Professional Career Programme(PCP)とは

Professional Career Programme(PCP)は、慶應義塾大学経済学部が、カリキュラム改革の一環として、2005年度に学部内に設置したプログラムです。新カリキュラムは、卒業後のキャリア・パスを明確に意識させることによって学生の学習意欲を喚起し、同時に教育サービスを向上させるために導入されました。

原則として経済学部の3・4年生を対象に、将来のキャリア形成に役立つ実践的な経済学教育を、少人数クラスでかつ英語で提供します。講義・授業中の質疑応答・試験のほか、コーディネーターとの会話・連絡は、すべて英語で行われます。

PCPの目的

PCPは、職業人として世界的に活躍するキャリアを築くことを目指す学生および、国内外の大学院・専門職大学院(法科大学院、行政大学院、ビジネススクール、開発関連大学院などのプロフェッショナル・スクール)に進学することを視野に入れている学生のために開設されました。以下の2つの側面において学生の指導を行うことにより、国際的な視野に立つ人材・未来への先導を行う真のリーダーを育成します。

経済学専門科目の学習・リサーチ・スキルの習得:このプログラムに参加する学生は、まず基礎となる経済学的な考え方および数量的分析手法を習得します。その後、各自の興味に従って複数の専攻コースの中から一つを選択し、より専門的な領域の基礎知識を学びます。各設置科目の中では政策論が積極的に取り入れられているため、学生は政策分析の枠組についての理解を深めることができます。そして共同研究と個別研究を通じて、リサーチ・スキルを高めます。

語学スキルの向上:授業や試験は勿論、コーディネーターとの会話や連絡が全て英語で行われます。さらに、英語以外の外国語を学習することも奨励されています。将来のキャリア計画を見据えたうえで語学能力を向上させることができます。

履修許可は選抜された学部3・4年生のみに与えます(選抜は2年次の終わりに行います)。

PCPの履修科目は全て卒業単位として計算され、プログラム内の科目全てに合格した学生には、塾長と学部長連名の修了証が発行されます。

研究会・研究プロジェクトとの並行履修も、制度上は可能です。なお、研究プロジェクトとの同時履修をする場合は、それぞれのプログラムコーディネーターに申し出て、研究テーマの内容などについて事前に相談してください(単位履修その他の評価に影響する場合があります)。

教育目標

PCPでは、次のような教育目標の達成を目指しています。

  • 基礎となる経済学的な考え方の習得。
  • 数量的分析手法の習得。
  • 関連する経済学領域の基礎の習得、政策論の分析枠組みの理解。
  • 共同研究・個別研究を通じての、論文作成・プレゼンテーションを含むリサーチ・スキルの学習。
  • プロフェッショナル・キャリアを見据えた語学スキル(英語・第二外国語)の習得。

ゼミを基軸にした大学教育との違い

従来、慶應義塾大学経済学部の教育サービスは、「講義科目」のほか、少人数教育としては「研究志向の強いゼミ」のみがありました。これに対しPCP を加えた新しい教育サービスでは、少人数教育の選択肢として、ゼミのほかに「研究プロジェクト」と「PCP」があります。PCPでは、英語による実践的な経済学教育を少人数で行うことによって、国際社会で活躍する人材・研究能力の高い人材を育成します。

沿革

2005年度
4月     PCP開始
4月     法と経済、国際経済の専攻コースを設置

2006年度
4月     法と経済、国際経済に加えてファイナンスおよび環境経済の専攻
        コースを設置
3月     第一回PCP Certificate授与式(第一期生対象)

2007年度
4月     公共政策の専攻コースを新たに設置
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期10名、秋学期6名)
8月     文部科学省特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)に採択
        される(2007年度から2009年度)
3月     第二回PCP Certificate授与式(第二期生対象)

2008年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期10名、秋学期21名)
9月     PCP参加学生を対象とするTOEFL iBTの実施
3月     留学費用の補助として5名の学生にUBS Scholarshipを授与
3月     第三回PCP Certificate授与式(第三期生対象)

2009年度
4月     日本経済の専攻コースを新たに設置、公共政策の専攻コースを
        停止
4月     英語担当教員によるポートフォリオプロジェクト(Portfolio Project)
       (2009年度から2010年度)、大学院生によるTA/Tutoring開始
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期18名、秋学期29名)
8月     PCP参加学生を対象とするTOEFL iBTの実施
3月     第四回PCP Certificate授与式(第四期生対象)

2010年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期28名、秋学期26名)
3月     東日本大震災のためPCP Certificate授与式(第五期生対象)を
        中止

2011年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期6名、秋学期15名)
10月    第一回PCP Festa開催
3月     第五回PCP Certificate授与式(第六期生対象)

2012年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期28名、秋学期30名)
11月    第二回PCP Festa開催
3月     第六回PCP Certificate授与式(第七期生対象)

2013年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期36名、秋学期31名)
10月    第三回PCP Festa開催
3月     第七回PCP Certificate授与式(第八期生対象)

2014年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期35名、秋学期27名)
10月    第四回PCP Festa開催
3月     第八回PCP Certificate授与式(第九期生対象)

2015年度
4月・9月  短期交換留学生の受け入れ(春学期35名、秋学期50名)
3月     第八回PCP Certificate授与式(第十期生対象)

PCP Certificateの授与

次の二つの条件を満たす学生に、卒業式後の授与式で、学部長からPCP Certificate(修了証)を授与します。

1. PCPの学生であること
2. PCPの所定10科目を履修し、合計20単位を取得すること