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教員インタビュー
加島 潤 写真1

教授 加島 潤
中国経済史、東アジア経済史

経済学と歴史学の両方にまたがる学際的な分野としての経済史

研究テーマとその出会い

中国の経済史を研究しています。特に、近現代と言われる19世紀後半から現代までが主な対象で、そのなかでも1950年代に形成された社会主義体制に興味をもって研究してきました。このテーマを研究することになったきっかけは、まず大学1年のときに授業で読んだ本の「雑とうから逃れようとする一人一人の意志的行為が、結果として巨大な独り歩きをする集合力を作りあげて人間を殺すことがある」という一文が印象に残ったことです。そこから人間の集団である社会を国家によって直接コントロールしようとする社会主義体制に関心を持つようになりました。また、もともと世界史が好きで、最初は、大学ではイギリス帝国史を研究しようと思っていたのですが、中国近現代史の先生が圧倒的に魅力的な方だったので、その先生のゼミに入ることにしました。その結果、「社会主義」×「中国」という組み合わせが生まれました。

学生へのメッセージ

経済史は、経済学と歴史学の両方にまたがる学際的な分野で、経済学の抽象化された概念や理論を使って歴史を解釈していくところに魅力と可能性を感じます。経済学のレンズを通して今生きている現代社会を見ると、普通に暮らしていたのでは気づかない様々な側面が見えてくるように、歴史的事象も、経済学的な視点を導入することで、単に史料を読むだけでは見えてこなかった側面が現れてきます。
また、専門としている中国近現代経済史について言えば、中国という長い歴史を持つ国が、19世紀半ばの欧米諸国の進出を契機としてゆっくりと変化していく(そして今も継続している)過程を対象としています。そうした、自分の人生よりも長く、自身では実際に見ることができない大きな変化を捉えようとするところに、面白さがあると思います。

(2022年1月取材)

プロフィール

加島 潤 写真2

1999年

埼玉大学教養学部卒業

2002

東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了

2007

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学

2010

東京大学大学院人文社会系研究科より博士号取得 博士(文学)

東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点特任助教、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授、教授を経て2021年より現職

※プロフィール・職位は取材当時のものです

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