日本における保存とリノベーション―日英で比較して都市と建築の視点から考える―
[自発展開型]
黒石晶子(経済学部3年)
指導教員:伊藤 行雄
2008年1月19日
要旨
ロンドンに行くと日本とはあまりに違う街並みに目を奪われる。それらの景観の多くは国による建築物や町並みの保存政策と、市民による建物の積極的な再利用(リノベーション)によるところが大きい。
対して日本では古い建物が多く壊され、歴史的景観が失われつつある。しかし、近年「リノベーション」が既存建築物を利用する手法が日本で注目を集め始めている。イギリスの「リノベーション」とはどのように異なり、どのような可能性が「リノベーション」に秘められているのだろうか。
第一章ではイギリスにおける建築物保存の歴史について触れ、第二章では、それとともにどのような法整備が行われ、現在多くの「リノベーション」が行われるにいたるのか明らかにする。第三章では日本における建築保存を取り巻く状況とリノベーションの定義を明らかにし、リノベーションがどのような可能性を持っているか考察する。
考察の結果、リノベーションは日本の建築物保存において開発と保存を両立させる新たな手法としての可能性が明らかになると予想される。