ユダヤと“ユダヤ性”―中近世ヨーロッパ社会との関係から見るユダヤ人―
[誘導展開型]
石井 友章(経済学部3年)
指導教員:羽田 功
2008年2月29日
要旨
ユダヤ人を内面的、外面的に捉えたときに浮かび上がる普遍的なユダヤ人の性質つまり“ユダヤ性”を探ることが本論文の目的である。歴史資料を基に分析し、内面的な部分であるユダヤ人のアイデンティティに関してはユダヤ教の性質を、外面的なユダヤ人イメージについてはステレオタイプの類型に関する資料を付加して分析した。結果、ユダヤ性は見つからないという結論に達した。それでは研究した意義の必要性が問われてしまうが、一方で私はこの“見つからないという状態”自体が普遍的ユダヤ性の本質ではないかと考えている。時代や地域に関係なくユダヤ人問題が発生し、収束することはあっても解決することはない状況を考えると、見つからないという状態はある意味無限連鎖の中を終わりなく彷徨う行為と等しい。こうした無限連鎖を他の地域や時代のユダヤ人に当てはめ、類型として考えられるかが今後の研究の目的になると考えているため、今回の論文はこのような結論にとどめることにした。