
教授
中西 聡
日本社会経済史
山の豊かさと海の豊かさが育んだ日本の産業化
研究テーマとその出会い
義塾賞の対象となった『山の富豪の資本主義』(名古屋大学出版会、2025年)は、私が2009年に著した『海の富豪の資本主義』(名古屋大学出版会)の姉妹本にあたるものです。日本は、四方を海に囲まれ、山も多く、昔から海の豊かさと山の豊かさにあふれていました。それらの豊かさが里に投入されて、江戸時代から農村工業が盛んとなり、近代に入ってそれらからの蓄積が都市工業にも投入されて産業化が進展しました。このように、日本の地勢から長期間にわたる日本の産業化の歩みを捉えることが私の研究テーマとなります。
研究テーマの魅力、面白さ
そのような長期的視野からの日本経済の歴史を、実感をもって解明したいと思い、日本各地の旧家を廻って、その屋敷の蔵に残された古文書を紐解き、おおよそ200年にわたるそれら多くの家の歴史を積み上げて全体像を示すことを目指しています。そのため一冊の本を編むのにかなりの時間がかかりますが、次第に全体像が見えてくるワクワク感がとても気に入っています。特に、古文書調査は多くの研究者と共同で行うことが多く、歴史的資料所蔵者との対話も重ね、いろいろなアイデアが飛び交い、共同研究の楽しさが実感できます。
学生へのメッセージ
一度限りの人生ですから、好奇心をもって楽しんで下さい。そしてその好奇心の一部でもよいので歴史に向けてみて下さい。過去を知ることで未来につながることが必ずあるはずです。そして、自分なりの歴史観を養って、社会人になってからも、相手への思いやりを持ちつつ、流行に惑わされずにしっかりと自分の生き方を貫いてもらえればと願っています。
プロフィール

1993年 |
東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学 |
1993年 |
東京大学社会科学研究所助手 |
1995年 |
北海道大学経済学部助教授 |
1999年 |
名古屋大学経済学部助教授 |
2004年 |
名古屋大学大学院経済学研究科教授 |
2013年 |
慶應義塾大学経済学部教授 現在に至る |
博士(経済学) |
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