中国における教育格差問題―湖南省における教育に着目して
[誘導展開型]
福田晃大(経済学部3年)
指導教員:村越貴代美
要旨
近年急速に格差が拡大している中国において、教育格差は格差の固定化を促す中国の格差問題の中でも核心となる問題であると考え、中国の教育格差について調べ、考察した。統計年鑑を用いて統計的分析を行った結果、1人あたりGRPが14,492元で中国国内第22位と尐ないにもかかわらず、非識字率が5.35%と低い湖南省の教育に着目し、湖南省における教育について人民日報など中国の新聞記事を用いて調べた。湖南省では留守児童の問題はあるけれども、初等教育や職業教育に力を入れていることがわかり、湖南省は中国の貧困地域における教育のモデルケースになると言える。また、湖南省では民族教育も行われている。広大な国土や尐数民族が数多く存在することが中国の特色であり、初等教育については成果を収めている湖南省の例を参考にしつつ、無限の選択肢を持った教育を行うことができれば、中国の教育格差は解消されるばかりか、新たな経済発展のステージを迎えることができるだろうと結論づけた。