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教員インタビュー
沖本 竜義 写真1

教授 沖本 竜義
計量ファイナンス、マクロ計量経済学、エネルギー経済学

データに含まれている真理を計量分析により見極め、得られた知見を社会問題解決やビジネスに活かす

研究テーマとその出会い

私の専門は計量ファイナンス・マクロ計量経済学、エネルギー経済学です。データを分析して、金融市場やマクロ経済、コモディティ市場などに対してどのようなことが示唆されるのかを明らかにする手法の開発やその応用を研究しています。
ビッグデータが比較的容易に取得できるようになり、データサイエンスという新しい分野が生まれてきた現代では、このような研究はデータサイエンスの一部とも言うことができます。そのなかでも私は経済とファイナンスの分野を中心に分析を行っています。

私の研究のベースは統計・計量経済学で、時系列分析という手法を経済・ファイナンスデータに応用するのが研究の中枢となっています。時系列分析に出会ったのは、大学3年生のゼミのときです。私は計量経済学のゼミに入りましたが、ちょうどその年のテーマが時系列分析でした。時系列分析の理論の面白さと応用分野の広さに興味を持ち、それから時系列分析を中心に計量分析手法を探求し続けています。今は新たに生まれたデータサイエンスの分野の開拓にも尽力しています。

研究テーマの魅力、面白さ

具体的な研究のテーマとしては、金融市場の相互依存関係を分析し、国際分散投資への応用を考えたり、主要国の金融政策が国際金融市場に及ぼす効果を定量的に評価したりしています。最近は、拡大が続くESG投資に注目しており、企業のESG評価と市場評価の関係やESG投資のパフォーマンスを調べることを重要な研究テーマとしています。

データサイエンスの大きな魅力は、このように幅広い問題について、データに含まれている真相を計量分析により見極め、得られた知見を社会問題の解決に役立てたり、ビジネスに応用したりしていくことができることです。しかしながら、データから真実を正しく見極めることは容易ではなく、一筋縄でいかないことが多いです。問題に対処できる手法を試行錯誤しながら、いかにデータに真実を語らせるかを考案することも、データサイエンスの醍醐味ということができると思います。

学生へのメッセージ

データに含まれている真実を正しく見極めることは容易ではなく、データ分析の結果は常に不確実性を伴います。このため、より真実に近い結果を得るための手法を検証し、得られた推定結果がどの程度の不確実性を含んでいるのかを正確に評価した上で、得られた知見を現実の問題に応用していくことを心掛けて、研究を進めています。皆さんも、もし興味深いデータを見かけたら、そのデータから何が分かるのか、それはどの程度、確かなものなのか、そして、その結果をどのように応用すれば自分の生活や社会の改善に役立てることができるのかを考えてみてください。もし、経済・ファイナンスの分野において、データ分析や実社会への応用に興味があるのであれば、大学や大学院で計量経済学や計量ファイナンスを学んでみると面白いと思います。

プロフィール

沖本 竜義 写真2

1999年

東京大学経済学部卒業(経済学学士)

2001年

東京大学大学院経済学研究科修士課程修了(経済学修士)

2005年

カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院経済学研究科博士課程修了(経済学Ph.D、 統計学修士)

2005年

横浜国立大学経済学部准教授

2008年

一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授

2014年

オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院准教授

2022年

慶應義塾大学経済学部教授

※プロフィール・職位は取材当時のものです

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