慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科 タイトルロゴ - HOMEへリンクKeio University  Faculty of Economics, Graduate School of Economics Title LOGO - Link to HOME
慶應義塾大学 経済研究所 Webサイトへリンク
Menu

HOME > 慶應経済について > 教員インタビュー > 米山 かおる

教員インタビュー
米山 かおる 写真1

准教授 米山 かおる
国際社会学、異文化間教育

異なる他者、文化との出会いと繋がりは、新たな可能性が生まれる場所

研究テーマとその出会い

異なる文化的背景を持つ多様な人々がいかに平和的で持続可能な共生社会を築いていけるのか、という問いに向き合いながら多文化共生や異文化理解に関する研究をしています。今、取り組んでいるのは、ボーダースタディーズという学問分野で、特に注目しているのは、国境などの境界に作られる分断壁・フェンス、その存在の背景と意味、もたらされる影響などです。きっかけは、元々越境する人々に焦点を当てた研究をしていましたが、境界から世界をとらえようとするアプローチにも興味を持ち、また、壁で有名なベルリンで長く暮らしていたということもやはり大きいと思います。

研究テーマの魅力、面白さ

境界に築かれる分離壁には、その一つ一つに奥深い歴史と物語があります。ベルリンの壁もそうですが、暴力的で悲惨な歴史を携える壁が多いのですが、壁をめぐる人々の経験には学ぶものがたくさんあり、冒頭の問いの持続可能な多文化共生社会へのヒントを提示してくれます。また、壁の崩壊と再統一を果たしたドイツの経験にも、滞在時から今まで、多くの刺激を受け続けています。ドイツでは、壁崩壊後30年経った今も分断の痛みが色々な形で「見えない壁」となって残る一方で、再統一後、環境問題にせよ、難民の積極的な受け入れにせよ、絶えず新たな挑戦が続けられています。そこに、壁の教訓だけでなく、分断を乗り越えようとする営みから生まれる強い創造力を感じ、今後も注視していきたいと思っています。

学生へのメッセージ

異なる他者や文化との出会いや繋がりは、新たな可能性が生まれる場だと思っています。学生の皆さんには、選択肢の広がる大学時代だからこそ、できるだけ多くの異なる他者に出会い、意見交換し、自分の世界を広げるとともに、自分を客観的に見つめ、社会とのかかわりにおける自身の新たな可能性を発見してほしいと思います。 私はドイツ語を担当しますが、新しい言語の習得は、その発見への力強い後押しとなってくれるはずです。ドイツ語の世界を通して、是非新たな可能性への一歩を踏み出してください。

(2020年12月取材)

プロフィール

米山 かおる 写真2

ベルリン自由大学政治社会学部博士課程修了

マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク校政治日本学科講師、上智大学グローバル教育センター特別研究員、首都大学東京国際センター特任助教を経て2020年より現職

※プロフィール・職位は取材当時のものです

To Page Top