

我孫子市と柏市における都市間競争-都市の未来を決するものは何か-
[誘導展開型]
神崎 崇(経済学部4年)
指導教員:長田 進
2009年2月27日
要旨
千葉県北西部に位置する柏市が1950年代以降に急速な発展を遂げた理由について、昭和初期まで同地域を代表する都市であった我孫子市との比較を通じて調査を行うことが本論文の目的である。
今回の研究対象である二つの都市に関して(1)大規模商業施設の進出、(2)住宅地開発による人口増加、(3)交通インフラの整備、という都市の成長に関係すると思われる三つの要因を重視して調査を行うことで、以下の二点が判明した。
第一に、柏市の発展は1911年から始まる交通インフラの整備が最も影響したと考えることが妥当であり、整備状況における格差が1950年代に活発化した住宅地開発を誘発したと捉えることが可能である。第二に、柏市にとって大規模商業施設の進出は都市の成長に繋がったと考えるより、柏市が成熟した都市となったことを反映する一例として扱うことが適切である。