准教授
直井 道生
都市経済学、応用計量経済学
たまたま始めた研究が、東日本大震災を機にメインの研究テーマに
偶然の出会いを大切に、いろいろなことにチャレンジしてほしい
研究テーマとその出会い
専門としている分野は都市経済学、もう少し広くいえば応用計量経済学です。現在は、(他にもいくつかありますが)自然災害と経済行動の関連をテーマとした実証分析を行っています。例えば、消費者の防災・減災行動、災害リスクの認知、自然災害が不動産市場に与える影響などが、具体的な研究のトピックです。
研究テーマとの出会いは全くの偶然で、(たしか2006年ごろだったと思いますが)博士論文のテーマを探していたときに読んだ、災害リスクと不動産価格の関連を分析した海外の研究事例がきっかけです。結局、博士論文では、地震災害のリスクに焦点を当てて、家計の立地選択や不動産市場への影響などを分析しました。きっかけは偶然でしたが、その後の東日本大震災の発生などもあり、現在に至るまで主要なテーマの一つとして研究を続けています。
研究テーマの魅力、面白さ
自然災害に焦点を当てた経済分析は、世界的に見てもそれほど研究の蓄積が進んでいるわけではなく、様々な研究トピックが残されています。新しい研究トピックに取り組んでいけることは、単純に研究としての魅力を感じるところですが、同時に、自然災害というテーマは政策的にも重要な課題なので、やりがいも感じています。
学生へのメッセージ
偶然の出会いを大切に、いろいろなことにチャレンジし、かつそのチャレンジを積極的に楽しんでほしいと思います。人生、のちのち何が役に立つかなど分かりません。学生時代は、新たな人間関係であったり、授業で学んだ新しい事柄であったり、次々と「出会い」が生まれる時期でもあります。このような偶然の「出会い」を大切に育んで、その後に生かしていってもらえればと思います。これは学生の皆さんへのメッセージであるとともに、(残念ながらもう学生ではありませんが)私自身に対するメッセージでもあります。皆さんとの出会いを大切に、一緒に新しいことにチャレンジしていければと思っています。
(2013年12月取材)
※プロフィール・職位は取材当時のものです。
プロフィール
2001年 |
慶應義塾大学経済学部卒業 |
2003年 |
慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了 |
2006年 |
慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学 博士(経済学,2008年) |
慶應義塾大学経済学部研究助手、大学院商学研究科特別研究講師、経済学部特別研究講師、東京海洋大学海洋工学部助教を経て2013年より現職 |