というのが、慶應義塾の伝統の一つです。日本全体が自己責任の原則を徹底させるという課題に直面している中で、皆さんが率先垂範する立場にたつことを期待します。
なお、大学院で指導教官として嘉治を指定する学生は、修士・博士を問わず、入学試験以前に、これまでの研究成果と今後の計画およびメールアドレスを明記した上で三田研究室宛に送付してください。

加島 潤

★加島 潤 (かじま じゅん)
教授

専攻分野:中国近現代経済史、東アジア経済史

加島 潤

氏名 加島 潤 (かじま じゅん)

職名 教授

専攻分野 中国近現代経済史、東アジア経済史

経歴 埼玉大学教養学部卒(1999年)、東京都立大学人文科学研究科修士課程修了(2002年)、東京大学人文社会系研究科博士課程修了(2010年)、博士(文学)。北京師範大学歴史系(2000-2001年)、復旦大学歴史学系(2006年)留学。東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点特任助教、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授、教授を経て2021年4月より現職。主要業績は『社会主義体制下の上海経済――計画経済と公有化のインパクト』(東京大学出版会、2018年)など。

メッセージ
中国の経済史を研究しています。「史」といってもそれほど古い時代ではなく、およそ19世紀後半から現代までの近現代が専門です。特に、制度や政策がその地域の経済と社会にどのような影響を及ぼすのかに関心があります。経済史は、経済学と歴史学の両方を学ぶ必要があるので大変ですが、経済学の概念や分析枠組みを使って歴史的事象を分析することで、これまでの歴史解釈とは異なる新たな知見を提供できる可能性がある点で、とてもエキサイティングでやりがいがあります。

片山 翔太

★片山 翔太 (かたやま しょうた)
准教授

専攻分野:​統計科学・高次元データ解析・因果推論

氏名 片山 翔太 (かたやま しょうた)

職名 准教授

専攻分野 ​統計科学・高次元データ解析・因果推論

経歴 2009年同志社大学文化情報学部卒業,2011年大阪大学基礎工学研究科博士前期課程修了,2013年同大学同研究科でPh.D.取得,2013年日本学術振興会特別研究員(DC1 -> PD),2014年4月新領域融合研究センター(統計数理研究所)融合プロジェクト特任研究員,2014年6月東京工業大学工学院経営工学系助教を経て現職

メッセージ
【研究内容】
情報技術の発展やIT環境の整備に伴って,大規模データが簡単に得られるようになりました.私は大規模データから有益な情報を抽出するための方法論を,統計科学・機械学習の両視点から理論的に研究しています.推定値の効率的計算は機械学習から,その分布等については統計科学からアプローチしています.特に,高次元漸近分布,スパース推定,最適化アルゴリズムの統計的性質,ロバストグラフィカルモデリングなど幅広く研究を進めています.機械学習を用いた経済分析にも興味があります.

【学生の皆さまへ】
統計科学や機械学習の理論を勉強してみませんか.経済・経営学に基づく意思決定を学んできた皆さんがこれを身につけ,文理融合的な思考を駆使して,昨今のデータ社会で活躍できることを望みます.

亀井 憲樹

★亀井 憲樹 (かめい けんじゅ)
教授

専攻分野:実験経済学、行動経済学、公共経済学、ビジネス経済学

氏名 亀井 憲樹 (かめい けんじゅ)

職名 教授

専攻分野 実験経済学、行動経済学、公共経済学、ビジネス経済学

経歴 2000年東京大学工学学士(2002年東京大学工学修士)。2011年ブラウン大学経済学PhD。経済産業省職員、米デロイトエコノミスト、米ボーリング・グリーン州立大学経済学部助教授、英ダラム大学ビジネススクール准教授(経済学)・実験研究センター長などを歴任。2022年より慶應義塾大学経済学部教授。The Economic Journal、Journal of Law, Economics & Organization、Journal of Economic Behavior & Organization、Experimental Economics等国際ジャーナルに多数公刊。

メッセージ
私の専門は経済実験を行いデータをもとに仮説を検証する分野であり様々な応用経済学の問いを研究しています。組織・社会における民主的意思決定、人々の投票行動や制度構築などの組織・政治経済学のトピックス、ワークプレイス・デモクラシーや労働者の生産性・モラルハザードなどに関するビジネス経済学のトピックス、オンライン・メカニズムの効果や評判構築を含めたユーザの行動特性、社会的ジレンマ下での人々の協力行動に関する行動経済学的研究、人々の利他的な罰則行動(direct & third party punishment)に関するトピックスなど幅広い分野で研究活動を進めています。

(学生の皆さんへ)人間を扱う現実の社会では経済理論通りにいかないことも多く、経済実験などを通じて日々色々な発見があります。皆さんも経済学を学ぶときに、経済学の前提や設定、各専門領域の理論的示唆がどれだけ世の中の事象に成り立つのか、成り立つ場合は何故か、成り立たない場合はどの前提などが妥当でないのか等を人々の行動原理から考えると色々な発見があり経済学がより面白くなると思います。

河合 啓一

★河合 啓一 (かわい けいいち)
教授

専攻分野:情報の経済学・契約理論・組織の経済学

氏名 河合 啓一 (かわい けいいち)

職名 教授

専攻分野 情報の経済学・契約理論・組織の経済学

経歴 学歴:
2003年:京都大学経済学部
2012年:Northwestern University, Ph.D.
職歴:
2012-2014: University of Queensland (Lecturer)
2014-2022: UNSW, Sydney (Lecturer, Senior Lecturer, Associate Professor)

no image

★河井 啓希 (かわい ひろき)
教授

専攻分野:計量経済学、医療経済学、実証産業組織論

氏名 河井 啓希 (かわい ひろき)

職名 教授

専攻分野 計量経済学、医療経済学、実証産業組織論

経歴 1986年:慶應義塾大学商学部卒業、1988年:同大学大学院商学研究科修士課程修了、1991年:同大学大学院同研究科博士課程単位取得退学。1991年~95年:(社)日本経済研究センター研究員。1995年~98年:慶應義塾大学経済学部専任講師、1998年より慶應義塾大学経済学部准教授。研究分野は、医療経済学、産業組織論、国際経済学。著書に『内外価格差の経済学』などがある。

メッセージ
私は、医療経済学、産業組織論などのテーマを中心にした「応用ミクロ理論にもとづく実証分析」についての研究を行っています。医療サービスを考える上で重要な「製品の品質」、「財の差別化」、「情報の非対称性」といった問題をいかに実証的に明らかにするか、ミクロデータやパネルデータを用いた計量経済学的方法、医療政策の実証的評価等に興味を持っています。

河端 瑞貴

★河端 瑞貴 (かわばた みずき)
教授

専攻分野:空間情報科学、経済地理、都市地域政策

氏名 河端 瑞貴 (かわばた みずき)

職名 教授

専攻分野 空間情報科学、経済地理、都市地域政策

経歴 1995年慶應義塾大学経済学部卒業、1997年同大学政策・メディア研究科修士課程修了、2002年マサチューセッツ工科大学(MIT) 都市計画専攻博士課程修了(Ph.D.)。東京大学空間情報科学研究センター機関研究員(PD) ・准教授、慶應義塾大学経済学部准教授などを経て2014年より現職。

メッセージ
「空間」を切り口に、現実の都市・地域の経済・政策課題を分析しています。分析には、GIS(地理情報システム)を活用しています。GISの強みは、空間情報を可視化できるだけでなく、空間情報の加工や作成、分析を行えることです。GISと空間データの飛躍的な発達に伴い、都市・地域の空間的諸問題を、詳細に、高度に分析できるようになってきました。医療、環境、交通、住宅、土地利用、福祉、防災などの課題には、都市・地域の空間構造と密接に関わるものが少なくありません。発達著しいGISと空間データを活用すれば、そうした課題の理解や解決に有益な知見を提供できると期待します。

神田 さやこ

★神田 さやこ (かんだ さやこ)
教授

専攻分野:近代アジア経済史、南アジア史

氏名 神田 さやこ (かんだ さやこ)

職名 教授

専攻分野 近代アジア経済史、南アジア史

経歴 慶應義塾大学経済学部卒、Ph.D. (History, University of London)。大阪大学大学院経済学研究科講師を経て2008年4月より現職。研究テーマは、植民地期インドの経済発展であり、主として市場および商取引制度の変容と工業化におけるエネルギー問題という2つの切り口から研究をおこなっている。

メッセージ
学部では1年生の経済史2と3、4年生を対象とした南アジア経済史を担当しています。経済史2では、各回明確なテーマにそって、インド・日本・中国を中心としたアジア地域の長期的な経済発展とそれに伴う諸問題について理解を深めてもらいます。南アジア経済史では、現在のインド・バングラデシュ・パキスタンをはじめとする南アジア地域の長期的な経済変動とともに、貧困・環境・エネルギーといった今日的な問題にたいする歴史的なアプローチを学びます。ゼミをはじめセミナー形式の科目では、良書を多く読み、エッセイを書くことを通じて、自分で考え、調べ、議論できる力を養っていきます。
経済発展著しいインド。これからの日本にとってますます身近になってくる国です。インド経済の歴史を学ぶことを通して、そのダイナミズムの源を知るきっかけを与えられればと考えています。

木村 福成

★木村 福成 (きむら ふくなり)
教授

専攻分野:国際貿易論、開発経済学

氏名 木村 福成 (きむら ふくなり)

職名 教授

専攻分野 国際貿易論、開発経済学

経歴 1958年生まれ。1982年:東京大学法学部卒業、1991年:ウィスコンシン大学にて経済学博士号(Ph.D.)取得、1982~1986年:(財)国際開発センター研究助手、1991~1994年:ニューヨーク州立大学オルバニー校経済学部助教授、1994~2000年:慶應義塾大学経済学部助教授、2000年~:同教授。主要研究テーマは、国際的生産・流通ネットワークと経済統合。

メッセージ
詳しい履歴および業績については https://www.econ.keio.ac.jp/staff/fkimura/ をご覧ください。

熊倉 和歌子

★熊倉 和歌子 (くまくら わかこ)
教授

専攻分野:中東・北アフリカ地域の経済と環境の歴史、特にイスラーム期以降のエジプト史

熊倉 和歌子

氏名 熊倉 和歌子 (くまくら わかこ)

職名 教授

専攻分野 中東・北アフリカ地域の経済と環境の歴史、特にイスラーム期以降のエジプト史

経歴 2002年お茶の水女子大学文教育学部卒業、2004年同大学大学院博士前期課程修了、2011年同大学院博士後期課程修了。博士(人文科学、お茶の水女子大学)。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授を経て、2023年4月より現職。主要業績は、『中世エジプトの土地制度とナイル灌漑』(東京大学出版会、2019年; 2020年度地域研究コンソーシアム賞[登竜賞]、2020年度地中海学会ヘレンド賞、2021年度日本学術振興会賞受賞)。

メッセージ
現在、世界人口に占めるイスラーム教徒人口の割合は、4人に1人。今世紀中にはイスラーム教徒人口がキリスト教徒人口を上回る見込みです。今後、私たちにとって、イスラーム文明についての知識はグローバルな社会を理解するために必須となるに違いありません。授業では、イスラーム経済をはじめとするさまざまな切り口からイスラーム文明について学びます。

そして、もう一つの重要なテーマは経済と環境の歴史です。人間の経済活動と環境が相互にどのように関係してきたかについて学ぶことにより、現在の私たちの位置を知ることができます。それはグローバルな歴史でもあります。なぜならば、資源は有限であり、所与のものであるためです。資源は豊富にあるところから希少なところへと運ばれ、その移動を通じて経済ネットワークが形成されていきます。他方、疫病の流行により既存のネットワークが遮断されるということも私たちはコロナ禍で実際に経験しました。疫病が経済活動に及ぼす影響もまた、このテーマの射程に含まれます。

研究会ではこれらのテーマに関する基礎知識を習得しながら、調査や分析、論文執筆の手法について学びます。2年間での学びを通じて、最後に卒業論文を完成させるところまでが目標です。授業において重視するのは、イスラームを学ぶことだけでなく、イスラームから何を学ぶか、ということです。先入観を取りはらい、物事を客観的に分析し、思考する力を養ってもらいたいと思っています。

栗野 盛光

★栗野 盛光 (くりの もりみつ)
教授

専攻分野:マーケットデザイン、ミクロ経済学、ゲーム理論

氏名 栗野 盛光 (くりの もりみつ)

職名 教授

専攻分野 マーケットデザイン、ミクロ経済学、ゲーム理論

経歴 京都大学工学部卒業、ピッツバーグ大学経済学部博士課程修了(Ph.D. in Economics)。マックスプランク経済学研究所研究員、マーストリヒト大学経済学部助教、ベルリン社会科学研究所(WZB Berlin)研究員、筑波大学システム情報系社会工学域助教・准教授を経て、2018年4月より現職。

メッセージ
マーケットデザイン(市場設計)が私の専門です。マーケット(市場)とは、価格に基づいた財の取引の場ばかりでなく、価格に基づかない財の取引の場も含み、広く社会経済制度を指します。マーケットデザインは、ミクロ経済学やゲーム理論を基礎として、積極的に実際のマーケットをデザインすることを目標にします。理論をガイド役として、被験者実験や経済実験により、制度を評価します。
 私は、これまで主にマッチング市場のデザインを研究してきました。例えば、マッチング市場は、研修医と病院のマッチング、児童と小・中学校のマッチングである学校選択制度、高校・大学入試での生徒と学校とのマッチング、臓器移植でのドナーとレシピエントのマッチング、プロスポーツのドラフト制度などがあります。日本のドナー交換肺移植制度や大学での進振り制度のデザインを近年研究しています。
また、最近は、マッチング市場ばかりでなく、次世代自動車交通基盤のデザインに関心があります。特に、IoT、AI、自動運転、燃料電池車など自動車に関わる新しい技術が登場し、それに合わせた、公平で効率的で、インセンティブの面からも望ましい制度をデザインしたいと考えています。

小西 祥文

★小西 祥文 (こにし よしふみ)
教授

専攻分野:実証ミクロ経済学,環境経済学,応用ミクロ計量分析

氏名 小西 祥文 (こにし よしふみ)

職名 教授

専攻分野 実証ミクロ経済学,環境経済学,応用ミクロ計量分析

経歴 2008年ミネソタ大学応用経済学研究科よりPh.D.取得.2002年度フルブライト奨学生.ゴールドマンサックス証券投資調査部,ウィリアムズ大学(米国)助教授,上智大学准教授,筑波大学准教授を経て2020年より現職.主要業績として,“Can Green Car Taxes Restore Efficiency? Evidence from the Japanese New Car Market” Journal of the Association of Environmental and Resource Economists (2017),“Emissions Trading, Firm Heterogeneity, and Intra-industry Reallocations in the Long Run” Journal of the Association of Environmental and Resource Economists (2015) 等がある

メッセージ
私は,環境政策(制度・施策)の効果に関して,応用(実証)ミクロ経済学の手法に基づいた実証研究を行うことで,日本の環境政策の設計(デザイン)に役立つような知見の蓄積を行っています.特に,最近では,「交通と環境」をテーマとした研究を行っています.例えば,自動車へのインセンティブ施策は本当に環境効果があったのか,自動車燃費規制は効率的な規制といえるのか,ライドシェアは環境にとって良い結果をもたらすのか,交通ネットワークへの公共投資は交通由来の環境汚染にどのような結果をもたらしたのか,といった問いに関する研究です.このような研究を行う上で,経済学的直観から得られる疑問,分離融合的で柔軟かつ論理的な思考法,統計的因果推論に基づく「因果効果」と「因果メカニズム」の厳密な識別・推定,の三つの要素を大事にしています.

小林 慶一郎

★小林 慶一郎 (こばやし けいいちろう)
教授

専攻分野:マクロ経済学、経済成長理論

氏名 小林 慶一郎 (こばやし けいいちろう)

職名 教授

専攻分野 マクロ経済学、経済成長理論

経歴 1989年3月 東京大学工学部計数工学科卒業。1991年3月 東京大学大学院工学系研究科修了。1991年4月 通商産業省入省。1998年8月 シカゴ大学Ph.D.(経済学)取得。2001年4月 経済産業研究所。2010年8月 一橋大学経済研究所教授。2013年4月より現職。著書・論文に『日本経済の罠』(共著)、『日本破綻を防ぐ 2つのプラン』(共著)、”Payment uncertainty, the division of labor, and productivity declines in great depressions,” Review of Economic Dynamics, vol. 9(4) 715-741など。

メッセージ
1995年から1998年にシカゴ大学大学院にて経済学の教育を受け、内生的経済成長理論についての博士論文を執筆しました。1998年に帰国後、通商産業省において不良債権問題や景気対策について調査研究を行い、2001年より経済産業研究所にて、金融危機や景気循環に関して主に理論的な研究を行ってきました。銀行危機や大恐慌など、通常の景気循環よりも大きな経済変動をテーマとして理論的な研究を進めています。金融システムを本質的なかたちで組み込んだマクロ経済モデルを作ることを目指しています。政府部門の財政破綻や政権交代などの政治経済的なテーマにも取り組んでいきたいと考えています。

小林 流基

小林 流基 (こばやし りゅうき)
助教(有期)

専攻分野:実証産業組織論、応用ミクロ経済学

小林 流基

氏名 小林 流基 (こばやし りゅうき)

職名 助教(有期)

専攻分野 実証産業組織論、応用ミクロ経済学

経歴 ・2015年 慶應義塾大学経済学部 卒業
・2020年 慶應義塾大学経済学研究科 修士課程修了
・2023年 慶應義塾大学経済学研究科 後期博士課程単位取得退学
・2020年〜2023年 慶應義塾大学経済学部 奨励研究員
・2021年〜2023年 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員(DC2)

メッセージ
私は実証産業組織論の分野において研究を行っています。現在の研究テーマは、(1)合併評価:合併により競争相手が減少し市場支配力が上昇することで価格が上がる効果と、合併企業同士のシナジーによって費用が下がる効果はどちらが大きいか、(2)新技術と生産性:新技術の導入と普及は、どのようなチャネルを通じて生産性の上昇に影響を与えるか、などです。特に製鉄産業や石油産業など、大規模な設備を必要とする産業を題材とした研究を中心に行なっています。近年、このような産業では大規模な合併が増加しており、社会全体として効率的であるかを経済学の観点から検討することが重要になってきています。

また、産業組織論を全体としてみると、市場における企業の戦略や消費者の行動を分析する学問です。データを用いて分析を行う実証分野では、経済理論のモデルに実際のデータを当てはめることで、企業や消費者が行動するその背後にはどのような意思決定メカニズムがあるのかを考えることができます。このモデルをもとに、政府の政策や企業の施策が行われたとき、何が起きるかをシミュレーションできることは、私がこの分野を面白いと感じる点です。産業組織論の理論や分析の枠組みは、合併審査など政策の現場や、企業が自身の製品に対する需要など市場環境を分析するビジネスの現場においても使用される場面が増えてきています。
企業に就職するなどして卒業後に働くことになる学生の皆さんや、既にビジネスの現場で働いてらっしゃるビジネスマンの方々にとって、そして消費者として市場に参加している私たち全員にとって、産業組織論の考え方を学ぶことは、自らの仕事や買い物における意思決定の手助けとなる一つの有用なツールを身につけることにつながるのでは、と思います。

駒形 哲哉

★駒形 哲哉 (こまがた てつや)
教授

専攻分野:中国経済論(とくに中小企業)・地域経済論

氏名 駒形 哲哉 (こまがた てつや)

職名 教授

専攻分野 中国経済論(とくに中小企業)・地域経済論

経歴 1988年:慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、1989年~1990年:南開大学(中国)留学、(財)霞山会職員、獨協大学専任講師を経て、2000年:慶應義塾大学経済学部専任講師、2003年より助教授(07年より准教授)、2011年より現職。主著に『中国の自転車産業 「改革・開放」と産業発展』(慶應義塾大学出版会、2012年度慶應義塾賞、第7回樫山純三賞受賞)、『移行期中国の中小企業論』(税務経理協会、平成17年度中小企業奨励賞本賞受賞)など。

メッセージ
経済学というと数学を使った理論がイメージされるかもしれません。数学ができたほうがよいのは事実です。そして、理論は現実を分析するための重要なツールです。ただし、理論を学ぶ一方で、現場で得られた知見から論理を組み立てる思考力も養ってほしいと思っています。とくに地域の経済や産業をみていくと、個別具体的な姿から、理論で教わったことを確認することもあれば、それに単純には収まらないかもしれない発見もあります。既存の理論からの演繹に収まらないことを知り、その背景を深く考えることは、条件の異なる地域に誤った政策をあてはめたり、方向を見誤ったりするリスクを減らすことに役立つと考えられます。

駒村 康平

★駒村 康平 (こまむら こうへい)
教授

専攻分野:社会政策

氏名 駒村 康平 (こまむら こうへい)

職名 教授

専攻分野 社会政策

経歴 95年:慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、93年~97年:国立社会保障・人口問題研究所(社会保障研究所)研究員、97年~00年:駿河台大学経済学部助教授、00年~07年:東洋大学経済学部教授、07年4月~:慶應義塾大学経済学部教授。
【最終取得学位】博士・経済学/【受賞学術賞】日本経済政策学会優秀論文賞・1995年、吉村記念厚生政策研究助成金受賞・2001年、生活経済学会奨励賞・2001年
【所属学会】日本年金学会、日本経済政策学会(関東部会幹事)、生活経済学会(理事)、日本経済学会、日本財政学会、国際公共経済学会、医療経済学会、社会政策研究ネットワーク

メッセージ
少子高齢化社会では、社会保障の役割はますます大きくなります。社会保障を学ぶ目的は、1)社会保障の持っている機能の学習とその分析、2)受給者としての社会保障制度の利用、3)国民としての社会保障制度の選択です。学生には好奇心をもって、主体的に学んでもらいたいと思います。講義においては、多くの資料や文献を使用します。研究会、演習においては、理論、実証、政策・制度、歴史についてバランスよく一緒に研究をしていきたいと思います。

【主要業績】
著書 『福祉の総合政策』 創成社、2001年10月。
著書 『年金はどうなる-家族と雇用が変わる時代』 岩波書店、2003年11月。
編著 『年金と家計の経済分析』 東洋経済新報社、2000年4月。
編著 『アジアの社会保障』 東京大学出版会、2003年9月。
編著 『年金改革』 生産性労働情報センター2005年7月。
編著 『社会保障の新たな制度設計』 慶應義塾大学出版会、2005年10月。
編著 『年金制度と個人のオーナーシップ』 NIRA、2007年4月。

日吉キャンパス

no image

柏崎 千佳子 (かしわざき ちかこ)
教授

専攻分野:社会学 : 市民権論、ナショナリズム、移民政策など

氏名 柏崎 千佳子 (かしわざき ちかこ)

職名 教授

専攻分野 社会学 : 市民権論、ナショナリズム、移民政策など

経歴 米国ブラウン大学大学院博士課程修了(社会学Ph.D.)。2001年から現職。おもな論文に「国籍のあり方―文化的多様性の承認に向けて」『外国人の法的地位と人権擁護』(明石書店)、「在住外国人の増加と自治体の対応」『自治体変革の現実と政策』(中央法規出版)、訳書に『ディアスポラとしてのコリアン』(新幹社)がある。

メッセージ
学部の授業では、おもに「英語セミナー」を担当し、日本社会のマイノリティ、移民政策などのテーマを扱っています。異なる背景をもつ人びとが、同じ社会で、どのように暮らしているのか。学生のみなさんには、想像力を働かせ、ときにはさまざまな「場」に直接足を運んで、学んでほしいと思っています。

糟谷 大河

糟谷 大河 (かすや たいが)
准教授

専攻分野:菌類(きのこやカビなど)の系統分類学,多様性生物学

氏名 糟谷 大河 (かすや たいが)

職名 准教授

専攻分野 菌類(きのこやカビなど)の系統分類学,多様性生物学

経歴 2007年3月,筑波大学第二学群生物資源学類卒業。2012年3月,筑波大学大学院生命環境科学研究科博士後期課程修了,博士(農学)の学位取得。2012年4月より石川県小松市文化創造課学芸員,2013年4月より千葉科学大学危機管理学部専任講師を経て,2019年4月より現職。一般社団法人日本菌学会理事・編集委員,環境省絶滅のおそれある野生生物選定・評価検討会蘚苔類・藻類・地衣類・菌類分科会委員などを務める。

メッセージ
菌類,特にきのこ類の自然史を主な研究対象としています。きのこは,日々の食卓に彩りを添え,健康増進にも一役買っているなど,私たちの生活に身近な生物です。しかし,地球上には,私たちの想像をはるかに超える数の未知のきのこたちが潜んでおり,その多様性の全貌は明らかではありません。そこで私は,日本や中国東北部など,東アジアを中心とした地域の海浜,里山や亜高山帯・高山帯を主なフィールドとして,野外調査によりきのこ類の標本を収集し,形態的・生態的な特徴および遺伝子の情報をもとに,それらの系統分類や生物地理に関する研究を行っています。きのこやカビなどの菌類の視点から,自然環境の複雑さと,地球上の生物の多様性,そして生物と環境とのつながりを探っていきたいと考えています。ところで,人間社会においても,複雑性・多様性を認め,さまざまな分野とのつながりを保つことはとても大切です。学生の皆さんには,経済学部で論理的な思考力や表現力を養い,自らの目指す方向を見つけることを期待するとともに,専門性を磨きつつも幅広い視野を持ち,異なる分野へも積極的にアプローチすることを望みます。

桂田 昌紀

桂田 昌紀 (かつらだ まさのり)
教授

専攻分野:解析的整数論・ゼータ関数論

氏名 桂田 昌紀 (かつらだ まさのり)

職名 教授

専攻分野 解析的整数論・ゼータ関数論

経歴 【略歴】 85年:立教大学理学部卒業、87年:慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了、89年:鹿児島大学理学部助手、97年:同助教授、99年:慶應義塾大学経済学部助教授、01年:同教授、最終取得学位:博士(理学)・慶應義塾大学(94年)
【主要研究業績】
I. 単著論文: i) Linear independence measures for values of Heine series, Math. Ann. 284, 1989. / ii) Asymptotic expansions of the mean values of Dirichlet L-functions III, Manuscripta Math. 83, 1994./ iii) An application of Mellin-Barnes’ type integrals to the mean square of Lerch zeta-functions, Collect. Math. 48, 1997. /iv) On Mellin-Barnes type of integrals and sums associated with the Riemann zeta-function, Publ. Inst. Math. (Beograd) (N.S.) 62(76), 1997. /v) An application of Mellin-Barnes type of integrals to the mean square of L-functions,” Liet. Mat. Rink. 38, 1998./vi) Rapidly convergent series representations for ζ(2n+1) and their χ-analogue, Acta Arith. XC, 1999./vii) On an asymptotic formula of Ramanujan for a certain theta-type series, Acta Arith. XCVII, 2001./viii) Asymptotic expansions for certain q-series and a formula of Ramanujan for specific values of the Riemann zeta-function, Acta Arith. 107 (2003), 269-298. /ix) An application of Mellin-Barnes type integrals to the mean square of Lerch zeta-functions II, Collect. Math. 56, 2005. /x) Complete asymptotic expansions associated with Epstein zeta-functions, Ramanujan J. 14, 2007.
II. 共著論文: i) Asymptotic expansions of the mean values of Dirichlet L-functions, Math,. Z. 208, 1991. /ii) The mean values of Dirichlet L-functions at integer points and class numbers of cyclotomic fields, Nagoya Math. J. 134, 1994. /iii) Explicit formulas and asymptotic expansions for certain mean square of Hurwitz zeta-functions I, Math. Scand. 78, 1996. /iv) Irrationality results for values of generalized Tschakaloff series, J. Number Theory 77, 1999. /v) Irrationality results for values of generalized Tschakaloff series II, J. Number Theory 104, 2004. /vi) Differential actions on the asymptotic expansions of non-holomorphic Eisenstein series,” Int. J. Number Theory, (to appear).

メッセージ
【I. 閲覧者へのメッセージ】
これまで、解析的整数論の中心的なテーマの一つである種々のゼータ関数の漸近的挙動を、解析的整数論固有の手法や、超幾何関数など特殊関数の諸性質を援用することで解明してきました。
【II. 聴講者へのメッセージ】
interactive 方式の講義に出席した皆さんは、講師の問いかけに対して、積極的に解答してください。聴衆の皆さんの活発な応答が、知的で楽しく充実した濃密な時間を生み出すことと思います。

加藤 伸吾

加藤 伸吾 (かとう しんご)
専任講師

専攻分野:スペイン現代史:民主主義に関する言説史、歴史認識

氏名 加藤 伸吾 (かとう しんご)

職名 専任講師

専攻分野 スペイン現代史:民主主義に関する言説史、歴史認識

経歴 上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業、同大学院国際関係論専攻博士前期課程修了。TIS(株)、アクセンチュア(株)、在スペイン日本大使館(外務省在外公館専門調査員)で勤務後、スペイン国立遠隔教育大学社会史・政治思想史学科博士課程修了。上智大学グローバル教育センター特別研究員、関西外国語大学外国語学部講師を経て、2015年より現職。

メッセージ
現代スペインを事例に、人間社会が「民主主義」とその前提の一つである「多様性」を、どのような言葉を使って受け入れていったかについて研究しています。スペイン語とスペイン語圏について学ぶことを通じ、多様性とそれを身につけることについて、皆さんといっしょに考えていきたいと思っています。

鎌田 由美子

鎌田 由美子 (かまだ ゆみこ)
准教授

専攻分野:美術史学、特にイスラーム圏の美術について。

氏名 鎌田 由美子 (かまだ ゆみこ)

職名 准教授

専攻分野 美術史学、特にイスラーム圏の美術について。

経歴 2002年、慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業。2004年、東京大学大学院人文社会系研究科美術史学修了、同年ニューヨーク大学美術研究所博士課程に留学。2008-2010年メトロポリタン美術館ホイットニー研究員。2011年ニューヨーク大学美術研究所より博士号取得(イスラーム美術史)。2011-2014年、早稲田大学高等研究所助教。

メッセージ
 大学での4年間は、自分自身で自由に管理することのできる貴重な時間だと思います。自らの知的好奇心に基づいて、調査・分析した結果を形にして、意見交換する楽しさを存分に味わってください。
 授業では、ある美術品が制作され、使用された状況や、その作品が流通し、時代や地域を越えて受容される様子などを考察します。それによって、世界各地の歴史や文化についての理解を深めてほしいと思います。

河備 浩司

河備 浩司 (かわび ひろし)
教授

専攻分野:数学(確率論, 確率解析)

氏名 河備 浩司 (かわび ひろし)

職名 教授

専攻分野 数学(確率論, 確率解析)

経歴 1991年3月:慶應義塾志木高等学校卒業, 1995年3月:慶應義塾大学経済学部卒業, 1997年3月:慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了, 1999年3月:東北大学大学院情報科学研究科修士課程修了, 2004年3月:東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了, 博士 (数理科学) の学位を取得。その後2004年4月:大阪大学大学院基礎工学研究科にて日本学術振興会特別研究員 (PD), 2006年4月:九州大学大学院数理学研究院COE博士研究員, 2007年4月:岡山大学大学院自然科学研究科 (理学部数学科) 准教授, 2015年2月:岡山大学大学院自然科学研究科 (理学部数学科) 教授を経て2018年4月より現職。その間,Bielefeld大学数学部 (2004年10月—12月), Bonn大学応用数学研究所 (2005年5月—8月, 2012年11月—12月), Cambridge大学Isaac Newton数理科学研究所 (2010年1月—7月)に客員研究員として滞在。


[代表的な研究業績]
・"Long time asymptotics of non-symmetric random walks on crystal lattices" , J. Funct.
Anal. 272 (2017), pp. 1553-1624. (石渡聡, 小谷元子両氏との共著)
・"Strong uniqueness for both Dirichlet operators and stochastic dynamics to Gibbs measures on a path space with exponential interactions”, J. Funct. Anal. 262 (2012), pp. 602-638. (Sergio Albeverio, Michael Röckner両氏との共著)
・"Asymptotic expansions for the Laplace approximations for Itô functionals of Brownian rough paths”, J. Funct. Anal. 243 (2007), pp. 270-322. (稲浜譲氏との共著)
・"Large deviations for the heat kernel measures on loop spaces via rough paths”,
J. London Math. Soc. (2), 73 (2006), pp. 797-816. (稲浜譲氏との共著)
・"`The parabolic Harnack inequality for the time dependent Ginzburg-Landau type SPDE
and its application”, Potential Anal. 22 (2005), pp.61-84. (単著)
・"Short time asymptotics of a certain infinite dimensional diffusion process”, Progress in
Probability 48 (2001), pp. 77-124. (会田茂樹氏との共著)

メッセージ
大学院で本格的に数学に転向してから一貫して無限次元空間上の確率解析という研究分野に興味を持ち続けている。特に経路空間やループ空間などの無限次元空間上の拡散過程, 微分作用素や関数不等式の研究を, 確率微分方程式, マリアヴァン解析, ディリクレ形式, ラフパス理論などを援用して行っている。また最近,ふとしたきっかけで他分野の研究者との共同研究が始まり, 結晶格子やベキ零被覆グラフ等の離散モデル上の非対称ランダムウォークの長時間漸近挙動を確率論と離散幾何解析双方の視点を合わせて調べているが, 思いがけないところで今までの研究との繋がりが見えてきて面白い。これら今までの研究において, 変分法的視点が見え隠れする数学的現象に出会い,その度にいくつかの小さな喜びがあったが, 学部生時代に理論経済学を学んだ経験が少なからず影響しているのかもしれない。今後もこれらの研究上の喜びや数学の面白さを,講義等を通して学生諸君にも伝えることができればと思う。なお学生諸君は, 経済学に限らず面白いと思った事に在学中はとことんのめりこめばいいと思う。慶應の経済学部にはそれを受け入れる懐の深さがあり, そこで得た経験と新たな人との出会いが将来の自分の財産になるはずである。 

菅野 智博

菅野 智博 (かんの ともひろ)
准教授

専攻分野:中国近現代史、東アジア史

氏名 菅野 智博 (かんの ともひろ)

職名 准教授

専攻分野 中国近現代史、東アジア史

経歴 2011年宇都宮大学国際学部卒業、2013年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、2018年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。日本学術振興会特別研究員DC1、慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師、慶應義塾大学法学部非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PD、(中国)中山大学歴史学系(珠海)副教授などを経て、2021年4月より慶應義塾大学経済学部准教授に着任。

メッセージ
いわゆる「満洲」と称されている中国東北地方を中心に、中国近現代史や東アジア史について研究しています。近代以降の「満洲」は、政治・経済・社会・文化など多面的にわたって日本、朝鮮半島、ロシア、モンゴル、欧米などの影響を受けつつ、複雑な内外情勢の中で大きく変化した地域です。今日までの当該地域の変容を長期的な視野で分析することを通して、中国を含めた東アジアの全体像を解明しようと研究しています。
現在の日本では、「中国脅威論」を強調する様々な情報がニュースの報道やインターネット上で日々飛び交っています。そのため、中国に対して「怖い」というイメージを抱いている学生の方々も多いと思います。一方で、漢字や中華料理などに代表されるように、古くから日中の文化交流は続けられてきました。最近でも、中国発祥の動画ソーシャルアプリやオンラインゲームなどが日本でも一般的に使用されるようになり、どこか中国に対して「親近感」を抱いている側面もあります。中国は日本にとって最も身近な国であり続けてきた歴史があり、今後も間違いなく重要な隣国であり続けるでしょう。授業では中国の歴史や文化、最新の動向などについても紹介し、学生の皆さんには自らの得た知識や考えをもとに一面的ではない複雑かつ多様な中国像を理解してほしいです。

工藤 多香子

工藤 多香子 (くどう たかこ)
教授

専攻分野:スペイン語圏カリブ海地域(特にキューバ)の文化・社会の研究

氏名 工藤 多香子 (くどう たかこ)

職名 教授

専攻分野 スペイン語圏カリブ海地域(特にキューバ)の文化・社会の研究

経歴 1999年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て2000年慶應義塾大学経済学部専任講師(スペイン語)。2005年慶應義塾大学経済学部助教授。2007年より准教授として現在に至る。

メッセージ
好奇心を持ち続けて、新しいことに挑戦する気持ちをいつまでも大切にしたいと思っています。

呉 茂松

呉 茂松 (ご もしょう)
准教授

専攻分野:現代中国論、現代中国における権利擁護運動

氏名 呉 茂松 (ご もしょう)

職名 准教授

専攻分野 現代中国論、現代中国における権利擁護運動

経歴 1999年東北師範大学卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。法学博士。東京大学、東海大学、早稲田大学の非常勤講師、慶應義塾大学法学部専任講師(有期)を経て、2016年4月より現職。政治学を専門に、現代中国の政治・社会について研究しており、おもな著作に、『現代中国の維権運動と国家』(2014年)、『現代中国の政治外交の原点』(共著、2013年)、『中国の都市化』(共著、2015年)、『陳情:中国社会の底辺から』(共著、2012年)などがある。

メッセージ
私が政治学を学ぶ出発点は「一つの国、一つの民族に束縛されない、一人の人間、『民』に立脚した平和的価値の実現について考える」ことにある。これは朝鮮半島に民族的ルーツを持ち、中国で生まれ育ち、いまは日本を生きる舞台としている経歴と直接関連がある。常に考える問題には「個の独立」、「権力と権利の関係」、「マジョリティーとマイノリティーの共生」などがある。
私は大学教育の意義は、教養と専門知識、応用能力の伝授以外に、学生が「他者」を認識することを以って「自我」を知り、そのプロセスを通じて、多元的かつ重層的な価値観を樹立すると同時に、自ら考える姿勢を身に付けることにあると思う。一人ひとりの思考が平和を守る力であり、未来を創造する源である。想像力の豊かな皆さんとともに考えていきたい。

古宇田 悠哉

古宇田 悠哉 (こうだ ゆうや)
教授

専攻分野:数学(トポロジー)

古宇田 悠哉

氏名 古宇田 悠哉 (こうだ ゆうや)

職名 教授

専攻分野 数学(トポロジー)

経歴 2003年3月:慶應義塾大学理工学部卒業,2005年3月:慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了,2007年9月:慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了,2005年4月:日本学術振興会特別研究員(DC1•PD),2008年10月:東京工業大学大学院理工学研究科特任助教,2009年9月:東北大学大学院理学研究科助教(その間 2012年8月−2014年8月ピサ大学客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)):2014年10月:広島大学大学院理学研究科准教授,2020年4月:広島大学大学院先進理工系科学研究科教授,2023年4月:慶應義塾大学経済学部教授.

メッセージ
微積分論が展開できる空間モデルである「多様体」という数学概念の不変量や各種構造,対称性が研究対象です.微分構造や幾何構造を介して定義される諸概念に組み合わせ的な解釈を与え,計算可能な量を引き出す事をスローガンに研究しています.
数学は(広い意味での)科学を記述する言語ですので,数学を習得する事は,一つの言語,すなわち世界観を手に入れる事を意味します.私はこれまで数学に携わってきた中で,考えもしなかった概念に触れたり,それらの間のつながりを知ることで,急に視界が開けたような爽快な感動を味わうことが何度もありました.数学に限らず,このような喜びを塾生の皆さんにも沢山体験してもらいたいと思います.そのためにも,学生生活の中で是非様々な価値観に触れ,思考の枠を外せる柔軟性と広い視野を身につけて欲しいと思います.

さ行

三田キャンパス

坂井 豊貴

★坂井 豊貴 (さかい とよたか)
教授

専攻分野:メカニズム・マーケットデザイン、社会的選択理論

氏名 坂井 豊貴 (さかい とよたか)

職名 教授

専攻分野 メカニズム・マーケットデザイン、社会的選択理論

経歴 1975年生まれ。早稲田大学商学部卒業、神戸大学経済学修士課程修了、ロチェスター大学経済学博士課程修了(Ph.D)。横浜市立大学経営科学系準教授、横浜国立大学経済学部助教授・准教授を経て、2011年4月より現職。Games and Economic Behavior, International Journal of Game Theory, Journal of Economic Theory, Journal of Mathematical Economics, Social Choice and Welfareをはじめとする学術誌に論文多数。著書に『マーケットデザイン入門』と『メカニズムデザイン(共著)』がある。

メッセージ
「望ましい資源配分を実現する制度」の設計問題や、「望ましい性質を有する厚生測度」の構成問題を主に研究しています。望ましさの基準には効率性や公平性や民主性などがありますが、それら基準自体についても考察します。

制度設計の分野が貢献した有名な例には、多くの国で実施された周波数オークションがあり、各国政府は、効率的な周波数割り当てを実現するとともに、何兆円もの収益を上げることができました。また、腎臓ドナーマッチングや公立学校マッチングに関する応用は、米国では既に大きな成功を収めています。 私自身もオークションやマッチングの研究を行っていますが、応用先として特に力を入れているのは「ごみ処分場をどの地域に選び、他の地域はその地域にいくらの金銭補償を与えるか」といった、公平分担問題です。そこではフェアメカニズムという、ゲーム理論的に性能のよいメカニズムを開発し、実験によりその実際的なパフォーマンスを検証しています。現段階では、完全情報下ではかなり理論通りに働くことを確認しています。

また、長く研究してきたテーマに、無限期間モデルにおける、割引因子を用いない厚生測度の構成可能性問題があります。これは世代間公平の理念を反映した厚生測度を作ってみようというモチベーションに基づいています。この研究を始めた当初は、優れた厚生測度は存在しないという不可能性定理を示すばかりだったのですが、最近は何がどこまで可能で不可能か、かなり細かいことが分かるようになってきました。私としては、おぼろげながらも、その全容を捉えた感があり、現在はこれまでの研究成果をまとめる段階にあります。

no image

坂口 洋英 (さかぐち ひろひで)
助教(有期)

専攻分野:実証産業組織論・実証ミクロ経済学

no image

氏名 坂口 洋英 (さかぐち ひろひで)

職名 助教(有期)

専攻分野 実証産業組織論・実証ミクロ経済学

経歴 2018年:慶應義塾大学大学院経済学研究科前期博士課程修了
2021年:慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学
2018年-2019年:三菱経済研究所専任研究員

メッセージ
デジタル化の急速な進展により、様々な新しい財やサービスが生まれ、人々の生活は大きくしました。例えば、TwitterやFacebookなどのSNSや、Amazon.comのようなECサイトは広く普及し、Googleの各サービスは日常生活にとって不可欠な存在となっています。
これらの企業は、莫大な利益を上げることからビジネス的注目を集める一方で、産業の性質から、独占や寡占を引き起こすことが多く、経済学の大きな関心の一つとなっています。また、デジタル社会特有の性質が、新たな社会問題を引き起こすこともあります。
こうしたデジタル化に伴う、新しい財やサービスと、それに係る現象や性質について、実証研究を通じ明らかにすることを研究領域としています。

櫻川 昌哉

★櫻川 昌哉 (さくらがわ まさや)
教授

専攻分野:国際金融論、(国内)金融論、マクロ経済学

氏名 櫻川 昌哉 (さくらがわ まさや)

職名 教授

専攻分野 国際金融論、(国内)金融論、マクロ経済学

経歴 上記の3つの分野をバランスよく研究することを心がけています。なぜかといえば、そうしないと資本主義経済の動態の本質は見えてこないと思うからです。例えば、昨今の世界的金融危機を理解するためには、この3つの分野に精通していることは不可欠です。日本語の業績としては、『金融危機の経済分析』(東京大学出版会 2002年)、『金融立国試論』(光文社新書 2005年)などがあります。

メッセージ
慶應義塾に入学したあなたたちの頭脳は、大学受験勉強のせいで退化しております。大学とはその退化した頭を正常に戻すためのリハビリの場だと考えてください。高校時代の間違った教育のせいで失った思考する能力・創造する能力の修復、開発に力を注いでほしいと思います。そして、大学を卒業するときには、「他社もやるからうちも」などと横並びでしか行動できない創造力ゼロの人間には決してならないように努めてください。

笹原 彰

★笹原 彰 (ささはら あきら)
准教授

専攻分野:国際貿易、国際マクロ経済学

氏名 笹原 彰 (ささはら あきら)

職名 准教授

専攻分野 国際貿易、国際マクロ経済学

経歴 2009年に慶應義塾大学商学部を卒業。2011年に一橋大学より修士号(経済学)を取得。2017年にカリフォルニア大学デービス校よりPh.D.(経済学)を取得。2017年から2020年までアイダホ大学助教授。2020年より現職。

メッセージ
国際貿易や国際マクロ経済学の分野で理論と実証の両面から研究をしています。例えば、国際貿易が雇用に与える影響や国が債務不履行に陥った場合のGDPへの影響を定量的に計測する研究をしています。現実の経済ではいろんな出来事が同時に起こるので、ある特定のイベントの効果を抽出することはとても困難ですが、それができるように研究のデザインを工夫したりより信頼できる推定方法を採用したりしています。講義では経済学の学問としての厳密さ、そしてその面白さを学生の皆さんに伝えられるように心がけています。

佐藤 空

★佐藤 空 (さとう そら)
准教授

専攻分野:経済思想史、社会思想史、特に18世紀後半のイギリス社会経済思想

佐藤 空

氏名 佐藤 空 (さとう そら)

職名 准教授

専攻分野 経済思想史、社会思想史、特に18世紀後半のイギリス社会経済思想

経歴 2007年一橋大学経済学部卒業、2013年エディンバラ大学大学院修了(PhD)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属共生のための国際哲学研究センター特任研究員を経て、2017年東洋大学経済学部専任講師、2020年同大学経済学部准教授。2023年4月より現職。

メッセージ
兵庫県出身で、大学から東京にいます。大学院ではイギリス(スコットランド)に比較的長く留学していました。留学中、多国籍の人々が集うグローバルな環境の中で強い刺激を受け、現代社会における多文化共生の問題について深く考えるようになりました。まだ、駆け出しの教員で、研究・教育ともに試行錯誤を繰り返していますが、高校や大学で何名か素晴らしい先生たちと出会い、今でも教員としての自分のモデルになっています。経済思想史、特に18世紀後半のイギリスの社会経済思想が専門です。慣習などを含む社会制度や、暗黙知、共感、時間などをキーワードにしながら、グローバルな社会における共生の達成と生の意味を問いたいと考えています。

佐藤 祐己

★佐藤 祐己 (さとう ゆうき)
教授

専攻分野:金融論・ファイナンス

氏名 佐藤 祐己 (さとう ゆうき)

職名 教授

専攻分野 金融論・ファイナンス

経歴 2001年:慶應義塾大学経済学部卒業,2003年:同修士,2006年:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士 (MSc in Economics),2009年:プリンストン大学訪問研究員,2011年:ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス博士 (PhD in Economics).2011年‐2017年:ローザンヌ大学ファイナンス学部助教授およびSwiss Finance Institute研究員,2017年より現職.

<主な論文>
Delegated Portfolio Management, Optimal Fee Contracts, and Asset Prices, Journal of Economic Theory, 2016, 165, 360–389.
Fund Tournaments and Asset Bubbles, Review of Finance, 2016, 20, 1383–1426.
Opacity in Financial Markets, Review of Financial Studies, 2014, 27, 3502–3546.

メッセージ
専門は,金融論・ファイナンスです.主に,金融仲介理論や,情報の経済学のファイナンスへの応用に興味があります.より具体的には,投資ファンド等の機関投資家が金融資産市場でどのような役割を果たし,資産価格や社会厚生にどのような影響を与えるかについて研究しています.

no image

謝 子晋 (しゃ ししん)
助教(有期)

専攻分野:資源経済学、環境経済学

no image

氏名 謝 子晋 (しゃ ししん)

職名 助教(有期)

専攻分野 資源経済学、環境経済学

経歴 2017年:名古屋大学大学院経済学研究科前期博士課程修了
2022年:慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学
【論文】
Xie, Zijin. "Government intervention in wildlife damage management: a bioeconomic analysis of wildlife damage compensation and taxation policies." Journal of Bioeconomics(2021): 1-23.

メッセージ
近年、自然環境の悪化に伴い、生物多様性の減少は温暖化と並ぶ地球環境問題となっています。特に、生物多様性が豊かな発展途上国は、開発と生物多様性保全のジレンマに直面しています。このような背景を踏まえて、生物多様性の保全と利用を通じた持続可能な社会開発は不可欠です。
私は現在、発展途上国における野生生物の保護管理と利用に関わる制度について研究をしています。

朱 玄礫

朱 玄礫 (しゅ げんりき)
助教(有期)

専攻分野:労働経済学、マクロ経済学、経済史

氏名 朱 玄礫 (しゅ げんりき)

職名 助教(有期)

専攻分野 労働経済学、マクロ経済学、経済史

経歴 2013年:Cass Business School 金融学修士課程修了
2015年:London School of Economics and Political Science経済史修士課程修了
2017年:東京大学大学院経済学研究科前期博士課程修了
2022年:東京大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学

メッセージ
労働経済学とマクロレイバー経済学のテーマに関心があります。主要な研究トピックスは、人的資本、労働者スキルとタスク、賃金不平等と賃金構造、技術変革と技術導入、ジョブサーチとマッチング、市場ダイナミックスと企業成長などです。
実証ミクロ的計量手法とマクロモデリングのほか、オンラインデータと機械学習アプローチを使います。または歴史的データにも興味があります。

白井 義昌

★白井 義昌 (しらい よしまさ)
准教授

専攻分野:経済理論、国際経済学

氏名 白井 義昌 (しらい よしまさ)

職名 准教授

専攻分野 経済理論、国際経済学

経歴 1988年:慶應義塾大学経済学部卒業、90年:同大学大学院経済学研究科修士課程修了、91年:同大学経済学部助手、91-95年:ノースウェスタン大学経済学部博士課程に留学(99年:Ph.D.取得)、96年:助教授。
【最近の論文】 “Job Flows and Unemployment in an Equilibrium Unemployment Model with Firm-Specific Skill Training” Hiroaki Miyamoto and Yoshimasa Shirai, *The Japanese Economic Review*, vol. 57, no. 4, pp547-561, 2006./“A New Look at Diamond’s Search Model: Stochastic Business Cycles and Equilibrium Selection in Search Equilibrium” Masanao Aoki and Yoshimasa Shirai, *Macroeconomic Dynamics*, vol.4 no.4, pp487-505. 2000.

白塚 重典

★白塚 重典 (しらつか しげのり)
教授

専攻分野:金融論、マクロ経済学、金融政策分析、物価指数論

氏名 白塚 重典 (しらつか しげのり)

職名 教授

専攻分野 金融論、マクロ経済学、金融政策分析、物価指数論

経歴 1987年3月慶應義塾大学経済学部卒、同年4月日本銀行入行。金融研究所経済ファイナンス研究課長、松山支店長、金沢支店長、企画局審議役、金融研究所長などを歴任。2019年9月より現職。2000年、慶應義塾大学博士(経済学)。主な著書は、『物価の経済分析』(東京大学出版会、1998年)。

メッセージ
わが国は、1990年代初頭の資産価格バブル崩壊後、長期にわたる経済停滞に陥る中、1995年に実質的に名目金利のゼロ金利制約に直面し、長期にわたって非正統的金融政策の運営を余儀なくされてきました。こうした中、日本銀行は、デフレの克服、物価安定の継続的な実現に向けて、新しい金融政策手段の開発とその運用、低金利環境のもとでの政策運営枠組みの再構築など、多くの課題に取り込んできました。こうした中央銀行エコノミストとしての経験を基に、理論と実践の関係を常に意識しながら、金融政策を巡る問題に焦点を当てて研究を進めています。

菅澤 翔之助

菅澤 翔之助 (すがさわ しょうのすけ)
准教授

専攻分野:統計科学・ベイズ統計学・時空間統計学

氏名 菅澤 翔之助 (すがさわ しょうのすけ)

職名 准教授

専攻分野 統計科学・ベイズ統計学・時空間統計学

経歴 2013年慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業、2015年東京大学経済学研究科修士課程修了、2018年同大学同研究科でPh.D.取得、2015年統計数理研究所特任研究員、2018年東京大学空間情報科学研究センター講師、2021年同大学同センター准教授を経て現職。統計科学やその関連分野の国際学術誌に50本を超える論文を発表。主な著書に『標準ベイズ統計学』(朝倉書店、2022年)がある。

メッセージ
【研究内容】
データ収集技術の発展に伴って多種多様なデータが得られるようになりましたが、データから価値のある知見を導き出すために統計科学は必要不可欠なツールです。私の研究は、実際のデータ解析において直面する問題点に着目し、それらを解決する新たな方法論の開発とその理論的妥当性の検証です。特に、ベイズ統計学と呼ばれる枠組みを利用した方法論の開発や、時間情報・位置情報が付随したデータを分析するための統計的な方法論に興味を持って研究を行っております。また、これまでに経済学・医学・公衆衛生・環境学などの分野での応用研究を行ってきました。具体的な研究業績は個人ページのリンクをご覧ください。

【ゼミを希望する学生へ】
私のゼミでは、ベイズ統計学を中心に、統計科学・データサイエンスの技術を幅広く扱います。ベイズ統計学だけでなく、機械学習、時空間統計学、因果推論など、興味のあるテーマに自由に取り組むことができます。ゼミでは、分析手法の理論的側面の理解はもちろんのこと、RやPythonを使って具体的に分析手法を実装・適用することにより力を入れています。統計科学・データサイエンスを深く学びたい方や新しい解析手法や理論についての研究をしてみたい方、様々なデータを用いた応用研究を行ってみたい方の参加を歓迎しています。

壽里 竜

★壽里 竜 (すさと りゅう)
教授

専攻分野:社会思想史

氏名 壽里 竜 (すさと りゅう)

職名 教授

専攻分野 社会思想史

経歴 1995年、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業。97年、慶応義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。2000年、同博士課程単位取得退学(04年、同研究科より博士号取得)。日本学術振興会特別研究員を経て、2003年から関西大学経済学部専任講師、05年から同助教授(06年から准教授)、13年から同教授。2017年より現職。専門は18世紀の啓蒙思想。主著Hume’s Sceptical Enlightenment (Edinburgh University Press, 2015).

メッセージ
私の専門分野・研究している内容は、ときに政治思想や哲学にも及ぶもので、経済学とは関係が薄いように見えるかもしれません。とはいえ、経済学という学問も、資本主義という経済システムも、ともに近代と呼ばれる時代が生み出したものです。私の研究の大きな狙いは、古典と言われる様々な著作の分析を通して、この近代という大きな枠組みを明らかにすることにあります。私の担当するゼミ・講義を通じて、学生には「人文知としての経済学」の奥深さを知ってもらいたいと思っています。

須田 伸一

★須田 伸一 (すだ しんいち)
教授

専攻分野:理論経済学、一般均衡理論、数理経済学

氏名 須田 伸一 (すだ しんいち)

職名 教授

専攻分野 理論経済学、一般均衡理論、数理経済学

経歴 1961年生まれ。1984年:慶應義塾大学経済学部卒業、1986年:同大学院経済学研究科修士課程終了、1987年:経済学部助手、1988年~92年:米国ペンシルヴェニア大学留学、Ph.D.取得、1993年:助教授、2000年:教授。一般均衡理論の数理的側面が主要研究分野。著書に「内生的景気循環理論と金融政策」など。

メッセージ
【在学生へのメッセージ】
3、4年生になって自分の研究を効率よく進めるためには、1、2年生で基礎的事項をしっかりと身に付けておくことが必要です。大学時代の4年間は意外と短いものですから、一日一日を無駄にしないで、充実した学生生活を送るよう心がけてください。

千賀 達朗

★千賀 達朗 (せんが たつろう)
准教授

専攻分野:企業行動・マクロ経済学

千賀 達朗

氏名 千賀 達朗 (せんが たつろう)

職名 准教授

専攻分野 企業行動・マクロ経済学

経歴 学歴:
2006年:慶應義塾大学経済学部卒業
2015年:オハイオ州立大学Ph.D. (経済学)
職歴:
2006年:日本銀行
2015年:ロンドン大学クイーン・メアリー経済学部
2020年:慶應義塾大学経済学部(現職)

メッセージ
マクロ経済の短期的な変動および中長期的なパフォーマンスを研究テーマにしています。特に、企業部門において資源の効率配分が損なわれるメカニズムについて、資金調達環境や不確実性などを研究対象としたプロジェクトを進めています。

日吉キャンパス

迫 桂

迫 桂 (さこ かつら)
教授

専攻分野:英語英米文学(20世紀後半以降のイギリス小説)

氏名 迫 桂 (さこ かつら)

職名 教授

専攻分野 英語英米文学(20世紀後半以降のイギリス小説)

経歴 学習院大学卒(英米文学科); 1999-2000年オックスフォード大学マートン・カレッジ研究生; 修士号(イギリス文学・学習院大学, 2002年); PhD (英語比較文学・ウォリック大学, 2007年); 2008年東京大学大学院人文社会系研究科英語英米文学専門博士課程単位取得退学, 2009年より現職。戦後イギリス小説が主な研究分野。

メッセージ
国際的で多角的な視野をもって、将来への選択肢と可能性を思い切り探求してください。時には大学で学ぶことが、自分の興味や実社会と強く関係していないように思われるかもしれません。しかし、専攻や科目に関わらず重要なのは、批判的、論理的に考える力を養うことだと思います。例えば、私が専門とする文学研究は「本をたくさん読むばかり」の学問と思われがちです。しかし、文学は、文化社会だけでなく政治経済とも密接に働きあっていて、国際関係や社会構造、普段意識しない先入観や既成概念について考える機会と材料をたくさん与えてくれます。私が担当する英語セミナーでも、芸術作品や文化現象を扱いつつ、考える力や表現力を強化することを目指しています。そして、学生一人ひとりが積極的に参加し、お互いから学びあう環境を提供できるよう願っています。

佐々木 由美

佐々木 由美 (ささき ゆみ)
教授

専攻分野:コミュニケーション学(対人・異文化コミュニケーション)

氏名 佐々木 由美 (ささき ゆみ)

職名 教授

専攻分野 コミュニケーション学(対人・異文化コミュニケーション)

経歴 1991年:ハワイ大学コミュニケーション学研究科コミュニケーション学修士号取得、2003年:お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人文科学博士号取得、1997年~2000年:立教大学ランゲージセンター講師、2000年~:慶應義塾大学経済学部専任講師。主要論文『異文化間コミュニケーションにおける相互作用管理方略-文化スキーマ分析的アプローチ-』風間書房他。

メッセージ
人のコミュニケーション、特に、他文化圏出身の人々の間で起こるコミュニケーションに潜む問題に関心があり、近年は、異文化間の会話研究に取り組んできました。今後、多様な文化圏の人々との生活が日常的になっていく時代において、自文化について意識的に考え、他文化にも目を向け、理解を深めることがますます重要になってくると考えます。「国際化時代」といわれますが、そうした時代に生きる中で、自分は何ができるかについて、じっくり考えてみてください。

佐藤 正樹

佐藤 正樹 (さとう まさき)
専任講師

専攻分野:スペイン植民地期の南米アンデス史

氏名 佐藤 正樹 (さとう まさき)

職名 専任講師

専攻分野 スペイン植民地期の南米アンデス史

経歴 東京大学文学部歴史文化学科卒業。2008年同大大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了。2014年同博士課程満期退学。

メッセージ
(主に学生の)皆さんはじめまして。研究者としての私の専門は17世紀を中心とする南米アンデスの歴史ですが、皆さんの前にはスペイン語教員として立っていることが殆どであろうと思います。スペイン語に限った話ではありませんが、外国語を学ぶことの意義はその言語圏の文化に触れるだけでなく、その言語を用いて生きてきた・生きている人々のことを幾らかでも想像出来るようになることにあると私は考えます。それは、皆さんの物の見方や考え方を相対化することにも繋がるのではないか、とも、自分とスペイン語の関わりを振り返りながら思います。
 こういった大仰な意義を掲げなくとも、話者人口4億を超えるスペイン語圏は多様で興味深い文化に満ちています。単なる語学の教授にとどまらぬよう、研究がてら訪れるスペイン・ラテンアメリカの各地の様子を織り交ぜながら、皆さんの関心と好奇心を刺激できるような授業を心がけたいと思っています。教室で一緒になった際はどうぞよろしく。

七字 眞明

七字 眞明 (しちじ まさあき)
教授

専攻分野:近・現代ドイツ文学、ドイツ美術史

氏名 七字 眞明 (しちじ まさあき)

職名 教授

専攻分野 近・現代ドイツ文学、ドイツ美術史

経歴 1982年:慶應義塾大学文学部卒業。1985年:DAADドイツ学術交流会給費奨学生としてケルン大学留学(88年帰国)。1989年:慶應義塾大学大学院文学研究科独文学専攻博士課程単位取得退学。1991年:慶應義塾大学経済学部助手。1994年:同助教授。1996年~1998年:慶應義塾福澤基金によりケルン大学留学。2002年より現職。

メッセージ
他人の考え方をそのまま受け入れるのではなく、まずはこれを疑ってかかり自分で検討しなおしてみる、という意味での「批判」精神を身に付けていただきたく思っています。

志村 明彦

志村 明彦 (しむら あきひこ)
准教授

専攻分野:学校英語教育におけるカリキュラムの開発・維持・評価

氏名 志村 明彦 (しむら あきひこ)

職名 准教授

専攻分野 学校英語教育におけるカリキュラムの開発・維持・評価

経歴 ハワイ大学大学院を修了後、慶應義塾大学において主に経済学部の英語関連科目と、同教職課程および通信教育部で英語科教育法・英語学等を担当し、現在に至る。ここ数年は慶應義塾外国語教育研究センターの研究プロジェクトで、慶應における小中高大一貫英語教育のカリキュラム開発研究を続けている一方、個人的には日々の教育実践向上のためのアクションリサーチを行っている。また、学外では地域の教育委員会において小学校課程の英語教育に携わっている。

メッセージ
個人的なアクションリサーチとして、動機付け、特に教師が学習者の動機付けについて積極的に関わる際に使えるmotivational strategiesの研究と実践を行っています。その中には英語科に特化したstrategiesもありますが、他教科や教育分野以外でも使えると思われるものもあります。興味のある方(特に、現職の教員・教職志望の学部学生・大学院生)と共同でアクションリサーチをしてみたいと思っています。

no image

鈴木 亮子 (すずき りょうこ)
教授

専攻分野:語用論(歴史語用論)、談話分析、機能言語学、社会言語学

氏名 鈴木 亮子 (すずき りょうこ)

職名 教授

専攻分野 語用論(歴史語用論)、談話分析、機能言語学、社会言語学

経歴 日本女子大学大学院、University of Southern Californiaにて修士号、University of California, Santa Barbaraにて博士号(言語学)取得。シンガポール国立大学ティーチングフェロー(1995-97)。98年より現職。英語セミナー、英語スタディスキルズ、言語学I,IIなどを担当。日本語の名詞や接続助詞の終助詞化、会話における「従属節」や語順の文法化などを研究し国際語用論学会などで発表している。

メッセージ
どんなにネット社会が発展しても、結局のところ、他人と直接に関わって意思疎通を図ることが、人として生まれた時の出発点であり、私たちの日々の活力の源であり、日常レベルから地球規模までの様々なレベルの危機を救う最後の手段でもあることに変わりはありません。皆さんが、キャンパス内外での出会いから一生を通じての宝を育てて行けるよう願っています。

ソウ、クリストファー

ソウ、クリストファー (ソウ、クリストファー)
専任講師

専攻分野:ジェンダー論、男性学、社会学、日本研究

ソウ、クリストファー

氏名 ソウ、クリストファー (ソウ、クリストファー)

職名 専任講師

専攻分野 ジェンダー論、男性学、社会学、日本研究

経歴 ニュージーランドのVictoria University of Wellingtonフランス文学・社会学専攻卒業。2016年: ケンブリッジ大学政治国際関係学部修士課程修了、2021年: ケンブリッジ大学アジア中東学部博士号取得。2021-2022年: ケンブリッジ大学アジア中東学部Newton Trust/Japan and the World Postdoctoral Research Associate(研究員)。2023年より現職。

メッセージ
専門はジェンダー論です。定性的な社会学の観点から、現代社会において「女性」や「男性」といった社会的に作り出されている役割がどのように人々の生活、行動、考え方に影響を及ぼしているのかを研究しています。特に、日本の企業文化におけるジェンダー関係、またジェンダーと身体との関係に関心を持っています。

ソッティーレ, マルコ

ソッティーレ, マルコ (ソッティーレ マルコ)
准教授

専攻分野:社会学(移民研究)、歴史学(植民地教育研究)、言語学(フランス語教授法)

ソッティーレ, マルコ

氏名 ソッティーレ, マルコ (ソッティーレ マルコ)

職名 准教授

専攻分野 社会学(移民研究)、歴史学(植民地教育研究)、言語学(フランス語教授法)

経歴 [略歴] 2002年:第三リール大学日本語学科修士課程修了、2007年:名古屋市立大学大学院人間文化研究科多文化共生研究修士課程修了、2013年:ル・マン大学フランス語教授法資格(DUFLE)取得、2014年:名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育人類学研究博士課程単位取得満期退学、2010年4月より椙山女学園大学国際コミュニケーション学部専任准教授を経て、2022年4月より現職。
[代表的な研究業績]
・「日本の公立小学校における日系南米人児童の統合をめぐって―ソシオメトリック・テストによる類型化の試み」、村井忠政編『トランスナショナル・アイデンティティと多文化共生』明石書店、2007年、245-262頁
・« Exploitation des sous-titres de film en classe de FLE. Sous-titrage d’un extrait du film, La Haine, de Mathieu Kassovitz », Revue japonaise de didactique du français, Vol. 6, No 1, pp.7-22
・「フランスにおける『統合モデル』(1)―共和国の誕生とダブルスタンダ―ドの普遍主義による『国民』/『市民』」、『椙山女学園大学研究論集』」、第48号、2017年、39-55頁
・「仏領アルジェリアにおける『原住民教育』の創設: 19世紀後半の体制移行期にみるサン=シモン主義の影響に着目して」、『フランス教育学会紀要』、第30号、2018年、53-68頁
・「仏領アルジェリアにおける先住ムスリム女子に対する植民地教育 : 「慎重な問題」の歴史的変貌」、『フランス教育学会紀要』、第31号、2019年、25-36頁
・「戦間期(1918年〜1939年)の仏領アルジェリアにおけるムスリム女性解放に関する言説―原住民教員組合の機関紙分析から―」、長沢栄治、服部美奈、小林寧子編『イスラーム・ジェンダー・スタディーズ―教育とエンパワーメント』明石書店、2020年、52-73頁
・「19世紀末仏領アルジェリアにおけるライックな道徳 : 「原住民教育」におけるイスラム・道徳教育・市民権の関係に着目して」、『フランス教育学会紀要』、第33号、2021年、51-64頁

メッセージ
なぜ外国語を学ぶべきか?この問いに私は、フランス人の民俗学者、ジェルメーヌ・ティヨン(Germaine Tillon, 1907-2008)の言葉を借りて、次のように答えます。それは、「日常の経験から、誰しも、人は泡の中で生まれ、成長していくことを学んでいく。それは小さな球形の宇宙であり、胚芽であるが、私たちはみなその殻を破ることは決してなかった。対話によって、私たちは超越と拡大を企てるが、それぞれの文化、言語、祖国、宗教に代表される、閉ざされた美しい庭を超えない限り、拡大も超越も、他の宇宙の壁を越えることはできない(1)」からです。つまり、将来グローバルな舞台で活躍するチャンスをもつみなさんに、外国語を学ぶことで自分の「美しい庭」を飛び出し、他の文化と対話をすることをおすすめします。
そして、外国語の中でも、ヨーロッパ、アフリカ、アジア及び北アメリカの国々が形成したフランコフォニー国際機関の他に、国連や国際オリンピック委員会等の様々な国際機関において、フランス語は重要な役割を果たしています。世界各地で話されているフランス語は、政治・経済の分野において将来必ず役に立ちます。したがって、フランス語の授業を受けるだけではなく、学生交換留学プログラム等へ参加し、生きたフランス語に触れることも強くもおすすめします。
(1) 『イトコたちの共和国』(宮治美江子訳)、みすず書房、2012、pp.10-11。

た行

三田キャンパス

武山 政直

★武山 政直 (たけやま まさなお)
教授

専攻分野:経済地理、消費者行動分析、都市メディア論

氏名 武山 政直 (たけやま まさなお)

職名 教授

専攻分野 経済地理、消費者行動分析、都市メディア論

経歴 1988年:慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科進学。1992~94年:カリフォルニア大学大学院地理学研究室に留学して学位(Ph.D.)を取得。1994年より慶應義塾大学環境情報学部助手に着任し、1997年から武蔵工業大学環境情報学部講師、2001年より同助教授として勤務。2003年より慶應義塾大学経済学部助教授に就任し、2008年より同教授として現在に至る。

メッセージ
近年は、消費者行動の分析に基づいて新たなメディアやサービスを生み出すデザイン指向の研究に取り組んでいます。

連絡先:takeyama[at]econ.keio.ac.jp

田中 幹大

★田中 幹大 (たなか みきひろ)
教授

専攻分野:中小企業論、現代日本経済史・経営史

田中 幹大

氏名 田中 幹大 (たなか みきひろ)

職名 教授

専攻分野 中小企業論、現代日本経済史・経営史

経歴 立命館大学経済学部卒業、大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(商学)。小樽商科大学商学部准教授、摂南大学経済学部准教授、立命館大学経営学部准教授、教授を経て現職。研究業績に『中国の日系企業』(共著、慶應義塾大学出版会)、『資本主義の現在』(共著、文理閣)、『中小企業・ベンチャー企業論』(共著、有斐閣)など。

メッセージ
私の行っている研究では中小企業の工場を観察、調査したり、経営者にインタビューをすることが多いです。これだけ日本経済をはじめ企業のグローバルな活動についてインターネット上に情報が溢れている現代社会にあっても、実際のものづくりや中小企業の製造「現場」に行って自分の目で見て感じ、耳で聞かないと得ることのできない多くの情報があります。また「現場」に行くことで物事の真偽がわかり、現実を正しく知ることができることもあります。「現場」に行く、そのフィールドで話を聞くことが経済を知り実態をつかむ強み、社会をきりひらく強みになると考えます。

玉田 康成

★玉田 康成 (たまだ やすなり)
教授

専攻分野:契約理論・産業組織論・ミクロ経済学

氏名 玉田 康成 (たまだ やすなり)

職名 教授

専攻分野 契約理論・産業組織論・ミクロ経済学

経歴 【経歴】 1992年:慶應義塾大学経済学部卒業。 2002年:University of Wisconsin-MadisonにてPh.D.(Economics)取得。2002年より慶應義塾大学経済学部准教授。
【主要業績】 “Optimal Organization in a Sequential Investment Problem with the Principal’s Cancellation Option”,(2007), International Journal of Industrial Organization, 25。“Direct and Indirect Connection, the Shapley Value,and Network Formation”,(2005), Advances in Mathematical Economics, 8。

メッセージ
【研究紹介】
現実の経済において、経済主体のインセンティブは、市場だけではなく、制度・システムなど様々な側面より影響を受けます。異なる制度・システムは異なるインセンティブを与えるという観点から制度・システムを理論的に分析評価すること、および、与えられた制度・システムの下での経済主体の戦略的行動とその帰結を理論的に分析することが研究領域です。最近は、経済主体の評判形成インセンティブの源泉と、それを競争や制度・システムによっていかに制御するかに関心があります。

【学生へのメッセージ】
経済学の学習を通じて、その思考方法、現実経済を客観的に判断する能力を十分に培ってください。経済理論は現実を眺める「視点」として優れた頑健性を有しており、人や社会とのかかわり方である教養・専門的知識として学ぶに値するものです。経済学を「視点」として確立するためには、経済学部で何を学習するかという選択に際し、熟考と真摯な態度が必要となるでしょう。

崔 在東

★崔 在東 (チェ ゼドン)
教授

専攻分野:近代社会経済史、ロシア経済史

氏名 崔 在東 (チェ ゼドン)

職名 教授

専攻分野 近代社会経済史、ロシア経済史

経歴 1964年韓国ソウル生まれ。1988年にソウル大学経済学部を卒業。 1997年東京大学大学院経済学研究科文部教官助手。 2005年から慶應義塾大学経済学部准教授。
最終取得学位:博士(経済学)、東京大学、2003年 /受賞学術賞: 政治経済学・経済史学会賞(2006年) /研究業績:『近代ロシア農村の社会経済史』日本経済評論社、2007年、その他多数

メッセージ
個人の自由、社会の多様性、共生と共存、「愛」

津曲 正俊

★津曲 正俊 (つまがり まさとし)
教授

専攻分野:経済理論、契約理論

氏名 津曲 正俊 (つまがり まさとし)

職名 教授

専攻分野 経済理論、契約理論

経歴 【経歴】 1992年:慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了、1999年:ボストン大学大学院経済学研究科博士課程修了、2000年:慶應義塾大学経済学部助教授
【主要業績】 “The Organization of Supplier Networks: Effects of Delegation and Intermediation” Econometrica, (2004), (with Dilip Mookherjee)

メッセージ
私は理論経済学の分野で研究・教育活動を行っております。特に経済活動の基盤である制度や組織に注目し、「契約理論」と呼ばれる道具を用いて分析することを研究テーマとしております。

寺井 公子

★寺井 公子 (てらい きみこ)
教授

専攻分野:公共経済学、政治経済学

氏名 寺井 公子 (てらい きみこ)

職名 教授

専攻分野 公共経済学、政治経済学

経歴 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。法政大学経営学部准教授、同教授を経て現職。論文に”Interregional Disparities in Productivity and the Choice of Fiscal Regime” Journal of Public Economic Theory (2009), “Electoral Control over Policy-motivated Candidates and Their Policy Biases” Economics of Governance (2009)など。

メッセージ
変化する経済・社会を理解する枠組みを、経済学は与えてくれます。特に、私が専門とする公共経済学、政治経済学は、政策の目的と効果を見抜く視点を提示します。最近は、地方分権制度分析の応用として、各国・各地域による環境政策と協力的解決の可能性、財政赤字の拡大の政治的要因と望ましい制度改革のありかたに関心を持って、研究を進めています。

土居 丈朗

★土居 丈朗 (どい たけろう)
教授

専攻分野:財政学、公共経済学、公共選択論

氏名 土居 丈朗 (どい たけろう)

職名 教授

専攻分野 財政学、公共経済学、公共選択論

経歴 1970年奈良県生まれ。阪大卒、東大経済学博士。東大社会科学研究所助手、慶大経済学部専任講師、カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員、財務省財務総合政策研究所主任研究官を経て、現職。政府税制調査会、財政制度等審議会、産業構造審議会等の委員を務める。著書は『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞受賞)、『財政学から見た日本経済』光文社新書等多数。

メッセージ
経済政策の意思決定について、政治的な影響をも考慮して政策の経済的効果をとらえ、理論的・実証的に分析しています。この分析から、今日先進諸国で問題となっている財政赤字の累増、財政再建の進め方や政治過程の改革について、政治的な実現可能性も考慮した政策的含意を経済学的に提示したいと考えています。特に最近では、わが国において財政政策の有効性や財政赤字の規模と政治過程(選挙制度や官僚機構)の関係が問われているため、これらに焦点を当てた研究の必要性を感じ、これらを対象とした研究に取り組んでいます。

no image

鳥谷部 智規 (とやべ ともき)
助教(有期)

専攻分野:計量経済学・ベイズ統計学・ファイナンス

no image

氏名 鳥谷部 智規 (とやべ ともき)

職名 助教(有期)

専攻分野 計量経済学・ベイズ統計学・ファイナンス

経歴 経歴
2019年:慶應義塾大学大学院経済学研究科前期博士課程修了
2023年:慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学
2020年-2022年:慶應義塾大学環境情報学部講師(非常勤)
業績
Toyabe, T., & Nakatsuma, T. (2022). Stochastic Conditional Duration Model with Intraday Seasonality and Limit Order Book Information. Journal of Risk and Financial Management, 15(10), 470.

メッセージ
ベイズ統計学を専門としています。応用分野としては、金融市場における取引単位の振る舞いを説明するマーケットマイクロストラクチャーや、一般に正例負例でラベルが与えられる二値分類において正例のみの情報から学習を行うPU(Positive-Unlabeled)分類を研究テーマとしています。

日吉キャンパス

no image

田野 千春 (たの ちはる)
助教

専攻分野:化学(有機化学)

no image

氏名 田野 千春 (たの ちはる)

職名 助教

専攻分野 化学(有機化学)

経歴 2006年東京理科大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了、2009年北海道大学大学院環境科学院環境物質科学専攻博士後期課程修了(環境科学博士)

メッセージ
テスト前に必死に覚えた『すいへーりーべー』 まだ唱えられますか?
化学が好きで高校で選択した学生はもちろん、化学式や反応式に苦手意識がある学生にこそ実験を通して化学の面白さを体験して欲しいと思います。

no image

千田 大介 (ちだ だいすけ)
教授

専攻分野:中国通俗文芸・漢字文献情報処理

氏名 千田 大介 (ちだ だいすけ)

職名 教授

専攻分野 中国通俗文芸・漢字文献情報処理

経歴 1991年:早稲田大学第一文学部卒業、1995年:早稲田大学大学院中国文学専攻修士課程修了、1999年:早稲田大学大学院中国文学専攻博士後期課程修了、2000年:慶應義塾大学経済学部専任講師着任、2003年:同助教授(准教授)昇格

メッセージ
中国の明清通俗小説や戯曲、現代の伝統芸能、さらには1990年以降のネットメディアとサブカルチャーなどについて研究している。日本の中国研究はしばしば「中国無き中国学」と揶揄されるが、そのような旧弊に陥ることのないよう、中国社会・文化のリアルな感覚を重視して研究を進めている。授業でも、そういった調査・研究の一端を折に触れて紹介しているので、大いに中国理解を深めていただきたい。

津田 眞弓

津田 眞弓 (つだ まゆみ)
教授

専攻分野:日本古典文学(主として江戸小説)

氏名 津田 眞弓 (つだ まゆみ)

職名 教授

専攻分野 日本古典文学(主として江戸小説)

経歴 社会人を経て、2001年日本女子大学大学院文学研究科(日本文学専攻)博士課程後期修了。文学博士。日本女子大学・学習院大学などの非常勤講師、国文学研究資料館機関研究員を経て2008年より現職。著書に『山東京山年譜稿』(2004、ぺりかん社)、『江戸絵本の匠 山東京山』(2005、新典社)など。論文に「世話物語への挑戦――十九世紀草双紙の文体」(2007.11/12、文学)など。

メッセージ
国際的視野をもって活躍する人になってください。日本文化や日本らしさを御自分の言葉で説明できるように、授業を通じて材料をたくさん提供できたらと願ってます。

デーゲン, ラルフ

デーゲン, ラルフ (デーゲン ラルフ)
准教授

専攻分野:外国語教育学(ドイツ語教授法)、翻訳

氏名 デーゲン, ラルフ (デーゲン ラルフ)

職名 准教授

専攻分野 外国語教育学(ドイツ語教授法)、翻訳

経歴 フランクフルト(ドイツ)生まれ。1998年:フランクフルト大学東ヨーロッパ及びヨーロッパ外言語文化学部日本学科修士課程卒業(専攻:日本文学、哲学、ドイツ文学)。1999年:香川大学経済学部地域社会システム学科外国人教師。2004年:金城学院大学(名古屋)文学部言語文化学科外国人教師。2007年:一橋大学大学教育研究開発センター特任准教授。2018年:慶應義塾大学経済学部准教授。

メッセージ
カール大帝は「他の言語を話すということは、もうひとつの魂を得ることだ」と言ったそうです。確かにもう一つの言語を身につけるということは、その言語のできる人々とコミュニケーションが取れるようになる、あるいはその言語圏の文学、映画、マスコミなどを受容するということだけではありません。異なる文化、表現やコミュニケーション様式、考え方を能動的に体験することなのです。全ての人間は育った文化の中で気がつかないうちに条件付けされています。しかし異文化に出会うことによって自分の文化的条件付けに気づき顧みることができます。こんな風に視野を広げていくのは面白いことです。最初は語学学習にはかなりの努力が必要ですが、勉強のコツを掴み、好奇心を持ち続ければ何とかなると思います。レベルが上がれば上がるほど面白くなります。そして日本で一、二年勉強してから留学することをお勧めします。ドイツはヨーロッパのど真ん中にあるので、ヨーロッパを探検するにはなかなか便利で快適なところです。とにかく積極的かつ協力的態度で授業に臨み、しっかりとドイツ語を勉強しましょう。

戸瀬 信之

戸瀬 信之 (とせ のぶゆき)
教授

専攻分野:数学(代数解析、微分方程式、多変数函数論)

氏名 戸瀬 信之 (とせ のぶゆき)

職名 教授

専攻分野 数学(代数解析、微分方程式、多変数函数論)

経歴 1959年:富山県高岡市に生まれ、1978年:富山県立高岡高校卒業、1983年:東京大学理学部数学科卒業、1985年:同大学院理学系研究科数学専攻修士修了、1985年10月:愛媛大学理学部助手、1987年4月:東京大学理学部助手、1990年10月:北海道大学理学部専任講師、1991年10月:同助教授、1993年4月:慶應義塾大学経済学部助教授、1998年4月:同教授、2000年4月-12月:京都大学数理解析研究所客員教授、2004年4月-2005年3月:京都大学経済研究所客員教授、2004年度、2005年度社団法人日本数学会理事、2005年度日本数学会出版賞を受賞、2007年度・2008年度公認会計士試験委員(統計学)

メッセージ
数学の研究に加えて、日本の教育システムに関する様々な考察、提言を行ってきました。2005年度の日本数学会出版賞は、京都大学経済研究所所長の西村和雄先生と一緒に出版した「分数ができない大学生」に対するものでした。そのほかには、ネットワーク上で数学のデジタルライブラリーを構築する日本国内のプロジェクトや、SplusやRという統計言語の普及、経済学部で金融工学を学生に広めることなどにもエネルギーを注いできました。

な行

三田キャンパス

直井 道生

★直井 道生 (なおい みちお)
教授

専攻分野:都市経済学・応用計量経済学

氏名 直井 道生 (なおい みちお)

職名 教授

専攻分野 都市経済学・応用計量経済学

経歴 2001年: 慶應義塾大学経済学部卒業,2008年: 博士(経済学,慶應義塾大学)
2003年: 慶應義塾大学経済学部研究助手,2006年: 大学院商学研究科特別研究講師(有期),2008年:経済学部特別研究講師(有期),2010年: 東京海洋大学海洋工学部助教,2013年~: 現職
最近の研究活動については、http://2001.jukuin.keio.ac.jp/naoiを参照してください。

メッセージ
都市経済学および応用計量経済学についての研究をしています。最近の研究・教育活動については、ホームページ (http://2001.jukuin.keio.ac.jp/naoi) を参照してください

長倉 大輔

★長倉 大輔 (ながくら だいすけ)
教授

専攻分野:計量経済学、時系列分析、フィナンシャルエコノメトリックス

氏名 長倉 大輔 (ながくら だいすけ)

職名 教授

専攻分野 計量経済学、時系列分析、フィナンシャルエコノメトリックス

経歴 1999年横浜国立大学経済学部卒業、2001年同大学大学院にて博士前期課程修了。 2007年University of Washington シアトル校にて経済学Ph.D. 取得。 日本銀行金融研究所、早稲田大学大学院ファイナンス研究科を経て、 2011年より現職

メッセージ
[研究テーマ]
私は計量経済学、特に時系列分析を専門としています。 また時系列分析でも特に経済学やファイナンスにおけるデータの分析方法を研究しています。

[学生のみなさんへのメッセージ]
学生のみなさんには勉強とは人に教えてもらうものではなく、 自分でするものだという事を強く意識してほしいと思います。 そのために大学のリソース(先生や図書館など)をどんどん活用してください。 学びたいものを自由に学べる4年間は貴重です。 大学での4年間を実り多きものにするように是非頑張ってください。

中嶋 亮

★中嶋 亮 (なかじま りょう)
教授

専攻分野:応用計量経済学・産業組織論・労働経済学

氏名 中嶋 亮 (なかじま りょう)

職名 教授

専攻分野 応用計量経済学・産業組織論・労働経済学

経歴 1972年生まれ.千葉県出身.1994年京都大学農学部農林経済学科卒業.2004年ニューヨーク大学経済学部博士課程終了 (Ph.D. in Economics).大阪大学社会経済研究所特任研究員,Duke University Research Scientist,筑波大学専任講師,横浜国立大学准教授を経て,2012年10月より現職.

メッセージ
専門は応用計量経済学です.社会的相互作用の実証分析を研究テーマとして,人々が市場を超えたチャンネルで互いに影響しあうメカニズムと,その相互作用から発生する外部経済性をデータで検証することを行っています.具体的には,①ピア効果と呼ばれる社会的感染の実証分析(喫煙・非行行為・良い成績などは「感染」するのか?)②知識のスピルオーバーに関する実証分析(イノベーションのアイディアはどのぐらいの距離を・どのぐらいのスピードで・どのように拡散するのか?創造的な発明を生みだす才能が同じ時代と同じ地域に集中する傾向にあるのは何故か?)③人的ネットワーク形成が生産性に及ぼす効果の実証分析(指導教員の選択は学生の将来のパフォーマンスや給与にどのように影響するか?クリエイティブな同僚と一緒に働けば,自分もクリエイティブになるか?)などを研究テーマとしています.これらの研究では,人々の選択行動をミクロ経済理論に照らしてモデル化し,それを詳細な個票データを使って推定し,検証するというミクロ計量経済分析の手法を使っています.特に大規模テキストデータ処理による「ビッグデータ」の解析とコンピュータシミュレーションなどを使った計算機集約的な統計分析を得意としています.

中妻 照雄

★中妻 照雄 (なかつま てるお)
教授

専攻分野:ベイズ統計学に基づくデータ分析と意思決定

氏名 中妻 照雄 (なかつま てるお)

職名 教授

専攻分野 ベイズ統計学に基づくデータ分析と意思決定

経歴 【学位】 Ph.D. (Economics, Rutgers University, 1998)
【主な刊行論文・著書】 『入門ベイズ統計学』,朝倉書店,2007/「経済成長の収束仮説:隠れマルコフ・モデルによる検証」,和合肇 編/『ベイズ計量経済分析ーマルコフ連鎖モンテカルロ法とその応用』,東洋経済新報社,2005/“A new control variate estimator for an Asian option,” *Asia-Pacific Financial Markets*, 2004, Vol. 11, No. 2, 143-160. (with Kenji Kamizono, Takeaki Kariya, and Regina Y. Liu)/“Exact inference using variable integrating constant importance distributions,” *Computational Economics*, 2004, Vol. 23, No. 1, 45-70 (with Charles J. Romeo)/“Ratio tests of a unit root,” *Communications in Statistics: Theory and Methods*, 2000, Vol. 29, No. 11, 2547-71. (with Elena Gouskova, Jinichi Uemura, and Hiroki Tsurumi)/“Bayesian analysis of ARMA-GARCH models: A Markov chain sampling approach,” *Journal of Econometrics*, 2000, Vol. 95, No. 1, 57-69

メッセージ
私の研究しているベイズ統計学は、皆さんが習ったことがある統計学(古典的統計学)とかなり異なる方法でデータの分析を行います。ベイズ統計学では未知の変量(例えば母集団の平均など)は値に関する不確実性を反映した分布をもつ確率変数として扱われます。そして、この分布に観測されたデータの情報を反映させて未知の変量に関する推測を行うことを目指します。このデータ情報の反映に使われるのがベイズの定理で、そこから「ベイズ統計学」の名称がついています。ベイズ統計学は
1. データ以外の情報(個人の主観、専門家の意見など)も活用できる
2. 不確実性の下での意思決定に使いやすい
という特徴を持っており、多くの分野でさかんに活用され出しています。

no image

★中西 聡 (なかにし さとる)
教授

専攻分野:日本社会経済史

氏名 中西 聡 (なかにし さとる)

職名 教授

専攻分野 日本社会経済史

経歴 1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、東京大学社会科学研究所助手、北海道大学経済学部助教授、名古屋大学大学院経済学研究科教授などを経て、2013年10月より現職。博士(経済学)。
主著:『日本経済の歴史』(編著、名古屋大学出版会、2013年)、『海の富豪の資本主義』(単著、名古屋大学出版会、2009年)、『近世・近代日本の市場構造』(単著、東京大学出版会、1998年)他

メッセージ
18世紀から現代までの日本経済を、市場構造・商家経営・交通体系・資産運用・消費生活などの多様な側面から研究し、それらの研究を通して、「人間の歴史」を解明することを目標としています。その場合、人間は社会的存在であるとの位置付けから、多様な経済活動の成果の交換関係(贈与・貢納・市場取引・分配など)の視点を重視し、新たな経済人類史学の構築を目指しています。
教育面では、学生にさまざまな事象を歴史的視点から考察できる力を身に付けさせることを目標にしています。その上で、時流に乗るのではなく、自らの力で得た知見を基に歴史観を育んでもらえると嬉しく思います。そして責任感・自立心・生活力を兼ね備えた大人に成長してくれることを期待します。

難波 ちづる

★難波 ちづる (なんば ちづる)
教授

専攻分野:フランス帝国史・植民地史

氏名 難波 ちづる (なんば ちづる)

職名 教授

専攻分野 フランス帝国史・植民地史

経歴 慶應義塾大学経済学部、大学院経済学研究科を経て、フランス・リヨン第二大学で博士号取得 (Docteur en histoire)。フランスのインドシナ植民地支配を研究し、植民地支配という現象を、宗主国・植民地双方の視点から、人の移動、労働、環境といった幅広い側面において分析することを試みています。

メッセージ
「今、ここ」を生きている私たちですが、「かつて、どこか」で起きた社会現象を紐解くことは、私たちに思いもかけぬ気づきを与えてくれます。過去の様々な事象を史料やデータからよみとき、それらを関連付け、それに意味を付与することは、想像力と論理力を必要とするとても刺激的な作業です。ここの学部には、多くの歴史関連の講義が提供されています。ぜひ、これらの講義を受けて、ひとつの出来事を、空間的・時間的な軸におきなおして、多面的かつ批判的にとらえる力を獲得してほしいと思っています。

日吉キャンパス

中川 真知子

中川 真知子 (なかがわ まちこ)
准教授

専攻分野:20世紀フランス文学・思想

氏名 中川 真知子 (なかがわ まちこ)

職名 准教授

専攻分野 20世紀フランス文学・思想

経歴 慶應義塾大学文学部(仏文学専攻)卒業、同大学院修士課程(仏文学専攻)修了、パリ第三大学博士課程修了、博士号取得(2014、フランス文学・文明)。2013年より慶應義塾大学文学部で、くわえて2015年より同大学経済学部および文化学園大学で非常勤講師を務め、2016年4月より現職。論文に La stratégie langagière de la fiction dans l’œuvre de Georges Bataille. Entre genèse et établissement du texte(学位論文、パリ第三大学、2014)、« “La seconde méthode” : la construction de la fiction dans La Maison brûlée, un scénario inachevé de Georges Bataille » (『フランス語フランス文学研究』106号、日本フランス語フランス文学会、2015、89頁-106頁)などがある。

メッセージ
生きることと語ることとの関係について研究してきました。新しい言語を学ぶと、見慣れない文字、聞き慣れない音に触れたそのときから、外にも内にも未知の世界が開かれるのではないでしょうか。フランス語を学ぶみなさんが、いつもと違う風景をみること、その助けになりたいと思いながら日々授業をしています。

中野 泰志

中野 泰志 (なかの やすし)
教授

専攻分野:実験心理学、特別支援教育、ヒューマンインタフェース

氏名 中野 泰志 (なかの やすし)

職名 教授

専攻分野 実験心理学、特別支援教育、ヒューマンインタフェース

経歴 大学院では、実験心理学の手法で人間の知覚に関する基礎研究を実施。その後、国立特別支援教育総合研究所において障害者の視機能評価や支援技術に関する研究、東京大学先端科学技術研究センターにおいてヒューマンインタフェースや福祉のまちづくりに関する実践的研究等を実施。現在は、バリアフリー・サイエンスの樹立を目指して研究・活動を展開中。

メッセージ
どんな人も老化して、心身の機能が低下するわけですから、バリアフリーの問題は、人間全般にかかわる大きな問題であると言えます。私の研究活動の目的は、21世紀社会において、者・高齢者を含むすべての国民・ユーザが安心して、安全で快適な生活を送ることができるように、先端的科学技術を有効に応用していく方法を探り、未来の総合的バリアフリー社会空の構築を目指すことにあります。私は「障害のある人や高齢者にとって最も重要なのは、生活上の機能を充足させることである」という観点から研究・実践を進めています。近年、バリアフーやユニバーサルデザインが注目されていますが、ユーザである障害者・高齢者の生活の視点は十分でなく、ニーズとシーズの乖離が見られる場合もあります。これらの乖離を解消するためには、(1)多様な障害当事者のニーズを把握し、(2)抽出したニーズを研究者・開発者に伝え、(3)開発されたシーズに適合するニーズを持つユーザ(障害当事者)に情報提供・調整る必要があり、それぞれの役割を担う人材養成が急務です。加えて、(4)開発されたシーズが安定供給されるためには、「特殊な境遇の人のための特殊な技術」ではなく、「高齢化社会においては遅かれ早かれ誰にでも必要となる技術」という観点で産業化を図る必要があります。以上のようなバリアフリー・ユニバーサルデザインを推進していくために必要な科学的なエビデンスを蓄積し、どんな心身の状態の人でも生き甲斐を持ち、安心して生活できる社会を目指していきたいと考えています。

永井 容子

永井 容子 (ながい ようこ)
教授

専攻分野:19世紀英文学(ヴィクトリア朝小説と演劇)

氏名 永井 容子 (ながい ようこ)

職名 教授

専攻分野 19世紀英文学(ヴィクトリア朝小説と演劇)

経歴 1992年:国際基督教大学教養学部人文科学科卒業、1995年:慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、1995~1996年:King’s College London修士課程修了、1998年:慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、1998年:同大学経済学部専任講師、2001~2002年:University College London訪問研究員、2003年より慶應義塾大学経済学部准教授。

メッセージ
学生時代は、常に目標をもって新しいことに積極的に挑戦してほしい。悩む前にまず今できることから着実に行動に移すことが、新たな道を切り開くきっかけとなることが多い。時には壁にぶつかって、失敗を味わうことがあるかもしれないが、一つ一つの経験が目に見えないかたちで自信へとつながり、心の糧になるに違いない。

新島 進

新島 進 (にいじま すすむ)
教授

専攻分野:フランス文学(ルーセル)、SF、独身者機械芸術

氏名 新島 進 (にいじま すすむ)

職名 教授

専攻分野 フランス文学(ルーセル)、SF、独身者機械芸術

経歴 慶應義塾大学文学部仏文科卒、同大学院修士課程およびレンヌ第二大学博士課程修了(文学博士)。
【主要論文】 Mesure et demesure chez Raymond Roussel, Universite Rennes II(博士論文)。【共著書】 巽孝之、荻野アンナ編『人造美女は可能か?』(慶應義塾大学出版会)。【翻訳】 レーモン・ルーセル『額の星 無数の太陽』(共訳、人文書院)、ダイ・シージエ『バルザックと小さな中国のお針子』(早川書房)ほか。

メッセージ
【研究】
1、レーモン・ルーセルとジュール・ヴェルヌの比較研究。
2、フランス未来予想小説、ならびにSFジャンル発生についての考察。
3、独身者機械芸術論。特にミシェル・カルージュ以後、現代に至るまでの動向。
なお研究とは別に、現代フランス文学作品でこれはと思った作品を翻訳紹介している。

【教育】
フランス語:一年生で基礎文法と基本語彙を「知り」、二年生以後の学習でそれを「使える」ようにする。そんな教育プログラムをめざす。所詮は大学の語学、という限界論を崩さねばと日々教室に向かう。ただし大学は語学学校ではないし、大学教員ならではの語学教養教育というものもあるはず。その実用と教養のバランスがつねながらの課題。

【自由研究セミナー】
芸術、文学作品における「独身者機械」や「人造人間」といったテーマをとり扱う。19世紀の文学からアクチュエルな社会風俗まで、多岐にわたる観点から近現代人の想像力、芸術の営みを、「独身者」そして「機械 /テクノロジー」というキーワードをとおして考察する。

丹羽 雄一

丹羽 雄一 (にわ ゆういち)
准教授

専攻分野:自然地理学、地形学、第四紀学

丹羽 雄一

氏名 丹羽 雄一 (にわ ゆういち)

職名 准教授

専攻分野 自然地理学、地形学、第四紀学

経歴 2012年3月 東京大学大学院 新領域創成科学研究科自然環境学専攻 博士課程修了。東北大学災害科学国際研究所 助教、中央大学理工学部 助教を経て、2021年4月より現職。博士(環境学)。沖積平野の地形発達過程や古環境変動を復元する研究や、地形・地質の特徴に基づいて大地震の発生履歴や地殻変動を解読する研究に従事している。

メッセージ
海岸地域の地形・地質の調査・分析を通じて,地形発達過程や堆積環境変化を復元する研究や,過去に発生した大地震の発生履歴や地殻変動を明らかにする研究に従事しています。今後は、地形や堆積物の総合的な解析に基づいた従来よりも詳細な地形分類を通じて,人口やインフラの集中地域である沖積平野の災害脆弱性評価に貢献する研究も進めたいと考えています。
「人の生涯よりも長い数千年~100万年といった長期間の環境変動を知ることで、近年の環境変動を広い視野に立って捉える」こと重視して自然地理学の講義を展開していきます。授業を通じて、学生の皆さんと一緒にこの視点に立って自然環境について考えていきたいと思っています。

no image

根岸 宗一郎 (ねぎしそういちろう)
教授

専攻分野:中国近現代文学、比較文学

氏名 根岸 宗一郎 (ねぎしそういちろう)

職名 教授

専攻分野 中国近現代文学、比較文学

経歴 1994年:東京大学文学部国文学専修課程卒業、2003年:東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻中国語中国文学専門分野博士課程修了、2004年:慶應義塾大学経済学部専任講師、2007年より同准教授。
【主要論文】 『周作人とギリシア文学』、「周作人におけるハント、テーヌの受容と文学観の形成」、「周作人とギリシア文学—-1921年における転回を中心に」。

メッセージ
中国近代文学の創出に中心的役割を果たした周作人を中心に、中国・日本における近代文化形成と西洋文化受容の関係を研究しています。19世紀後半から20世紀初頭の中国と日本が、西洋という異文化との接触から経験した変化がどのようなものであったかを、中国と日本におけるギリシア文学の受容を手がかりに考えていきたいと思っています。

ノッター, デビッド

ノッター, デビッド (ノッター デビッド)
教授

専攻分野:歴史社会学、文化社会学、近代家族論、恋愛論

氏名 ノッター, デビッド (ノッター デビッド)

職名 教授

専攻分野 歴史社会学、文化社会学、近代家族論、恋愛論

経歴 1964年米国生まれ。教育学博士(京都大学)。2002年、慶應義塾大学経済学部専任講師を経て、2005年より現職。著書・論文に、『純潔の近代:近代家族と親密性の比較社会学』(慶應義塾大学出版会、2007年)、「近代家族と家族感情」(稲垣恭子編『子ども・学校・社会:教育と文化の社会学』(世界思想社、2006年)などがある。

メッセージ
【研究について】
専門は社会学で、その中でも「歴史社会学」というジャンルに属する研究が多く、比較研究のものも多々あります(その代表として、2007年の慶應義塾大学出版会発行の『純潔の近代:近代家族と親密性の比較社会学』という著作があります)。また、「文化」の問題に特に関心があるため、専門は「文化社会学」だとも言えます。その他に「教育社会学」、「家族社会学」、「スポーツ社会学」も専門領域に入ります。

【教育について】
経済学部では英語部会に属しており、Study Skillsと英語セミナーを担当しています。英語セミナーのテーマとして「近代家族」や家族史、または「近代スポーツ」やスポーツ社会学などがあります。その他に、近年には国際センターでは比較家族史を内容とする講義を担当しています。

は・ま行

三田キャンパス

橋口 勝利

★橋口 勝利 (はしぐち かつとし)
教授

専攻分野:日本経済史、日本経営史

氏名 橋口 勝利 (はしぐち かつとし)

職名 教授

専攻分野 日本経済史、日本経営史

経歴 1975年、大阪府泉佐野市に生まれる。京都大学経済学部を経て、京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士(京都大学)。京都橘女子大学ティーチングアシスタント、日本学術振興会特別研究員、関西大学政策創造学部教授などを経て、現職。
 著書に、『近代日本の地域工業化と下請制』(京都大学学術出版会,2017年、中小企業研究奨励賞準賞、政治経済学・経済史学会賞)

メッセージ
地域をどうやって活性化すればいいのか。その答えを探すべく、私は、地域の形成を歴史的に研究してきました。どうやって地域は豊かになってきたのか。地域の発展を担うリーダーはどのような人だったのか。地域を歩いてみると、地域を愛する人々や、地域の歩みを伝える史料に出会います。その出会いを大切にしながら、これからの地域の発展像を一緒に考えていきましょう。

長谷川 淳一

★長谷川 淳一 (はせがわ じゅんいち)
教授

専攻分野:日本とイギリスの戦後史

氏名 長谷川 淳一 (はせがわ じゅんいち)

職名 教授

専攻分野 日本とイギリスの戦後史

経歴 ウォーリック大学社会史研究所大学院卒(社会史博士)。大阪市立大学助手、助教授、教授を経て、2007年度より現職。
【最近の研究業績】 The 100-metre-wide road in the reconstruction of bombed cities in Japan, Planning History, 28 (2/3), 2006/The reconstruction of bombed cities in Japan after the Second World War, Urban Morphology, 12 (1), 2008

メッセージ
日英の戦後史を学びながら、現代についてしっかり考えていければと思います。2008年現在研究会の学生諸氏は、イギリスにおける教育の変遷、ロンドンの都市政策・都市計画、日本における1992年都市計画法改正、日吉における地域と大学の共生や道路行政を中心とした都市政策等々、様々なことに、卒論やら三田祭やらで取り組んでいます。

no image

早﨑 成都 (はやさき せいと)
助教(有期)

専攻分野:現代アメリカ財政史、財政社会学

氏名 早﨑 成都 (はやさき せいと)

職名 助教(有期)

専攻分野 現代アメリカ財政史、財政社会学

経歴 1994年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒(2017年)。同大学院経済学研究科修士課程修了(2019年)。同博士課程単位取得退学(2022年)。
【研究業績】
“The Unlikely Heroes of Progressive Taxation: CEOs’ Support for Bill Clinton’s Tax Increase in 1993,” Journal of Policy History, forthcoming.
「共和党州政府下のメディケイド拡大-アイダホ州の事例を中心に」、『地方財政』 60(11), pp.143-168。
「財政学はなぜ移民を論じるべきなのか」、『立教経済学研究』75(4)、pp.1-28 (掛貝祐太氏との共著)。

メッセージ
大学に入学すると、様々なイベントで、「リーダーシップを身につけなさい」とか「社会への貢献が大事だ」と言われることが少なくないだろうと思います。私の経験で言うと、何度もそういうことを言われましたが、言われる前からそんなことは当たり前で、大学で教育を受ける者は社会の課題に真正面から向き合うべきエリートたる存在だ、と考えてきました。

この「エリート」という言葉について私が意識することは二つあります。第一に、エリートは厳密な、言語による議論を通じて、物事を考えていくということです。これはなんとなくカッコイイことを言っているからすごいとか、偉い人が言うことは認めざるを得ないという発想からの決別を意味します。残念ながら社会一般ではこういう立場は認められず、声を荒げたり、なんとなく相手を「論破」していい気になったり、カッコイイ横文字を使う人が持て囃されたりすることがありますが。第二に、徹底的な自己批判を欠かさないということです。どんなに賢くても、自分に慢心したり、人を馬鹿にしたり、見下すようではいけません。自信を持つことはいいことです。でも、常に自分が間違っている可能性を意識すること、一見相手が間違っていて、自分が正論を言っているようでも、深く考え、本当にそうだろうか?と問い直す姿勢が大切です。

話は急に変わりますが、私は国の財政について研究しています。狭い意味での研究としては、これまで1990年代以降のアメリカの財政をめぐる政治的な争いを党派対立や富裕層・財界の行動に着目しながら検討してきました。こういう現実的な問題を史料やデータを用いながら分析していくというのはこれからも続けていく予定ですが、最近は財政がそもそも何のためにあるのか、財政にまつわる制度が社会にとってどんな意味を持つのか、といった、より理念的な問題を検討することに意欲的です。

この問題の検討は現段階では着手し始めたばかりですが、綱領的なアイディアは、財政が果たすべき役割を、社会において「透明な空間」を作るものだと考えることです。財政の基本的な任務は、個人の自由の保障です。個人が自由でいるためには、まず身体的な生活が保障されている必要があります。もちろん、その保障に関わるのは、財政だけではありません。家族、企業、地域コミュニティ等も重要な役割を果たすからです。けれども、家族、企業、地域コミュニティだけでは限界があり、尚且つそういう集団自体が個人の自由を蝕むこと(典型的には自分が養ってやっているんだから大人しくしろ、とパートナーに怒鳴りつける人であったり、企業が解雇をチラつかせながら従業員の精神と身体を追い詰めていくことです)があります。つまりそこには「不透明な空間」が存在しています。財政はひとりひとりの個人を支え、この不透明な空間を透明にする働きを持ちます。

他方で、財政は戦争や権力者の私腹を肥やすことにも利用できる危険な装置です。財政そのものが不透明になり、さらに社会を不透明にしてしまうかもしれません。厄介なのは、結局は自分や「お友達」だけのためにやっていることなのに、そのことが「みんなのためになる」(例えば、経済成長とかですね)からという論拠を持ち出してきて、財政を牛耳ってしまう人がいることです。それを防ぐためには、社会がそうさせないように、常に警戒している必要があります。そのためには「財政が透明でなくてはならない」という意識が社会に存在し、社会にそのことを主張する担い手が必要になります。意識や担い手だけではありません、財政を形成するどういうルールがあれば、財政が不透明になるのを抑止できるのかを考える必要もあります。

以上、興味を持たれた方はキャンパスでお会いするのを楽しみにしています。私にとって、大学は自分の人生を豊かにした、かけがえのない場所です。お会いすることはなくとも、みなさんが楽しい思い出を作れるように祈っています。

廣瀬 康生

★廣瀬 康生 (ひろせ やすお)
教授

専攻分野:マクロ経済学、金融政策

氏名 廣瀬 康生 (ひろせ やすお)

職名 教授

専攻分野 マクロ経済学、金融政策

経歴 2000年:慶應義塾大学総合政策学部卒業、日本銀行入行
2007年:ジョンズ・ホプキンス大学Ph.D.(Economics)
2010年:慶應義塾大学経済学部准教授
2017年:同教授

藤田 康範

★藤田 康範 (ふじた やすのり)
教授

専攻分野:応用経済理論・経済政策

氏名 藤田 康範 (ふじた やすのり)

職名 教授

専攻分野 応用経済理論・経済政策

経歴 Yasunori Fujita (2008) ‘A New Formulation of Strategic Interactions in a Fluctuating Market,’ forthcoming in International Journal of Operational Research/Yasunori Fujita (2008) ‘A new Look at Fashion Brand Management-product switching strategies in the face of imitation,’ forthcoming in Research Journal of Textile and Apparel/Yasunori Fujita (2008) ‘Competition and Welfare for a Stochastically Fluctuating Market’, Physica A: Statistical Mechanics and its Applications , Vol. 387, Issue 12, pp. 2846-2850/Yasunori Fujita (2007) ‘Toward a New Modeling of International Economics: An Attempt to Reformulate an International Trade Model Based on Real Option Theory’, Physica A: Statistical Mechanics and its Applications, Vol. 383, Issue 2, pp.507-512/Yasunori Fujita (2007) ‘A New Analytical Framework of Agile Supply Chain Strategies’, International Journal of Agile Systems and Management, Vol. 2, No. 4, pp.345-359.

メッセージ
経済や経営を数理によって記述し、最適化問題や方程式の解として政策や戦略を立案することを専門としており、最近では工学的な手法も取り入れて、確率的変動下の意思決定について研究しています。その面白さを伝えられるよう、様々に努力していますので、よろしくお願いいたします。

藤原 一平

★藤原 一平 (ふじわら いっぺい)
教授

専攻分野:マクロ経済学、国際金融論

氏名 藤原 一平 (ふじわら いっぺい)

職名 教授

専攻分野 マクロ経済学、国際金融論

経歴 <学歴>
1989年早稲田大学高等学院卒業、1993年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業(政治学士)、応用経済学博士(大阪大学)、経済学博士(オックスフォード大学ナッフィールド・カレッジ)
<職歴>
1993-2011年:日本銀行(副調査役→企画役補佐→企画役)、2011年-:オーストラリア国立大学(准教授→教授)、2014年:慶應義塾大学(教授)
2009年-:編集委員<Japan and the World Economy>、
2012年-:編集委員 <Asia and the Pacific Policy Studies>、
2010年-:Research Associate<Globalization and Monetary Policy Institute, Federal Reserve Bank of Dallas>、
2010年-:Fellow<Euro Area Business Cycle Network>、
2012年-:Deputy Director <Centre for Applied Macroeconomic Analysis>、
2014年-:ファカルティ・フェロー<経済産業研究所>、
2014年-:Fellow<Tokyo Center for Economic Research>、
2014年-:Co-Director<Australia-Japan Research Centre>
<主な研究業績>
– Optimal Monetary Policy with Endogenous Entry and Product Variety, (with Florin Bilbiie and Fabio Ghironi), 2014, Journal of Monetary Economics, 64.
– Indeterminacy and Forecastability, (with Yasuo Hirose), 2014, Journal of Money, Credit and Banking 46(1)
– Global Liquidity Trap, (with Tomoyuki Nakajima, Nao Sudo and Yuki Teranishi), 2013, Journal of Monetary Economics 60(8)
– Can News be a Major Source of Aggregate Fluctuations? A Bayesian DSGE Approach, (with Yasuo Hirose and Mototsugu Shintani), 2011, Journal of Money, Credit and Banking 43(1)

藤原グレーヴァ 香子

★藤原グレーヴァ 香子 (ふじわらグレーヴァ たかこ)
教授

専攻分野:非協力ゲーム理論およびミクロ経済学

氏名 藤原グレーヴァ 香子 (ふじわらグレーヴァ たかこ)

職名 教授

専攻分野 非協力ゲーム理論およびミクロ経済学

経歴 慶應義塾大学経済学部卒。スタンフォード大学経営大学院PhD(経済学専攻)、1989年:慶應義塾大学経済学部助手、1995年:同助教授、 2007年:同教授、現在に至る。
【主な論文】 “The Role of Expectation in Job Search and Firm Size Effect on Wages.” Japanese Economic Review, 2004, 55(1) 56-85(Henrich Greve氏と共著)/“Undeserved Loss The Spread of Legitimacy Loss to Innocent Organizations in Response to Reported Corporate Deviance” Administrative Science Quarterly, 2009, 54 195-228 (Stefan Jonsson, Henrich Greve 氏と共著)/“Voluntarily Separable Repeated Prisoner’s Dilemma” the Review of Economic Studies, 2009, 76 993-1021 (Masahiro Okuno-Fujiwara氏と共著)など。

メッセージ
ゲーム理論は難しい数学を知らなくても、論理的に思考できればかなりわかる学問です。今では、経済学のみならずいろいろな分野に応用されています。他者の立場に立って考え、自分の利益も考え、皆の行動はどこに落ち着くかを探ります。まだまだ未解決の問題もありますし、難しい問題があざやかに解決されていたりもします。知らないということをどう考えるか、評判とは何か、など、おもしろくかつ深いことも研究できます。もし皆さんが社会に興味があれば、ゲーム理論の中に接点があるでしょう。

no image

布施 豪嗣 (ふせ ごうし)
助教(有期)

専攻分野:日本経済思想史

no image

氏名 布施 豪嗣 (ふせ ごうし)

職名 助教(有期)

専攻分野 日本経済思想史

経歴 2011年:慶應義塾大学経済学部卒業、2014年明治大学大学院会計専門職研究科修了、2016年慶應義塾大学大学院経済学研究科前期博士課程修了、2021年慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学

メッセージ
思想史は歴史から離れて存在しているわけではなく、相互に影響を与えあっています。そのような観点から、分析の対象の思想家の現状認識を重視して研究を行っています。

no image

★穂刈 享 (ほかり とおる)
教授

専攻分野:ゲーム理論(協力ゲーム)、数理経済学

氏名 穂刈 享 (ほかり とおる)

職名 教授

専攻分野 ゲーム理論(協力ゲーム)、数理経済学

経歴 京都大学経済学部卒. ロチェスター大学 Ph.D.
[主な業績]”Consistency implies equal treatment in TU-games.” Games and Economic Behavior, 2005. “On properties of division rules lifted by bilateral consistency,” (with W. Thomson). Journal of Mathematical Economics, 2008.

星野 崇宏

★星野 崇宏 (ほしの たかひろ)
教授

専攻分野:計量経済学・統計学・行動経済学・マーケティング

氏名 星野 崇宏 (ほしの たかひろ)

職名 教授

専攻分野 計量経済学・統計学・行動経済学・マーケティング

経歴 2004年3月東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。博士(経済学)。情報・システム研究機構統計数理研究所、東京大学教養学部、名古屋大学大学院経済学研究科などをへて現職。シカゴ大学客員研究員、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院客員研究員などを歴任。行動経済学会理事。主な業績として”Semiparametric Bayesian Estimation for Marginal Parametric Potential Outcome Modeling: Application to Causal Inference”, Journal of the American Statistical Association, 2013, 108, 1189-1204.『調査観察データの統計科学:因果推論・選択バイアス・データ融合』岩波書店, 2009,など。

メッセージ
【研究者・一般の方へ】
研究内容は多岐にわたっておりますが、統計学と心理学をバックグラウンドに、これまで統計学・計量経済学・心理学の基礎研究、およびマーケティング・行動経済学・脳科学・医学・公衆衛生など様々な分野への応用研究を行ってきました。具体的な研究業績は個人ページのリンクをご覧ください。
これまでは基礎研究としては一般的な統計的因果推論の研究を中心に行ってまいりましたが、今後は特に経済社会現象に焦点を絞り、よりメカニズムを考慮した解析手法や評価手法の開発に取り組みたいと考えております。経済社会現象に関わるデータを説明するにあたって、現状の統計モデルは社会の構成要素たる非合理な人間の傾向を考慮しておらず、結果としてあまり予測力や説明力が高いものになっておりません。私は行動経済学や心理学の知見を導入し、また意思決定に関わるプレーヤー間の読み合いなど産業組織論的な要素も考慮した、新しい計量経済学のモデルの開発を目指して研究しております。
また、その成果をマーケティングや経営学、労働経済学や教育経済学など様々な分野に応用していきたいと考えております。

【ゼミを希望する学生へ】
指導教員はこれまで統計学・計量経済学・心理学の基礎研究と、マーケティング・行動経済学・脳科学・公衆衛生など様々な分野への応用研究を行ってきました。以前在職していた名古屋大学経済学部ではマーケティングのゼミを担当しており、顧問先や共同研究先の企業から提供頂いた購買履歴データ、市場調査データやSNSデータを利用したり、学生を対象とする調査や経営者・担当者へのインタビュー、あるいはケーススタディなど様々な情報源を用いた実証的なマーケティング施策・戦略の立案や需要予測、効果測定などについての卒業研究を指導しました。この度着任するにあたって、本経済学部の学生の皆さんの関心と将来のキャリアパス形成に最大限配慮し意義ある研究会を立ち上げたいと考えております。下記に記載したような分野に関心のある学生は指導可能です。
(基礎的な分野)
・統計学と計量経済学
・いわゆるビッグデータ解析(統計学と機械学習の中間領域)
・行動経済学と心理学(ヒトの非合理性と行動の傾向の理解)
(応用的な分野)
・マーケティング、対象としては金融、消費財メーカー、小売業、Webサービス、政府公共機関、NPOなど
・行動経済学の応用、特に企業・組織の経済学への応用
・人的資源管理や組織行動など経営学
・流行や同調など社会現象の経済学的理解
・教育や医療などの応用計量経済学

上記はバラエティに富んでいますが、データ、統計学、数理モデルなど実証的なアプローチを用いた経済・経営、社会、人間行動についてであれば対象は限定しません。

研究会ではまず基礎固めとして各人の関心に従ってグループ単位で統計学と計量経済学、マーケティングや経営のための経済学、行動経済学や心理学などの基礎的な文献について輪読や発表、討議をします。座学だけではなく、学外の何らかのプロジェクトに参加することで学ぶオン・ザ・ジョブトレーニングが非常に有効だと考えており、各自の関心分野のプロジェクトに割り当てたいと考えます。学部演習では計量経済学や計量的なマーケティングの講義と実習を行いますので、それらに参加することを推奨します。

前多 康男

★前多 康男 (まえだ やすお)
教授

専攻分野:マクロ経済学、金融経済学

氏名 前多 康男 (まえだ やすお)

職名 教授

専攻分野 マクロ経済学、金融経済学

経歴 【略歴】 1982年:慶應義塾大学経済学部卒業、1990年:ミネソタ大学経済学研究科博士課程修了(Ph.D.(Economics))、1990年:国際大学大学院国際関係学研究科専任講師、1994年:大阪大学大学院経済学研究科助教授、2001年:大阪大学大学院経済学研究科教授、2002年-現在:慶應義塾大学経済学部教授
【主要著書】 「金融システムの経済学」(酒井良清氏との共著)、東洋経済、2004/「新しい金融理論」(酒井良清氏との共著)、有斐閣、2003
【主要論文】 “Microeconomic foundation of LLR from the viewpoint of payment”,Japanese Economic Review,Vol.59, No.2, 178-193.(Joint Work with Sakai),2008.An Overlapping Generations Model with a Storage Technology, Journal of Economic Theory, Vol. 57, No.1, 237-244,1992.Fiat Money in a Pairwise-Trading, Multi-Good, Overlapping Generations Model, Journal of Economic Theory, Vol. 54, No.1, 84-97, 1991.

牧野 邦昭

★牧野 邦昭 (まきの くにあき)
教授

専攻分野:日本経済思想史(近現代)

牧野 邦昭

氏名 牧野 邦昭 (まきの くにあき)

職名 教授

専攻分野 日本経済思想史(近現代)

経歴 東京大学経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。摂南大学経済学部講師・准教授・教授を経て現職。著書『戦時下の経済学者』(中央公論新社)、『柴田敬』(日本経済評論社)、『経済学者たちの日米開戦』(新潮社)など。

メッセージ
近代日本、特に1920-40年代の経済学者、経済評論家、官僚などの思想と活動の研究を主にしています。日本経済思想史は日本史、経済学、思想史の境界領域であると同時に、学際的に研究を発展させていくことのできる分野です。研究の面白さと現代的意義を伝えていきたいと考えています。

松沢 裕作

★松沢 裕作 (まつざわ ゆうさく)
教授

専攻分野:日本社会史(近世・近代史)

氏名 松沢 裕作 (まつざわ ゆうさく)

職名 教授

専攻分野 日本社会史(近世・近代史)

経歴 東京大学文学部卒、同大学院人文社会系研究科博士課程中途退学、東京大学史料編纂所助手・助教、専修大学経済学部准教授を経て、現職。博士(文学)。
主著は『明治地方自治体制の起源』(東京大学出版会、2009年)

メッセージ
 歴史家は、しばしば「神は細部に宿る」という言葉を好む。大事なことは細部に潜んでいて、注意深い観察によって初めて見出すことができる、というような意味合いである。
 私たちの日常生活はそうした些細な出来事の積み重ねでできている。史料を残した過去の人々という、他者の声を謙虚に聞くこと、他者のかすかな声に耳を澄まし、そこに意味を見出していくことは、私たちが日常生活のなかで出会うささいな経験をよりよく理解するために益するところがあろう。そして、過去の人びとのかすかな声を確かに聞き取ることができたとき、そこには確かな手ごたえと喜びがあろう。

松田 一茂

松田 一茂 (まつだ かずしげ)
准教授

専攻分野:マクロ経済学、労働経済学

氏名 松田 一茂 (まつだ かずしげ)

職名 准教授

専攻分野 マクロ経済学、労働経済学

経歴 学歴:
2011 東京大学経済学部 卒業
2019 プリンストン大学Ph.D. (経済学)
職歴:
2019-2021 一橋大学経済学研究科 講師
2021-2023 神戸大学経済学研究科 講師
2023- 慶應義塾大学経済学部 准教授

メッセージ
異質的な経済主体を伴う数量的マクロモデルを用いて、人的資本と賃金格差の分析をおこなっています。

三河 直斗

三河 直斗 (みかわ なおと)
助教(有期)

専攻分野:都市経済学、国際貿易

氏名 三河 直斗 (みかわ なおと)

職名 助教(有期)

専攻分野 都市経済学、国際貿易

経歴 2018年3月慶應義塾大学商学部卒業
2020年3月慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了
2023年3月慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学

メッセージ
不動産価格のデータを用いた実証分析を行っています。最近は自然災害や相続税に着目した研究をしています。詳細についてはホームページを参照してください。

三嶋 恒平

★三嶋 恒平 (みしま こうへい)
准教授

専攻分野:工業経済論、中小企業論、国際経営論

氏名 三嶋 恒平 (みしま こうへい)

職名 准教授

専攻分野 工業経済論、中小企業論、国際経営論

経歴 1977年埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ。2002年東北大学経済学部卒業。東北大学大学院経済学研究科博士課程前期、日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て2008年東北大学大学院経済学研究科博士課程後期修了。博士(経済学)。2008年熊本学園大学商学部経営学科講師、准教授を経て、2013年慶應義塾大学経済学部准教授。主著に『東南アジアのオートバイ産業』(ミネルヴァ書房)など。

日吉キャンパス

早田 智也

早田 智也 (はやた ともや)
助教(有期)

専攻分野:理論物理学

早田 智也

氏名 早田 智也 (はやた ともや)

職名 助教(有期)

専攻分野 理論物理学

経歴 2010年:東京大学理学部物理学科卒、2015年:東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。博士 (理学)。理化学研究所創発物性科学研究センターにて特別研究員、中央大学にて日本学術振興会特別研究員 (PD)、理化学研究所仁科加速器研究センターにて基礎科学特別研究員を経て、2019年より現職。

メッセージ
【研究紹介】
自発的対称性の破れという概念をキーワードに、クォーク・グルーオン多体系といったフェムトスケールの世界から神経幹細胞の集団運動といったより我々に身近な大きさの世界まで、様々な階層を支配する自然法則を物理学的な手法を用いて明らかにする研究をしています。

【学生へのメッセージ】
物理学は複雑な自然を抽象化し、あえて単純な数式を用いて現すことで、背後に隠れている普遍的な法則を明らかにする(さらには汎用的な予言も可能にする)学問です。この物理学の自然に対する姿勢や思考方法などに講義を通じて少しでも触れて貰えればと思います。

バティー, ロジャー

バティー, ロジャー (バティー ロジャー)
教授

専攻分野:古代歴史、ギリシアとローマの世界、欧州の歴史と考古学

氏名 バティー, ロジャー (バティー ロジャー)

職名 教授

専攻分野 古代歴史、ギリシアとローマの世界、欧州の歴史と考古学

経歴 1984年オクスフォド大学の西洋古典学部を卒業して、1990年博士課程修了。その後ケニア、ナイロビにある国連環境計画の本部で4年間スピチライタとして働きました。1995年から慶應義塾大学で教えています。
【主要業績】 Rome and the Nomads; the Pontic-Danubian Realm in Antiquity (OUP, 2007)/’Mela’s Phoenician Geography’ Journal of Roman Studies 90(2000), 70-94./’Defining the World; Rome and The Empire of ‘The Circle of Lands’ 慶應義塾大学言語文化研究所 (1998)、1-33.

メッセージ
がんばってください!

平野 邦輔

平野 邦輔 (ひらの くにすけ)
専任講師

専攻分野:文化人類学、日本のマイノリティ、オルタナティブ教育

氏名 平野 邦輔 (ひらの くにすけ)

職名 専任講師

専攻分野 文化人類学、日本のマイノリティ、オルタナティブ教育

経歴 2007年東京大学文学部卒、2009年同大学総合文化研究科(文化人類学)修士課程修了。財団法人での勤務を経て2013年ボストン大学人類学部修士課程修了。2021年ミシガン大学アジア言語文化学部よりPh.D.取得。ソウル大学比較文化研究所訪問研究員、ミシガン大学日本研究センター研究員を経て2023年より現職。これまでの研究テーマは、日系アメリカ人コミュニティと同性婚をめぐる論争、日本人男性同性愛者と国際移動、日本のオルタナティブ教育における「安全な空間」の創出についてなど。

メッセージ
既存の社会的規範に対し何らかの違和感を感じ、それに対して挑戦をする個人や集団の動きに一貫して関心を持っており、アメリカと韓国での留学経験があります。調査方法は、インタビューや参与観察といった質的なアプローチを取っています。教育に関してはどの科目を教える場合でも、誰もが失敗を恐れず自由に自己の意見を表現でき、尊重される安全な空間(Safe space)を構築することを原理原則としています。

より詳しい研究や教育歴については個人HPをご覧ください。

福田 桃子

福田 桃子 (ふくだ ももこ)
准教授

専攻分野:フランス近代文学・フランス映画

氏名 福田 桃子 (ふくだ ももこ)

職名 准教授

専攻分野 フランス近代文学・フランス映画

経歴 一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了(仏語仏文学)、パリ第四大学博士号取得(2014年、フランス文学・文明)。日本学術振興会特別研究員および東京外国語大学・慶應義塾大学・明治学院大学非常勤講師を経て2017年4月より現職。主要業績にLes femmes tutélaires dans À la recherche du temps perdu de Marcel Proust(近刊予定)、 « Esthétique de la contradiction chez Robert Bresson — Lecture de Notes sur le cinématographe — »(『仏語仏文学研究』、2011年)、「天使だけが翼を持つ—鳥たちのフランス文学」(白水社『ふらんす』、2017年~連載中)など。

メッセージ
フランスの文学・映画・歌が好きで研究しています。 現在興味のあることは主に次の4つです。
① マルセル・プルーストを中心としたフランス近代文学
② 鳥文学
③ フランスの映画作家(主にロベール・ブレッソン)
④ フランス映画におけるシャンソン

好きな本、好きな映画、好きな音楽、好きな美術作品、好きなスポーツ、好きな食べ物、好きなファッション等々、皆さんは何かフランス語圏のものを思いつくでしょうか?授業でも可能な限り紹介しますので、ひとつでも多く好きなものを見つけ、興味のあることを更新し、深めていってください。
未知のものへの好奇心さえあれば、フランス語は難しくありません。授業の枠を超え、フランス語を日常の一部にして、永く親しんでください。新しい言語・文化との出会いを通して、皆さんが世界を広げていく過程に立ち会えることを楽しみにしています。

no image

福山 欣司 (ふくやま きんじ)
教授

専攻分野:行動生態学・保全生物学

氏名 福山 欣司 (ふくやま きんじ)

職名 教授

専攻分野 行動生態学・保全生物学

経歴 1987年:東京都立大学大学院理学研究科修士課程修了、同年:慶應義塾大学経済学部助手、1992年:博士(理学)東京都立大学、1995年:慶應義塾大学経済学部助教授、2007年:慶應義塾大学経済学部准教授。
【主な著書(分担・監修を含む)】 これからの両棲類学(裳華房)、ニューワイド学研の図鑑爬虫類・両生類(学習研究社)、育てて、しらべる日本の生きものずかん2カエル(集英社)など

メッセージ
両生類とくにカエル類の行動や生態を研究する傍ら、両生類の保全活動にも関わっています。
経済学部では生物学や経済と環境などを担当しています。研究分野に近い授業としては、少人数で授業を行う自由研究セミナーで人間とカエルとの関わりについて考える授業を行ってます。その他、日吉キャンパスに広がる豊かな自然を利用した環境教育などにも力を入れています。

星 浩司

星 浩司 (ほし こうじ)
教授

専攻分野:理論言語学、生成文法理論(比較統語論)

氏名 星 浩司 (ほし こうじ)

職名 教授

専攻分野 理論言語学、生成文法理論(比較統語論)

経歴 1988年:獨協大学外国語学部英語学科卒業、90年:同大学大学院外国語学研究科英語学専攻修士課程終了、95年:ロチェスター大学大学院言語学科博士課程終了(Ph.D.言語学)、95年~96年:マサチュ―セッツ工科大学客員研究員、96年:慶應義塾大学経済学部助教授、その後、准教授を経て、08年:同学部教授。

メッセージ
専門は理論言語学の中の生成文法理論に基づく文法研究です。人間を人間たらしめている根本的な属性の一つが「言語」ですが、「言語」には大きく分けて“社会、文化的”な側面と“生物学的(生得的、遺伝的)”な側面の二つがあります。生成文法理論では、その草創期以来、後者の側面に焦点を当てながら、「自然言語の可能な実現形態はいかにして規定されるのか」という問題に、普遍文法(UG)の存在を仮定し、取り組んできました。現在では、その普遍文法(UG)自体の性質を、言語以外の属性から説明し尽せるかどうかを問う極小主義(Minimalism)の観点から、研究が活発に進められているところです。
ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの言葉を借りれば、言語は「有限な手段の無限な使用」という特徴を持っていますが、有限の材料とシステムで、無限の言語表現を生み出すことを可能にしている人間の言語能力の素晴らしさに感嘆するばかりです。

【学生へのメッセージ】
私自身「如何に面白い問題を見つけ出すか」が一番難しいということを常日頃痛感させられている。皆さんも慶應義塾大学に入学したら、ぜひ、体系的な学問の習得を通じ、自ら問題を発見し、その解答を求めつつ自分の頭でとことん考え抜く態度を積極的に養っていってください。

前島 和也

前島 和也 (まえじま かずや)
教授

専攻分野:言語学、フランス語学

氏名 前島 和也 (まえじま かずや)

職名 教授

専攻分野 言語学、フランス語学

経歴 【学歴】 1994年3月31日:博士(言語学)、パリ第7大学、1995年3月31日:早稲田大学文学研究科フランス文学専攻博士後期過程満期修了。
【職歴】 1995年4月1日:慶應義塾大学経済学部 助教授、2005年4月1日:同 教授(現在に至る)。
【著書・訳書】 「文字の世界史」(ジャン=ルイ・カルヴェ著、共訳)、河出書房新社、1998/Cognition et emotion dans le langage (ed. par K. Maejima et al.), Universite Keio, 2006

メッセージ
私の専門は言語学です。言語という身近でありながら捉えどころのない対象を扱うことは難しくもあり楽しくもあります。
担当するフランス語の初級でも学生が教科書の説明を鵜呑みにするのではなく自分の頭で考え、理解できるよう、あれこれ工夫をしています。言語を通してみなさんと共に知る悦びを分かち合う事ができればいいと思っています。

松岡 和美

松岡 和美 (まつおか かずみ)
教授

専攻分野:理論言語学(生成文法)、言語獲得研究、手話学

氏名 松岡 和美 (まつおか かずみ)

職名 教授

専攻分野 理論言語学(生成文法)、言語獲得研究、手話学

経歴 1988年:京都外国語大学(英米語学科)卒、1990年:教育学修士(英語教育・筑波大学)、1998年:Ph.D.(言語学・University of Connecticut)。Mount Holyoke College客員講師、University of Memphis助教授を経て2000年から慶應義塾大学経済学部助教授、2006年から同学部教授。幼児の統語知識の理論的分析と手話統語論が主な研究分野。

メッセージ
【研究紹介】
「人間言語に共通する特性の知識は生まれた時から備わっている」と仮定する生成文法の枠組みを用いて、言語の普遍的特性に注目した研究を行っています。さまざまな言語現象の中でも特に、統語(文法)面の分析を専門としています。幼児の文法知識の調査では、ゲーム形式の実験と発話コーパスの分析の両方を用いますが、調査で出会う4-6歳児が自在に使いこなす言語知識の奥深さには興味が尽きません。もう一つの専門領域は、手話を母語とするろう者(ネイティブサイナー)が用いる手話の文法現象の分析です。

【教育方針】
よい教育を受けた大学生に社会が期待するものは常に変わらないように思います。それは「課された仕事を締め切りまでに、ルールを守ってやりとげること(責任感・自己管理能力)」「自分の意見を明確に説明すると同時に、自分と違う意見も理解し考慮すること(コミュニケーション能力)」「偏った思い込みや突発的な感情に流されず、客観的データに基づき筋道に沿って考えること(論理構築能力)」です。語学・専門分野の授業にかかわらず、この三つを改善することを考えながらクラスの運営をしています。また語学クラスでは「アカデミックイングリッシュ(学術活動のための英語)」の指導を強く意識しています。

丸田 千花子

丸田 千花子 (まるた ちかこ)
准教授

専攻分野:スペイン現代文学

氏名 丸田 千花子 (まるた ちかこ)

職名 准教授

専攻分野 スペイン現代文学

経歴 慶應義塾大学法学部法律学科卒業。(株)日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)、(財)日本国際協力センター(研修監理員)に勤務後、1998年シカゴ大学大学院修士課程修了(MA, Humanities)、2007年コロンビア大学大学院修士・博士課程修了(MA, Ph.D., Spanish)。放送大学客員准教授、日本大学生物資源科学部専任講師を経て、2010年より現職。

メッセージ
20世紀も4分の3を過ぎた1975年、スペインはフランコ独裁政権から立憲君主国として、ようやく民主化の道を歩み始めます。すべてにおいて独裁政権により統制された社会から、自由で民主主義的な社会に移行する過程で、スペインの人々は急速かつ劇的な変化を体験することになります。その時代のスペイン社会に何が起きたのかを理解するには、日々の営みの中で人々が社会変革をどのように捉えてきたかを描く小説を読んだり、映画を観たりするのが極めて有効です。私の専門は、こうしたフランコ体制後のスペイン社会の変革を、小説に描かれた人々の生活を通して読み解くことです。
スペイン語は、今や世界の20に及ぶ国や地域で約3億5千万人に使われている世界の主要言語です。アメリカ合衆国でのスペイン語系移民の存在感は年を追うごとに大きくなっているほか、近年は中南米が新興経済圏として世界から脚光を浴びており、スペイン語のビジネスユースの機会は日々拡大しています。大学卒業後、グローバル・ビジネスで活躍する機会が待っている学生のみなさんには、授業を通して、スペイン語圏の多様な文化や民族性を理解し、自分なりに新しい発見をしていただきたいと思います。

溝部 良恵

溝部 良恵 (みぞべよしえ)
教授

専攻分野:中国古典文学・唐代小説

氏名 溝部 良恵 (みぞべよしえ)

職名 教授

専攻分野 中国古典文学・唐代小説

経歴 【略歴】 72年:東京生まれ。94年:東京大学文学部卒業、96年:同大学大学院修士課程修了、99年:同大学大学院課程退学、99年~02年:同大学大学院助手、02年:慶應義塾大学経済学部専任講師、05年:同助教授、07年:同准教授、06年~07年:ケンブリッジ大学訪問研究員、07年~08年:台湾中央研究院訪問研究員。
【主要業績】 『中国古典小説選6 広異記・玄怪録・宣室志他<唐代V>』(明治書院、2008)など。

メッセージ
中国唐代の小説を専門としています。唐に先立つ六朝時代(3c~3c後半)に書かれ「志怪」から唐代を代表する小説である「伝奇」への変遷がいかにしておこったのか、この中国小説史上の大きな問題を解明することを目標に、以下の4つの観点から研究に取り組んでいます。
(1) 『広異記』『紀聞』など中唐(8c終~9c初)伝奇発生以前の小説作品の分析
(2) 中国における小説観の変遷に関する考察
(3) 従来の小説史研究の再検討
(4) 『太平広記』を中心とした唐代小説のテキスト、版本研究

光田 達矢

光田 達矢 (みつだ たつや)
准教授

専攻分野:ヨーロッパ社会文化史

氏名 光田 達矢 (みつだ たつや)

職名 准教授

専攻分野 ヨーロッパ社会文化史

経歴 1995‐2000年: 慶應義塾大学法学部政治学科、1998-2000年: ボン大学哲学部(史学主専攻)、2000-2001年: 慶應義塾大学大学院経済学研究科 (科目等履修生)、2001-2002年: ケンブリッジ大学歴史学部修士課程、2002-2007年: ケンブリッジ大学歴史学部博士課程(英国政府奨学生)、2006-2009年: ケンブリッジ大学歴史学部講師(近現代ヨーロッパ史担当)、2007-2009年: ケンブリッジ大学 クレア・カレッジ リサーチ・アソシエイト、2009年4月より 慶應義塾大学経済学部専任講師 最終取得学位: PhD(歴史学、ケンブリッジ大学)

メッセージ
日常生活や身近な問題からうるさいほど自由に「問い、考え、想像する」面白さ・楽しさを体験できる「場」が大学です。世界で自分しか発想したことのないアイディア・発見・技能を4年間を通して作り上げることで自信を身につけ、その特長を卒業してからも磨き続けてほしいです。

三原 龍太郎

三原 龍太郎 (みはら りょうたろう)
准教授

専攻分野:文化人類学、創造産業論、アニメ研究、日本研究

氏名 三原 龍太郎 (みはら りょうたろう)

職名 准教授

専攻分野 文化人類学、創造産業論、アニメ研究、日本研究

経歴 【略歴】2017年オックスフォード大学大学院博士課程修了、博士(人類学)/2016-2019年ロンドン大学東洋アフリカ研究院(SOAS)金融経営学部講師/2020年より現職。

【主要研究業績】『ハルヒ in USA - 日本アニメ国際化の研究』(NTT出版、2010年)/Involution: A perspective for understanding Japanese animation’s domestic business in a global context(Japan Forum、2018年)など。

メッセージ
「日本のアニメビジネスが海外(特にアジア)に展開していくことは日本と世界にとってどのような意味を持つのか?」「その海外展開のプロセスは誰がどのようにして遂行しているのか?」という問いを、文化人類学的フィールドワーク(エスノグラフィ)の手法で研究しています。

宮崎 直哉

宮崎 直哉 (みやざき なおや)
教授

専攻分野:幾何学(微分幾何学、大域解析学、非可換幾何学)

氏名 宮崎 直哉 (みやざき なおや)

職名 教授

専攻分野 幾何学(微分幾何学、大域解析学、非可換幾何学)

経歴 慶應義塾大学教授(経済学部)(2007/04-)【塾内本務】、 慶應義塾大学助教授(経済学部)(2000/04-)【塾内本務】、 横浜市立大学理学部数理学科助手(1999/04-)【就任前職歴】、 日本学術振興会特別研究員(1998/04-)、東京理科大学 博士課程 理工学研究科 1996/03/31 修了
【最近の論文など】 ・Characteristic classes relating to quantization, RIMS, Kokyuroku, 1576, 67-81, (2008)./ ・A Lie group structure for automorphisms of a contact Weyl manifold, Progr. Math. 252, 25-44, (2007)./ ・On the integrability of deformation quantized Toda lattice, Acta Appl. Math. 92, 21-36, (2006).

メッセージ
以前はあまり意識しませんでしたが、最近「私は数学と幸運な出会い方ができたのだなあ」と感じるようになりました。
数学の問題に悩まされることも少なからずありますが、その一方で、数学は私に多くの楽しみを与えてくれたり、精神的な支えになってくれたりします。
現代数学は我々をとりまく自然に彫琢され、様々な状況にも順応するしなやかな言語に成長し、今尚その深化を続けています。
数学を習得する為には日常的な反復練習と同時に「基礎から考えはじめ考え続ける習慣」が欠かせないと感じますが、その先には詩や音楽に接するのと同じ感覚で数学を楽しめるような心境が待っているのではないかと期待しています。
皆さんは如何お考えでしょうか?

ミヤン・マルティン,アルベルト

ミヤン・マルティン,アルベルト (ミヤン・マルティン アルベルト)
准教授

専攻分野:日本教育史(明治時代),日本近現代における異文化(英語圏・スペイン語圏)翻訳史

氏名 ミヤン・マルティン,アルベルト (ミヤン・マルティン アルベルト)

職名 准教授

専攻分野 日本教育史(明治時代),日本近現代における異文化(英語圏・スペイン語圏)翻訳史

経歴 スペイン・マヨルカ島出身。バルセロナ自治大学翻訳通訳学部翻訳通訳学科スペイン語・英語・日本語専攻卒業。上智大学比較文化学部に留学。日本政府JETプログラムの国際交流員として山口県立大学に勤務後、大阪大学大学院言語文化研究科で博士号(日本語・日本文化;2011年)を取得。同志社大学言語文化教育研究センター、同大学グローバル地域文化学部助教(有期)を経て、2016年4月より現職。

村越 貴代美

村越 貴代美 (むらこし きよみ)
教授

専攻分野:中国宋代の詞と音楽

氏名 村越 貴代美 (むらこし きよみ)

職名 教授

専攻分野 中国宋代の詞と音楽

経歴 お茶の水女子大学博士(人文科学)。博士論文は『北宋末の詞と雅楽』(慶應義塾大学出版会)。図書館情報大学(現筑波大学)助手を経て、1999年より慶應義塾大学経済学部。杭州大学・ミシガン大学・北京大学にて留学・訪問研究員あり。2003年より宋詞研究会を主催し、会誌『風絮』にて第十七回「蘆北賞」(学術誌部門)受賞。

メッセージ
専門は中国の文学と図書、とくに宋代(10~13世紀)を研究範囲としています。
この時代は、「詞」という叙情詩(流行歌)が発達し、唐末に発明された印刷術が広く普及しました。作品の解読や作家の研究と同時に、詞をとりまく社会生活への関心から、当時の音楽や宗教、作品の編集・出版、などの状況を調べています。
授業は中国語のほかに、比較文化論、漢文、自由研究セミナー、研究プロジェクトなどを担当しています。中国という異文化への理解を深めるとともに、日本の文化・歴史も見直すことができるよう努めています。

森藤 孝之

森藤 孝之 (もりふじ たかゆき)
教授

専攻分野:数学(トポロジー)

氏名 森藤 孝之 (もりふじ たかゆき)

職名 教授

専攻分野 数学(トポロジー)

経歴 1993年:慶應義塾大学理工学部卒業,1995年:東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了,1998年:東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了,博士(数理科学)取得,1998年4月:日本学術振興会特別研究員(PD),2001年4月:東京農工大学工学部講師,2003年3月:同助教授,2012年4月:慶應義塾大学経済学部教授,2000年度日本数学会賞建部賢弘奨励賞受賞

メッセージ
数学の一分野であるトポロジー(位相幾何学)の研究をしています.現代数学における幾何学的対象の一つである3次元多様体の位相的性質を,代数的不変量で特徴づけること,また,様々な位相不変量の性質や相互の関係に興味があります.
一見あたり前に思えることや,どんなにやさしいことであっても,きちんと説明し尽くすことのできる力を,大学4年間で培ってほしいと思います.

や・ら・わ行

三田キャンパス

no image

★山田 篤裕 (やまだ あつひろ)
教授

専攻分野:社会政策論、社会保障論、労働経済学

氏名 山田 篤裕 (やまだ あつひろ)

職名 教授

専攻分野 社会政策論、社会保障論、労働経済学

経歴 1999年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。国立社会保障・人口問題研究所研究員、経済協力開発機構(OECD)社会政策課エコノミストを経て、2002年に慶應義塾大学経済学部専任講師。2005年より現職。主な著作に、『高齢者就業の経済学(共著:清家篤氏)』日本経済新聞社(2004年)。

メッセージ
【学生へ】
社会保障制度を、その機能を損なうことなく、維持可能なように変革することは21世紀における大きな課題である。担当している講義や演習を通じ、その課題について自らの問題と捉え、かつ経済社会における社会保障制度の意義やあり方を体系的・分析的に捉え、様々な改革案のぜひについて良き市民・有権者として判断できるようになってほしいと考えている。

山田 浩之

★山田 浩之 (やまだ ひろゆき)
教授

専攻分野:開発経済学、応用計量経済学

氏名 山田 浩之 (やまだ ひろゆき)

職名 教授

専攻分野 開発経済学、応用計量経済学

経歴 慶應義塾大学経済学部卒、Ph.D.(米・シカゴ大学)。青年海外協力隊(ザンビア・理数科教師)、国際通貨基金エコノミスト、大阪大学国際公共政策研究科専任講師・准教授等を経て2015年4月より現職。この間、世界銀行や国際稲作研究所のコンサルタント等を歴任。Journal of Development Economics, The Journal of Development Studies, Journal of International Money and Finance等に論文掲載。

メッセージ
開発経済学は間違いなく私にとって重要な研究分野ですが、経済発展に関する諸問題を研究分野としていると表現した方が良いかもしれません。経済発展は、発展途上国のみならず先進国・新興国にとっても重要ですし、幅広いトピックを含みます。国や分野を狭く限定することなく、経済学を用いて如何に現実の重要課題を分析するかというマインドが常にあります。
私自身は、青年海外協力隊、欧米大学院留学、国際機関、大学教員等々、時には回り道かな?と人から思われるような人生を歩んで来ました(自分ではこれらすべてがあったからこそ今の自分があるのだと思っていますが)。その過程で実感したことは、将来の夢が何であるとしても、(1)分析能力、(2)機動力、(3)説得力、(4)信頼関係、そして(5)度胸の5つの重要性はさほど変わらないということです。恥ずかしながら私自身が理想から程遠い人間なのですが、学生の皆さんと日々切磋琢磨して少しずつでも進歩していければと思っています。

日吉キャンパス

柳生 智子

柳生 智子 (やぎゅう ともこ)
教授

専攻分野:アメリカ経済史、アメリカ研究

氏名 柳生 智子 (やぎゅう ともこ)

職名 教授

専攻分野 アメリカ経済史、アメリカ研究

経歴 慶應義塾大学経済学部卒業、同経済学研究科修士課程修了、1998~2000年:同大学経済学部研究助手、2000~06年:ノースカロライナ大学チャペルヒル校大学院歴史学研究科博士課程、2006年Ph.D.(歴史学)。日本学術振興会特別研究員・明治大学客員研究員を経て、2008年慶應義塾大学経済学部専任講師、2011年より准教授。2011-12年コロンビア大学バーナード・カレッジ訪問研究員。18・19世紀アメリカ南部の経済発展、大西洋経済と奴隷制社会分析が主要分野。

メッセージ
1,2年生のセミナーではアメリカの社会と経済、戦後アメリカ外交と国際関係、人種問題・民族紛争などのテーマを取り上げますが、いずれも一次史料を含めた様々な文献やデータを読み、互いの解釈やディスカッションを通じて問題の理解を深めると同時に、リーディング・ライティング・プレゼンテーションの基礎的能力を上げていくことを目的としています。学生にはアメリカの現状をはじめ、世界で起きている諸問題に関心を持ち、それに歴史がどのように作用しているかを考える契機になればと思います。

八嶋 由香利

八嶋 由香利 (やしま ゆかり)
教授

専攻分野:スペイン近現代史 : 特にカタルーニャとキューバの関係史

氏名 八嶋 由香利 (やしま ゆかり)

職名 教授

専攻分野 スペイン近現代史 : 特にカタルーニャとキューバの関係史

経歴 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。東京大学社会学研究科国際関係論修士過程修了。東京大学総合文化研究科国際関係論博士課程修了。スペイン、バルセロナ自治大学(文学部近現代史学科)に留学。外務省専門調査員として在スペイン日本大使館に勤務。慶應義塾大学文学部助教授(有期)を経て、2003年4月より現職。
博士号(学術博士 東京大学1998年3月)。
【学位論文】 「スペイン内戦期のカタルーニャ農村―農業集産化と農民―」
【共著】 『近代都市バルセロナの誕生(仮)』(2008年度12月刊行予定)/碇順治編『ヨーロッパ読本 スペイン』(2008年6月)/坂東、戸門、碇編『現代スペイン情報ハンドブック』(2007年10月)
主要論文:「スペインにおける伝統的社会の変容と人の移動―カタルーニャの交易ネットワークとキューバへの移住」(『史学』2007年3月)/「スペインにおける地域ナショナリズムと社会層―カタラニスモと農民―」(上・下)(『史学』2002年11月、2003年1月)

メッセージ
みなさん、バルセロナという街をご存知ですか。
スペイン、カタルーニャ地方の中心都市で、毎年多くの日本人観光客が訪れています。彼らが必ず足を運ぶのは、世界遺産に指定されているアントニ・ガウディが設計し建築した(今でも建築中)「サグラダ・ファミリア」です。市内には彼の作品が点在しますし、またドゥメネク・イ・ムンタネーの「カタルーニャ音楽堂」も世界遺産に指定されています。
このようにバルセロナは世界中の人々をひきつける魅力的な街なのですが、都市として発展し、整備される過程で、意外にもキューバの存在が重要になってきます。一見何のつながりもないようなカタルーニャとキューバ、私はこの二つの地域の関係に関心をもっています。18世紀以来この二つの地域間には人や資本、ものの複雑な流れがありました。キューバはスペインに最後まで残された植民地であり、砂糖生産で膨大な富が生み出されていました。その富の一部がカタルーニャ人移民(成功した彼らはインディアーノスと呼ばれた)の手によって、バルセロナに運ばれてきたのです。キューバからの資本の投入がなければ、もしかしたらアントニ・ガウディの作品は今日あるような姿では残っていないかもしれません。なぜなら、彼のために膨大な資金を提供してくれたパトロン、アウゼビ・グエイはインディアーノスの家系なのですから。
私はバルセロナの近代化、都市化の過程で彼らインディアーノスが果たした歴史的役割というものを研究しています。

no image

山口 祐子 (やまぐち ゆうこ)
准教授

専攻分野:現代ドイツ文学・文化研究(20世紀を中心に)

氏名 山口 祐子 (やまぐち ゆうこ)

職名 准教授

専攻分野 現代ドイツ文学・文化研究(20世紀を中心に)

経歴 慶應義塾大学文学部卒(独文学専攻),2000年:慶應義塾大学文学研究科修士課程修了(独文学),2000年~2002年:ドイツ・ジーゲン大学に留学,2005 年:慶應義塾大学文学研究科博士課程単位取得退学,博士(文学,慶應義塾大学,2011年4月)。2003年より文学部非常勤講師,経済学部他非常勤講師を経て,2013年より現職。

メッセージ
学生のみなさんには,できるだけ多くの人と関わり,異なる文化圏の様々な価値観を知り,失敗をし,そして考える訓練をしてほしいとおもいます。ドイツ語を学び,ドイツ語で人と関わり,ドイツ語圏という異文化を知ることも,貴重な訓練の一つとなるはずです。共に学びましょう。

no image

山本 賀代 (やまもと かよ)
教授

専攻分野:近・現代ドイツ文学(特にゲーテ)

氏名 山本 賀代 (やまもと かよ)

職名 教授

専攻分野 近・現代ドイツ文学(特にゲーテ)

経歴 1998年:大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、2003年:慶應義塾大学経済学部専任講師、2006年より准教授。専攻はドイツ文学。ゲーテを中心に近代ヨーロッパ小説・小説理論史を研究。著書に『ドン・キホーテ辞典』(行路社、共著、2005年)、訳書に『シャルロッテ・フォン・シュタイン―ゲーテと親しかった女性』(J・クラウス著、鳥影社、共訳、2006年)がある。

メッセージ
その言語が使われている国々の生活や文化、歴史、芸術に関心を持てば、語学学習はきっと楽しくなります。
大学で学んで欲しいことは、自分の常識を疑うこと、歴史的視点を持つこと。

山本 武男

山本 武男 (やまもと たけお)
専任講師

専攻分野:十九世紀フランス文学、ジャポニスム

氏名 山本 武男 (やまもと たけお)

職名 専任講師

専攻分野 十九世紀フランス文学、ジャポニスム

経歴 慶應義塾大学文学部卒業(フランス文学専攻)、パリ第四大学学士号、修士号、D.E.A.、博士号取得、アリアンス・フランセーズのパリ校で外国語としてのフランス語の教授資格を取得。主要論文としては、≪L’Art japonais du XVIIIe siecle≫, d’Edmond de Goncourt. Genese d’un projet interrompu (1888-1896) (パリ第四大学博士論文、2007年2月)、≪Correspondance Goncourt-Loti≫ (Cahiers Edmond et Jules de Goncourt, no17, 2010)、訳書としては、ダイ・シージエ著『孔子の空中曲芸』(共訳、早川書房、2010年)がある。

メッセージ
ゴンクールの『歌麿』、『北斎』などに代表される日本美術研究の過程を調べています。情報提供や翻訳などで協力した日本人の足跡を追ったりもしています。あと、ゴンクールの小説などを翻訳紹介して行きたいと思っています。 教育の方では、フランス語の定型詩をクラスみんなで共作する試みを行っています。私は語学教育に於いては、出来るだけ創造性を重視しています。 研究でも教育でも、面白いことを求めてやって行きたいです。

no image

湯川 やよい (ゆかわ やよい)
准教授

専攻分野:社会学(ジェンダー・セクシュアリティ、質的社会調査研究など)

no image

氏名 湯川 やよい (ゆかわ やよい)

職名 准教授

専攻分野 社会学(ジェンダー・セクシュアリティ、質的社会調査研究など)

経歴 一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了(博士(社会学))。日本学術振興会特別研究員、東京女子大学現代教養学部特任講師、愛知大学文学部准教授などを経て、2023年度より現職。
主な著作に、単著『アカデミック・ハラスメントの社会学』(ハーベスト社)、共著『自己語りの社会学』(新曜社)、共著『承認』(法政大学出版局)など。

メッセージ
学部の授業では、「ジェンダー論」、「社会学」などを担当します。私は学生時代から、狭い意味の専門分野(ディシプリン)のみにしばられず、探究したいテーマや問い(イシュー)を大切にする調査研究活動を志してきました。ジェンダー・セクシュアリティの研究は学際的な新しい領域です。そこでは、複数の専門分野を横断し大学外の運動・実践とも密接に結びつくことで、新しい知が形成されており、一見、「ジェンダー」や「セクシュアリティ」に無関係に見えるような事柄にも、実はかかわりがあったりもします。だからこそ、みなさんがどのような専門分野を志す場合にも、どのような職業に就く場合にも、ジェンダー・セクシュアリティ研究の視点を学ぶことは、必ず役に立つはずです。
現代社会にはさまざまな人が共に生きています。大学に入学する以前からジェンダー・セクシュアリティに関心をもってきた人(関心をもたざるをえなかった人)もいれば、授業はとってみたものの実は苦手意識があるという人もいるでしょう。履修者のみなさん一人ひとりが、自分自身の経験と、ジェンダー・セクシュアリティ研究の蓄積してきた知見との接点を見出せるような授業をめざします。

吉川 龍生

吉川 龍生 (よしかわ たつお)
教授

専攻分野:中国近現代文学、中国映画史

氏名 吉川 龍生 (よしかわ たつお)

職名 教授

専攻分野 中国近現代文学、中国映画史

経歴 【経歴】 2004年 慶應義塾高等学校国語科 教諭 2005年 慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程 単位取得退学 2011年 慶應義塾大学経済学部 専任講師 【主要業績】 論文:「孫瑜映画の脚─脚の表象にみる1930年代の孫瑜映画─」『日吉紀要・中国研究』3号、2010年 など 翻訳:徐坤著「郷土中国」(原題:「郷土中国」)『中国現代文学』第2号(ひつじ書房、2008年)など 字幕:王莉監督『笑顔の教室』(原題:新来的李老師)など

メッセージ
王朔や池莉といった文化大革命以降の通俗文学作家を中心とした研究と、1930年代から人民共和国建国初期までの映画を中心とした研究を平行してすすめています。翻訳や映画の日本語字幕制作もしているので、学んだ中国語をどうやって活かしていくかということを学生のみなさんに伝えられればと考えています。

no image

米山 かおる (よねやま かおる)
准教授

専攻分野:日独社会比較、移民研究、異文化間教育

氏名 米山 かおる (よねやま かおる)

職名 准教授

専攻分野 日独社会比較、移民研究、異文化間教育

経歴 ベルリン自由大学政治社会学部社会学科卒業、ベルリン自由大学政治社会学部社会学科博士課程修了、博士号取得(Dr. phil. 2014)、2010年よりマルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク校政治日本学科講師、上智大学グローバル教育センター特別研究員、首都大学東京国際センター特任助教を経て2020年より現職。

メッセージ
異なる文化的背景を持つ多様な人々がいかに平和的で持続可能な共生社会を築いていけるのか、という問いに向き合いながら社会学と異文化間教育の分野で多文化共生や異文化理解に関する研究をしています。
異なる他者や文化との出会いや繋がりは、新たな可能性が生まれる場だと思っています。学生の皆さんには、選択肢の広がる大学時代だからこそ、できるだけ多くの異なる他者と出会い、意見交換し、自分の世界を広げるとともに、自分を客観的に見つめ、新しい自分や社会とのかかわりにおける自身の新たな可能性を発見してほしいと思います。
私はドイツ語の担当ですが、新しい言語の習得は、その力強い後押しとなってくれるはずです。
ドイツ語の世界を通して、共に「異」と自分とに向き合い、同時に自他の垣根を超えた1人の地球市民としての視野を培っていきましょう。

To Page Top