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教員インタビュー
松田 一茂 写真1

准教授 松田 一茂
マクロ経済学、労働経済学

皆さんの周りにマクロ経済は確かに存在している

研究テーマとその出会い

カフェなどで外を歩いている人をぼんやり眺めるのが好きでした。その中には楽しそうな人もいれば元気がなさそうな人もいることが気になったのが最初だったと思います。このような私の周りに多種多様な人がいる現実こそがマクロ経済であり、マクロ経済学はそのような実際に存在する現実を分析し、改善するための有益なツールを提供していることに気がついた時に面白さを感じました。

研究テーマの魅力、面白さ

先ほど述べたようにマクロ経済には元気ではない人もいます。様々な要因がその人たちの元気に影響を与えているわけですが、その中でも今やっている仕事は本当はやりたい仕事ではない、もしくは賃金が低くて生活に余裕がない、という仕事の悩みは大きな悩みの一つだと思います。やりたい仕事に就くために、もしくは高い賃金を得るために必要なスキルを身につける機会があればいいのですが、そのような機会を様々な理由で与えられなかった人が多くいます。このような仕事や賃金、そしてスキルアップの機会について考えるのが私の研究分野です。
このような自分へ投資するスキルのことを「人的資本」と言いますが(スキルアップのことは「人的資本への投資」と言います)、なぜ全ての人は働きたい仕事をするために必要な人的資本を身につける機会を与えられないのでしょうか。そしてその状況を改善するために必要な政策はなんでしょうか。このような問題について考えることは実際にみなさんの周りに存在する元気のない人を減らすために役立てると思います。

学生へのメッセージ

高校の時と違い、大学では誰かが書いた答えのない問題について考えることになります。すぐに答えを見られないことはしんどいことなので、避けたいかもしれません。しかし、みなさんのこれから生きる上で直面する問題も残念ながら答えのないものが多くなっていきます。一方でこのような問題は、長い時間をかけて考えるだけの価値があることです。大学でそのような「答えのない問題」に取り組むために訓練を積むことは、経済学の理解を深めるだけではなく人生にとっても重要な「人的資本」になっていくと思います。

プロフィール

松田 一茂 写真2

2011年

東京大学経済学部 卒業

2019年

プリンストン大学Ph.D. (経済学)

一橋大学経済学研究科専任講師、神戸大学経済学研究科専任講師を経て2023年より現職

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