


准教授
松本 英彦
国際金融論、マクロ経済学
報道記者から研究者を目指し、留学先で国際金融と出会う
研究テーマとその出会い
国際的な資本移動が各国のマクロ経済に与える影響、特に金融安定性に与える影響と、関連する政策について研究しています。大学卒業後に報道機関で記者として働く傍ら、日本のデフレや世界金融危機をきっかけにマクロ経済政策に興味を持ちました。記者として取材するよりも自分で納得できるまで考えたいという思いが強くなり、研究者を目指すために退職して大学院に入りました。留学先のアメリカの大学には中南米出身の研究者や学生が多く、急激な国際資本の流出が新興国で金融危機を引き起こす仕組みについて活発な研究が行われていて、私もそれに引き込まれていきました。
研究テーマの魅力、面白さ
国際金融市場では巨額の資金が目まぐるしく動いていますが、資金の流れが突然変わったり止まったりすることで、各国経済や世界経済全体に大きな影響を与えることがあります。こうしたスケールの大きさとダイナミックさが研究テーマの魅力です。この分野の研究成果は、各国の政府・中央銀行や、国際通貨基金・世界銀行などの国際機関の政策形成にも直接影響を与えています。私も論文を読んでくれた海外の中央銀行の人から連絡や質問を受けることがあり、こうしたことも大きなやりがいにつながっています。
学生へのメッセージ
自分の学生時代を振り返ると、限られたコミュニティの中で過ごしていたので、知識も視野も非常に狭かったように思います。日常のコミュニティの外に出ると、想像もしなかった面白いことや重要な問題に気付くことがあります。私の場合は、記者としての仕事を通じてマクロ経済に関心を持ち、留学先で中南米出身の研究者に出会ったことから国際金融を研究テーマに選びました。今でもゼミや授業で、世代や国の異なる学生との交流から学ぶことがたくさんあります。学生の皆さんも、たまには居心地のいい日常のコミュニティから飛び出して、視野や見聞を広げるといいと思います。
プロフィール

2001年 |
東京大学教養学部卒業 |
2001年 |
日本放送協会(NHK)入局 |
2012年 |
東京大学経済学研究科修士課程修了 |
2018年 |
メリーランド大学経済学博士課程修了 Ph.D. |
日本銀行金融研究所研究員、政策研究大学院大学助教授を経て2024年より現職 |
