中国における英語教育 ~日本との教科書比較を中心に
[誘導展開型]
青木達哉(経済学部3年)
指導教員:村越貴代美
要旨
本論文では、改革開放以後急速に発展を遂げ、教育の分野でも急速に変化している中国と、「ゆとり教育」の修正が求められている日本の英語教育を比較することにより、中国における英語教育の特徴を考察した。英語教育の違いはその方針を示す「英語課程標準」と「学習指導要領」、さらに実際の両国教科書に現れていると考え、比較分析を行った。分析の結果は、中国の「英語課程標準」は生徒の成績の評価案も掲載されているなど実践を重視したものであり、教科書においても日本の教科書に比べて分量が多く会話重視であった。しかし、ページ数も多く膨大な情報量である教科書を、地域格差や経済格差などの大きな中国において、実際の教育現場で使いこなせているのか疑問に思われた。いまはアメリカの教科書を直輸入して新しい英語教育を始めた段階であると考えられるが、今後はこれを消化し、中国の国情にあわせた教科書や教育方法が模索されていくのだろうと思われる。