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教員インタビュー
ソウ、クリストファー 写真1

専任講師 ソウ、クリストファー
社会学、ジェンダー論

現代社会問題を理解するために、ジェンダー・イデオロギーを理解する

研究テーマとその出会い

私の専門はジェンダー論です。「女性」や「男性」、またその他のジェンダーの役割がどのように社会的に作り出されているのかを研究しています。若い頃から社会が個人の人生にどのように影響を与えるのかに関心を持っています。人々の生い立ちがどのように人生の成功に役立つのか、人々が抱く「当たり前」の信念はどこから来るのか、そういった問いを追究するために大学で専攻したのは社会学でした。そこでジェンダー論に出会い、それが社会をより深く理解する上で不可欠であることに気づきました。それ以来、私の研究の焦点は特に企業文化においてどのようにジェンダーのイデオロギーが組み込まれているかにあります。

研究テーマの魅力、面白さ

従来からのジェンダー論は、女性が置かれる立場や経験に着目し、社会におけるジェンダー不平等の分析に基づいています。たとえば、現代社会の重要課題として、企業における女性管理職の割合の低さやセクシャルハラスメントなどの不当な扱いについて、女性当事者の観点がよく論じられています。政府や企業は女性活躍などに取り組んでいますが、しかし職場における現状について、それほど注目されていない男性が置かれる立場や経験はどうでしょうか。女性だけでなく、男性の視点も探究することで、ジェンダー問題をより深く理解することができるのではないでしょうか。現在の私の研究では男性会社員を対象として聞き取り調査を行っており、女性管理職を増やそうという会社の方針とは対照に、女性は根本的に管理職に向いていないという男性管理職の意見が多数です。そのように、政府の政策や企業の表向きをこえてみれば、従来の価値観が根強く残っている場合はまだ多いとわかります。男性の視点も検討することで、あらゆるジェンダー課題の現状や真の変革の可能性を明らかにできるのではないでしょうか。

学生へのメッセージ

意義のある学習とは、単に情報を覚えるのではなく、物事を徹底的に理解し、分析し、判断する能力を身につけることだと思います。現代社会における重要課題の解決には、このようなクリティカル・シンキングを持つ人材こそが求められています。私の授業では、多くの学生がおそらくこれから直面するジェンダー問題をテーマとして取り上げています。学生がクリティカル・シンキングを身につけ、社会をより良い方向に変えていけるような手助けができればと考えています。

プロフィール

ソウ、クリストファー 写真2

Victoria University of Wellington社会学・フランス文学専攻卒業

2016年

ケンブリッジ大学政治国際関係学部修士課程修了

2021年

ケンブリッジ大学アジア中東学部博士号取得

2021-2022年

ケンブリッジ大学アジア中東学部Newton Trust/Japan and the World Postdoctoral Research Associateを経て2023年より現職

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