
准教授
能勢 学
開発経済学、公共経済学、国際経済学
学術研究と政策の融合-政策形成の現場で見た開発課題に、経済学で向き合う
研究テーマとその出会い
発展途上国の都市や企業の発展、特に運輸インフラやデジタル技術が与える効果と、途上国財政について研究しています。大学生の頃から開発援助に関心があり、円借款事業を含む国際協力の実務や、世界銀行やIMFでの政策形成に携わる中で、一貫してインフラというテーマに携わってきました。開発援助の実務からキャリアをスタートしましたが、政策評価の専門性を深めたいという思いが強まり、米国の大学院へ進学し研究者を志しました。ブラウン大学では、インドネシア・アチェ州で2004年スマトラ島沖地震・津波後の災害支援に関するフィールド調査を行いました。その後、IMFではアジアやアフリカ諸国のマクロ経済予測や財政支援・研究を長く行ってきました。こうした経験を通じて問題意識が醸成され、現在の研究テーマへ繋がっているように思います。
研究テーマの魅力、面白さ
開発経済学は非常に幅の広い学際的な分野です。学術的な意義や新規性を追求するだけでなく、政策担当者や国際機関が抱える様々な政策課題やニーズに直接応えられる点に醍醐味があります。研究手法も、伝統的な現地調査に加え、2000年代以降普及したランダム化比較実験、経済理論に基づく構造推定など多彩です。さらに、衛星画像、携帯電話の通話履歴、行政データなどを活用した先端的な研究も活発に行われています。特に、都市、インフラ、財政の分野では、経済理論と最新のデータ解析を組み合わせた分析が進んでいます。こうした最先端の学術手法を総動員し、実証的エビデンスに基づく知見を政策実務に反映させ、大きなインパクトを与えられる点が最大の魅力です。
学生へのメッセージ
私はこれまで、学術研究と政策形成の現場の両方を見るよう努めながら、開発課題に向き合ってきました。振り返ると、学部時代のゼミ活動での経験や人との繋がり、各機関での出会いの一つ一つが、研究とキャリア形成において大きな財産になっていると感じます。人生には多様な選択肢があり、キャリアパスも一つではありません。学生の皆さんには、自分が面白いと感じる問いを大切にし、その好奇心を軸に自らの強みを磨き続けながら、納得のいく進路を切り拓いていって欲しいと思います。
プロフィール

2002年 |
慶應義塾大学経済学部卒業 |
2012年 |
ブラウン大学経済学博士(Ph.D. in Economics) |
国際協力銀行(2002-2006年)、世界銀行エコノミスト(2011-2013年)、国際通貨基金(IMF)財政局及びアフリカ局エコノミスト(2013-2025年)、東京大学・公共政策大学院特任講師・准教授(2017-2020年)などを経て、2025年4月より現職 |
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