琵琶湖周辺の水環境保全に対する地域住民組織の可能性―滋賀県伊香郡高月町自治会を事例として―
[誘導展開型]
土居 祐一郎 (経済学部3年)
指導教員:河田 幸視
要旨
この研究は、近年における自然環境の悪化、とりわけ水環境の汚染に対して講じられる住民参加型の環境活動に焦点を置き、現在課題として残っている“一般住 民の参加の促進の停滞”を解決する手段の一つとして、地域住民組織、特に“自治会”を候補として考え、その自治会がどのような状態であれば住民参加”を促 進するのか、また、その自治会がどのような状態であれば、住民参加型活動の真の目的である住民間の“水環境への意識”の向上が促進されるのかの究明を、ア ンケート調査とその集計結果の分析により試みたものである。分析の結果得られた答えの一つとしては、地域住民組織におけるさまざまな活動を媒介として育ま れる、地域住民間の人間関係のネットワーク、コミュニケーションの有無が住民参加や水環境への意識の差へ関係していることが明らかになった。この結果を通 して、全国の地域住民組織を通しての水環境保全の促進の可能性を示すことができると思われる。