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教員インタビュー
工藤 瞳 写真1

専任講師 工藤 瞳
比較教育学、ラテンアメリカ地域研究

スペイン語を手掛かりに、子ども・教育に関する常識や政策について考える

研究テーマとその出会い

ラテンアメリカとの「出会い」は、高校生の時に国際協力に関心があり、学校行事の職場訪問でJICAを訪れたことでした。JICA職員の方のお話を聞き、ラテンアメリカの多くの国でスペイン語が使われていることを知りました。そこで、大学の第二外国語でスペイン語を選択しました。同じく高校生の頃、新聞の教育欄で日本の教育について教育社会学者が書いた連載を読み、教育自体を問い直す教育学に関心を持ちました。「スペイン語(ラテンアメリカ)」と「子ども・教育に関する常識の問い直し」の掛け合わせで、大学では比較教育学を専攻し、卒業論文ではペルーで「子どもが働く権利を求める」運動を取り上げました。

研究テーマの魅力、面白さ

最近はチリにおける教育機会の格差是正策を研究しています。チリでは軍事政権下の1980年代から、教育の市場化・民営化が進められてきました。学校や大学の設立が規制緩和され、教育機会が量的に広がった一方で、どのような学校や大学に通えるかが家庭の社会経済的背景によって左右されることが問題視されてきました。こうした状況を受けて、2010年代に、各学校による費用徴収・入学者選抜の禁止や、中間所得層まで対象とした高等教育無償化政策も導入されました。しかしこれらの政策だけでは、通う学校や大学が社会経済的背景によって左右される状況には、大きな影響はないようです。
単純な比較はできませんが、チリの事例は日本にとっても示唆に富むと考えています。

学生へのメッセージ

現地調査に行くと、インターネットや書籍では気づかなかった点に気づくことがあります。フォーマルなインタビューや学校見学はもちろん、書店で売られている本のタイトル、道行く人々の様子、街の様子、知り合った人との会話など、様々な場面で発見があります。学生のみなさんには、インターネットや書籍から十分に情報を得た上で、日常生活や旅行、留学を通して、他者やAIによって整理された資料からこぼれ落ちる「現実」に出会い、意図しなかった出来事からも学んで欲しいと思います。

プロフィール

工藤 瞳 写真2

2008年

京都大学教育学部卒業

2010年

京都大学大学院教育学研究科修士課程修了

2014年

京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学(2016年 京都大学博士(教育学))

日本学術振興会特別研究員、専修大学・早稲田大学等で非常勤講師、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター助教を経て、2024年度より現職

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