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教員インタビュー
有川 智己 写真1

准教授 有川 智己
コケ植物の系統分類学

高校生のときに手伝った調査がきっかけでコケ植物の道へ。
すぐ足元にも満ちあふれている生物の多様性を意識してほしい。

研究テーマとその出会い

高校生のとき、生物部で、顧問の先生のコケの分布調査を手伝ったのがきっかけです。当時全国の都市近郊で、ミカヅキゼニゴケという外来種のコケが急速に分布を広げていたのですが、その状況を調べる調査を学校ぐるみで行っていたのです。手伝っているうちに、植物や自然について詳しい人たちにも意外に知られていないコケの美しさやおもしろさに惹かれ、コケを調べ始めました。

コケなんていう、人間の生活にあまり直接役立たないものを専門にしていると、「どうして?」「なんで?」「きっかけは?」と言うことをよく聞かれるので、そのたびにこのような説明をしています。高校生の時から興味を持っていたというと、よほどの変わり者とおもわれたり、妙に感心されたりしますが、別に、コケ一筋、初志貫徹、なんてつもりはありませんでした。学科選びや大学院進学などの局面ごとに、柔軟に進路選びをしていたつもりなのですが、いろいろな偶然や流れが重なって、ずるずるとコケの研究の道に進んで行きました。

研究テーマの魅力、面白さ

出会いはたまたまだったのですが、コケ植物は地味ながらもおもしろい存在です。とくに、コケ植物の美しさは、多くの人に知っていただきたいポイントです。日本庭園や亜高山帯の林床に一面に広がるコケの絨毯も美しいのですが、そのような「集団の美」の他に、ぐっと数センチメートルまで近寄ってルーペで覗いたときの、コケ植物の茎や葉の精緻な「構造の美」も、光学顕微鏡で透過光によって観察する細胞レベルの「ミクロの美」も、コケ植物の魅力です。野外で眺めて楽しめ、寄り添って覗いて楽しめ、また持ち帰って顕微鏡でも楽しめる、一粒で3度楽しめるのがコケ植物です。生物学的にも他の植物にないユニークな特徴が多く、植物科学の可能性をひろげる存在だと思っています。

学生へのメッセージ

私が専門としているのはコケ植物ですが、慶應義塾ではその専門を軸に、生物界のすさまじく幅広い多様性と長い進化の歴史を講義などで紹介しています。普段の生活の中で、私たちのすぐ足元から地球のすみずみまでが様々な生き物に満ちあふれているということや、その生き物の複雑で絶妙なバランスの中で私たちも活かされているということを、意識することはなかなかないかもしれません。これからの社会で先導的な役割を担う学生の皆さんには、環境問題などに対峙するためにも、絵空事ではない豊かな自然観・生命観を身につけていただきたいと思います。

(2013年12月取材)
※プロフィール・職位は取材当時のものです。

プロフィール

有川 智己 写真2

1997年

東京大学理学部生物学科植物学課程卒業

2003年

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(博士(理学))
広島大学大学院理学研究科助手、慶応義塾大学経済学部助教(有期)、鳥取県立博物館主任学芸員などを経て2013年4月より現職

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